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株式会社BCNは18日、家電量販店22社2,286店舗(2006年12月末時点)のPOSデータを集計した「BCNランキング」の2006年12月のデータを中心とし、薄型テレビやDVDレコーダなどの2006年年末商戦の分析結果を発表した。 また、11日に発表した2006年のデジタル家電商品の売上ナンバーワンベンダーを選ぶ「BCN AWARD 2007」についても、トップシェアベンダーに関する分析などについて発表した。 ■ 薄型テレビの12月販売台数は前年比140.6% 薄型テレビ全体では、12月の販売台数が前年同月比で140.6%となった。2005年12月の同136.6%を上回る伸び率となり、同社では、大型化への移行と価格の低下が需要の喚起に結びついていると分析する。 台数ベースで見ると、10月の段階では、液晶テレビの伸び率が鈍化していたが、プラズマが同175.3%、液晶テレビは同137.1%と6月、9月の商戦期に並ぶ伸び率に戻した。ただし、低価格化の影響により、金額ベースでは、プラズマが同127.6%、液晶テレビは同120.1%と、いずれも伸び率は20%台となっている。 大型化への移行も顕著で、液晶では40型以上の比率が金額ベースで24.6%、台数ベースで11.6%(前年同月比220%)。プラズマでは50型以上の比率が金額で26.2%、台数で42.4%(同199.4%)と、いずれも高い伸び率を示しており、販売金額全体の低下に歯止めをかけているとした。
そのほか、液晶テレビ全体に占めるフルHD比率も上がっていると分析。台数ベースで、12月単月の割合は18.5%となった。個別に見ると、液晶では19.9%とほぼ2割を占めている。なお、プラズマでは8.3%。
薄型テレビの単価平均では、液晶テレビの40~50型未満の単価平均に大きな動きが見られた。9~11月までは28~29万円を維持し続けた単価平均が、12月にはシェア争いなどから、前月より2万円近く下がり、26.7万円となった。 メーカー別シェアには大きな変動はないが、シャープ、ソニー、松下電器のいずれも前年同月比でシェアを伸ばしており、3強の構図がより鮮明になった。逆に東芝はシェアを下げ、前年同月9.4%だったシェアを6.4%まで落としている。 なお、BCN AWARD 2007の液晶テレビ部門で、トップシェアを獲得したシャープについては、12月の液晶テレビのサイズ別販売台数構成比が公表された。 それによると、32型未満を除くと、最も売れているのは32型で全体の34.2%、次いで37型で全体の19.9%となっており、両方合わせると全体の54.1%と半分以上を占める。2005年12月の販売比率では、32型未満が約半分の50.1%を占めていたが、2006年には37%まで低下している。 また、プラズマテレビ部門トップの松下電器についても、同様にサイズ別販売台数構成比を公表。最も売れているのは42型で全体の43.6%となっている。
■ DVDレコーダは、リンク機能の有無でシェアが変動 DVDレコーダは全体では、12月の販売台数が前年比84.8%。そのうち地デジ対応機器は同187.2%、非対応機は同37.9%で、金額ベースでは全体で同84.6%。
DVDレコーダの動向として、薄型テレビと連携して利用できるリンク機能の浸透がシェアの塗り替えの推進力になった点を強調した。販売店では、薄型テレビとのセット販売なども多く行なわれたという。 特に、BCN AWARD 2007で初めてトップシェアを獲得した松下電器においては、同社が薄型テレビとDVDレコーダなどで展開する連携機能「VIERA Link」による影響が大きかったという。 松下電器のメーカー別シェアの推移をたどると、2005年のDVDレコーダのメーカー別シェアで2位、そして、2006年前半は3位にまでシェアを落としているが、後半から盛り返し、2006年末にはトップシェアを獲得。この原動力がVIERA Linkによるものと分析。また、前年4位から2位に上がったシャープについても、同様に薄型テレビと連携する「AQUOSファミリンク」機能を展開している。 これら分析結果の根拠として、松下電器のDVDレコーダの12月販売台数におけるVIERA Linkの有無での構成比率を公開。リンク機能を搭載する製品の台数比率は全体の88.1%を占めており、リンク機能が推進力となったことが伺える。同様に、シェア2位のシャープでも、AQUOSファミリンク機能搭載機の販売台数比率は44.5%となっている。 地デジ対応機器の割合についてはさらに増加傾向が続き、12月販売台数に占める割合は69.3%、金額ベースでは84.1%。リンク機能搭載レコーダの地デジ対応機器の割合も2006年には増加。2006年9~12月の販売台数での割合は32.3%で、全体の3割を占めるようになった。
なお、レコーダ市場のさらなる原動力として期待されているHD DVDレコーダやBlu-ray Discレコーダなどの次世代DVD機器については、12月の集計の段階では、DVDレコーダ全体で比較すると1%にも満たないという。同社では、2007年秋頃辺りから、目立った動きが出てくると推測している。 ■ 周辺機器はワンセグの好調続く。デジカメは伸び率が安定 PC周辺機器は、12月も引き続きHDDと映像関連機器が好調。HDDは前年比110%、映像関連機器は同190%と高い伸び率を示した。映像関連機器については、ワンセグチューナユニットの販売が引き続き好調という。 PC本体は、デスクトップPCの割合がさらに低下。12月には30.4%の割合となり、ノートPCの割合が69.6%とほぼ7割に到達した。 メーカー別シェアで見ると、東芝が初のトップシェアを獲得。全体に占める割合は22.8%で、2位のNECは21%、3位の富士通が20.4%といずれも僅差となっている。これまでソニーとNECの2社が中心だったPCのトップシェアが入れ替わった点について、同社では「ワイド液晶搭載ノートの増加や、薄型ノートdynabookからAVノートのQosmioまで幅広いラインアップを用意したことなどが販売に繋がった」としている。 そのほか、デジタルカメラでは、12月の販売台数の伸び率が前年同月比189.1%と好調のデジタル一眼レフカメラが、デジカメ市場全体を引き揚げたと分析。 前年割れが続いていたコンパクトデジカメも、デジタル一眼レフに引っ張られて、7月以降伸び率がプラスに転じ、12月には前年比103.5%まで回復。デジカメ全体でも同107.3%と、9月以降は毎月7%の成長率を維持し続けている。
□BCNのホームページ ( 2007年1月18日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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