プレイバック2021

撮影機材とWeb会議環境整備、とどめにバイクで大散財 by 編集部 野澤

コンデンサーマイクと筆者の部屋では活躍中のリフレクションフィルター

2021年を振り返ると、AV Watchの媒体自体の方針的もそうなのだが、昨年以上に引きこもったこともあって、動画に注目した年だった。機材も色々触った方が理解度が高まるだろうと思い、自腹で色々購入。机上をざっと見回すと、コンデンサーマイク、ミキサー、Webカメラ、机上撮影用のマウントなど、「このまま配信者になれるんじゃね?」という環境が揃った。

マイクはマランツプロ「MPM-1000」(6,000円)、ミキサーはYAMAHAの「AG03」(18,150円)、Webカメラはロジクールの「C922n」(購入時2,025円)、机上撮影用のマウントは、サンワサプライのモニターアーム「CR-LA352」(5,440円)と長尾製作所のカメラマウント「NB-MV001MH」(3,680円)、ハクバのクイックシュー「HQS3-S」(2,280円)を組み合わせた。価格は全て購入時のものだ。

自分で動画を投稿したり配信したりするのは、まだ問題が山積みで叶わないのだが、PCにミキサーソフトを入れて様々な機能を組み合わせて声を変えて遊んでみるなど、今まで未知だった領域を体験できた。マイクに関しては、「ミキサーソフト使うならUSBマイクで良かったのでは……」という感想を抱いたりもしたので、次はUSBマイクを試して比較したいところ。

一方で、ミキサーのフェーダーを上下させてマイクの入力音量を調整できるのが楽しいのと、ビデオ通話アプリなどのミュートボタンを使わなくて済む上に、マイクのON/OFFが一目で分かるという点は便利だ。机上にガジェットがある雰囲気も楽しめるので、これはこれでアリだ。

AG03
C922n
机上撮影用マウント。友人らと開封の儀通話などができる。動画を撮る場合は机上に良い感じのマットが欲しい
クイックシューを付けたらだいぶ使いやすくなった

これらが活躍する場面はWeb会議や、友人らとのボイスチャット程度なのだが、ここで発覚した問題が、家の中の音や家族の声をけっこう拾うということ。これが動画投稿や配信ができない最大の問題だ。

筆者の自室は吹き抜けに面している部屋で、さらにその吹き抜け側に障子が設置されていて、窓からの日差しが入るような設計になっている。この説明だけでは「明るそうでいいね」と思われそうだが、この障子のおかげで防音性は皆無、プライバシー無視の部屋というわけだ。そして、障子からはキッチン&ダイニングの音や、真下にある居間の音が入ってきて、これを防ぐ術がない。

作業机はその障子がある壁の対角側に、室内に向かう形で設置している。こういった配置の場合、「単一指向性のコンデンサーマイクは、壁から反射してくる音を防ぐのが効果的」という情報をみつけたので、壁側に物を引っかけたり、毛布を広げてみたりしたのだが効果無し。思いっきり声やテレビ/ラジオの音を拾ってしまう。

おかしいなと思いつつ、ネット上の情報ではあまり効果がないと書かれていたリフレクションフィルター(2,959円)をマイクに設置したところ、これが役に立った。どうやら、この部屋の場合は壁から反射した音よりも、障子から直接向かってきている音の方が大きかったようだ。

結局部屋の性質上、どうしても家の中で鳴っている音を拾ってしまうのだが、通話では支障がない程度にすることはできた。今後はダイナミックマイクを使った際にどうなるのかも試してみたいと思っている。

撮影機材では、GoPro HERO9 BLACK(63,800円)を購入。「ゆるキャン△」のあfろさんが描くもう1作のマンガ「mono」に登場するモトブロガーの華子が、散歩中の撮影にネックマウントを使用しているシーンを見て「こんなのもあるのか!」と、ネックマウント(2,420円)も購入。

「mono」あfろ著
GoPro HERO9 BLACKとShorty
首から提げておけば視界をそのまま撮っている感覚で撮影できる。あと若干棒より目立たない気がする

取材時にカメラで写真を撮りつつ、首からGoProを下げて動画も撮れるのでは? と数回試したところ、大型のイベントなどの雰囲気を伝える動画は撮影できるが、手元で何かを触っている様子を撮影しようとすると、毎回撮影範囲をしっかり確認してから録画を開始しなければならないため、かなり手間が掛かることがわかった。撮影中のプレビュー画面もスマホアプリで表示されればかなり楽なのだが。目的がはっきりしているときであれば、三脚にもなる小型の「Shorty」(3,942円)で色々撮影できそうなので、仕事でもプライベートでも活用していきたい。

そして動画を視聴する機会も増えた。これまであまり見ていなかったYouTubeを今年から意識して見るようになった。最初はどんな動画の構成が視聴しやすいか、面白い動画はどんな話し方をしているか、といったようにほぼ動画の勉強感が強かったのだが、最近はもうVTuberの配信を楽しみにしているただのオタクと化している。

コメントを書き込むのに必要な、個人チャンネルは作っていなかったのだが、試しに先日「チャンネル作成」の項目をクリックしてみたら、キャンセルできずにそのまま作成されてしまった。そしてそのままの勢いでよく観ているVTuberの猫又おかゆと白上フブキ両名のチャンネルにメンバーシップ登録(各490円/月)までしてしまった。

これで再生回数を伸ばすだけでなく毎月自動でお布施できる。スパチャも投げられる。気付けば腰まで沼に沈んでいたようだ。

【ポケモンBDSP】色違い旅パ/金コイ耐久26日目【ホロライブ/白上フブキ】
【マリオカート8DX】みんなで練習だ〜〜〜! #かおかゆィ【猫又おかゆ視点/ホロライブ】

VTuberにハマったのは、DACアンプをDENON「PMA-60」(49,800円/生産終了)に買い替えたことによる影響もあるかもしれない。今まで使っていたアンプよりも、楽曲のボーカルや、動画の人の声が非常にクリアに聞こえるようになったことに加え、現在使っているパイオニアのスピーカー「S-A4SPT-PM」(お下がり)との組み合わせにしてからは、低音の効いた曲やイケボな男性ボイスはだいぶ物足りなくなってしまった一方で、ハスキーな女性の声がドハマりしており、おかゆんの配信視聴時の幸福感が爆上がりした。

PMA-60

普通二輪免許を取ってバイク購入。撮れるのか? モトブログ

今年最大の買い物はバイク。YAMAHAの「トリシティ300」だ。ちなみに昨年、プレイバック2020で、一番大きな買い物がEOS RPとレンズ諸々だったと紹介した際には、他社にいる某先輩記者にTwitterでRTされた後「後半デジカメWatch」とつぶやかれていた。その流れで行くと今年はCarWatchの分野だ。

まだ無傷だった頃のトリシティ300

普通二輪免許を取ろうと思ったきっかけは「引きこもり過ぎて限界。だけど電車には乗りたくない」というもの。電車はそもそも苦手なのだが、今年の夏頃の感染者数が増える中、乗客数はほぼコロナ禍前まで戻ってきているという状況も相まって、何か気軽にある程度の距離を走れる足が欲しい!! となったわけだ。秘境に出向けば絶景動画も撮れるので、AV Watch的にもアリなはず。

「足が欲しい」がメインなので、元々乗りたいと思っていたのも、運転が楽で機材もお土産も積めるビッグスクーター。250ccクラスの「XMAX」を購入しようと考えていて、教習所入所後に一度近所のYSPを訪ねたところ、「XMAXであれば、そろそろ2021年式になるので年内であればすぐ納車できるだろう」と言われていたのだが状況が一変。筆者が再度購入しようと訪ねた10月末には、XMAXが受注不可な上、受注再開未定の状態になっていた。

そこで目に止まったのが、XMAXをベースにしたという3輪のトリシティ300。……なのだが、価格はざっくりXMAXにプラス30万の957,000円。装備品込みで考えていたとはいえ、丸々差額分予算オーバー。即決できるわけもなく、ローンと保険料の計算を繰り返した後に、「これも天啓かもしれぬ」と半ば自棄になりつつ契約した。なお、今回も購入直後に新モデルが発表された。解せぬ。

車重は237kg。大型のビッグスクーター「TMAX560」(218kg)よりも重く、XMAX(179kg)と比較すると約1.3倍。教習車のCB400SFの車重が約200kgで、両足べったりでもなかなか重いな~と思っていたくらいなのだが、トリシティ300に初めてまたがってみると、片足のつま先しか付かない足つきの悪さ。

シートに幅があるため、車高の数字以上に足つきが悪くなっており、「この重さと足つきはヤバイ」と思ったのだが、3輪であることも相まって走行中の安定感は抜群。動いてさえいれば扱いも非常に楽だ。

とはいえ、停車時はハンドルを切った状態で少しでも傾くともう手に負えなくなるほどの重さで、すでに両サイドのカウルにそこそこ深い傷が入ってしまった。たとえ扱いに慣れたとしても、低速時、停車時は常に慎重にならなくてはいけない重量なので、最初のバイクにはちょうど良かったのかもしれない。価格が全然身の丈に合っていないが……。

スタンディングアシストという、バランスを保ってくれる機能もあるのだが、こちらが使えるのは、アクセルを完全に戻した状態かつ時速10km以下のときのみ。スピードを落としながら止まる最中に使うと、路面の状態によってはハンドルを取られたり、傾いた場所では、作動してもバランスを崩したりすることもあるので、あくまでサポート機能。一方でオンにしておけばエンジンオフ、電源オフの状態でも、機能が維持されるので、降車して取り回すときに使えば非常に楽な機能だ。

免許取得直後な上、冬場は路面凍結が心配なので、なかなか温泉のある山の方へ行けないのが残念だが、この冬はGoProをヘルメットに装着して、比較的近所であるスカイツリー周辺やお台場周辺といったスポットを撮影しながら走ってみようと思う。

ヘルメットにGoProを装着。果たしてちゃんと撮影できるのか
野澤佳悟