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「デジタル放送の日」式典。麻生総理が完全移行へ決意
-「魅力ある番組を期待」。普及率は目標下回る


12月1日開催


 デジタル放送推進協会(Dpa/ディーピーエー)は1日、東京・新宿の京王プラザホテルにて、「デジタル放送の日」記念の集いを開催。麻生太郎内閣総理大臣も出席し、2011年7月24日まで1,000日を切った地上デジタルへの円滑な完全移行に向けた決意を述べた。

 デジタル放送の日は、Dpaの周知広報活動の一環として、2000年にBSデジタルの本放送、2003年に地上デジタルの本放送を開始したのが12月1日だったことから、2006年に定められた記念日。今回の記念式典では、地上デジタル推進全国会議の第6回総会も行なわれ、「デジタル放送の推進のための行動計画(第9次)」の概要が報告。同計画が満場一致で採択された。

普及目標と実績

 デジタル放送の推進のための行動計画(第9次)では、デジタル対応受信機の普及目標を2009年12月末に世帯普及率77%、普及台数6,400万台と設定。しかし、2008年9月末時点での普及世帯数は約2,345万世帯で普及率は46.9%と、従来目標としていた50%(約2,600万世帯)を下回っており、当初の普及目標カーブに戻すことを最重点課題とした。なお、普及台数は2008年9月末時点で約4,113万台に達しており、目標の約3,990万台を上回っている。

 第9次行動計画では「理解醸成活動などの推進」、「受信機器普及・共聴施設改修などの受信側対策」、「中継局整備などの送信側対策」を3つの柱としていく。「理解醸成」ではアナログ放送終了時基の認知度を2009年末までに90%に高めること、地デジ視聴のための作業/手続きの理解度を80%に高めることなどを目標に周知活動を実施。共聴施設改修などに関する情報も積極的に発信していくほか、悪徳商法への対応、相談/受信者支援体制の充実案なども掲げられた。

第9次行動計画における取り組の概要

 「受信機の普及」では、対応機器のさらなっる多様化や低廉化を推進していくことや、販売表示をより理解しやすいものに変えたり、アナログテレビの破棄/リサイクルへの対策、生活保護受給世帯への支援と、高齢者などへの技術サポートの強化が盛り込まれている。「送信側の対策」では、地域カバー率100%を目指し、難視聴地区の状況や対策手法、対策時期、実施主体を明確にした「地デジ難視聴地区対策計画」を2009年8月までに策定することなどが決定した。

 地上デジタル推進全国会議の岡村正議長はこの計画について「今後1年間に、関係者が取り組むべきものを明確にしたもの。これからは、デジタル放送の意義を国民の皆さんに十分に理解してもらうことがなにより重要になる」と語り、関係者のより強力な支援を訴えた。

麻生総理

 挨拶に立った麻生総理は、5年前の12月1日を振り返り、「総務大臣として小泉総理と立ち会った記憶がある。その時、“テレビがデジタル化によりもっと便利になる”という大きな期待を持たされたというか、持ったというか……。とにかく大きな期待を膨らませた。テレビはお年寄りから子供まで、誰でも気軽に扱えるメディア。正しく物事を判断できるように情報が提供されることも大事だが、“デジタルになって良かった”と国民の皆さんに思っていただけるような魅力のある番組が多く提供されることを期待している。また、日本の優れた技術を活かして世界最先端の取り組みを進めることは、日本の底力発揮にも繋がる。ブラジルなど、他国での採用も含め、今後一層頑張っていかなきゃらならんと、政府としても決意を新たにしている」と語った。

 「総理が挨拶後も残っていらっしゃるので、隣で話すのは非常に緊張する」と周囲を笑わせながら登壇した鳩山邦夫総務大臣は、以前答弁の中でデジタル放送に関する質問を受けた時の事を振り返り、「『デジタル完全移行の日が過ぎても、準備の遅れでアナログを流しつづけなければならなかった場合、国はどのような対応をとるのか?』という質問を受けた。答弁書には何も書いていなかったので『これは国策として進めていることであるから、全力は尽くすが、万が一延期を重ねた場合、全て責任をとって十分な支援をするしかない』と答弁してしまった。なので、総理、よろしく御願いします」と麻生総理に頭を下げ、場内は笑いに包まれた。

 普及率について鳩山総務大臣は、「本当は北京オリンピックを機に50%は行きたかったが、約47%になった。台数は増えているので良い傾向とも言える。後はカバー率だが、私の所には沢山の知事さんが訪ねて来る。その際『(我々の地域は)山あり、谷ありなので(難視聴地域対策を)なんとかしてほしい』というお話をよく聞く。日本全国だいたいそういう地形なので課題は多いと言える。2011年7月24日という日付は絶対動かさないという決意で、断固実行していくことが大事だと思う」と語り、改めて強い姿勢で円滑な地デジ移行を推進していく考えを示した。

麻生総理の挨拶の様子 鳩山総務大臣 地上デジタル推進全国会議の岡村正議長

 続いて、全国を回って地デジの周知広報を行なってきた「“地デジ準備”全国キャラバン」の締めくくりとして、三鷹市立第一小学校と中継が繋がり、地上デジタル推進大使の草なぎ剛さんが、子供達に地デジの魅力を説明した。サポートとして同じく推進大使のNHK 島津有理子アナ、フジテレビの中村仁美アナ、テレビ朝日の上宮奈々子アナが参加。さらに、会場ではNHKの石澤典夫アナが司会を務め、日本テレビの馬場典子アナ、TBSの竹内香苗アナ、テレビ東京の森本智子アナがアシスタントを務めた。

NHKの石澤典夫アナが司会を務め、日本テレビの馬場典子アナがサポート TBSの竹内香苗アナ、テレビ東京の森本智子アナもアシスタントを務めた

「“地デジ準備”全国キャラバン」の締めくくりとして、三鷹市立第一小学校でのキャラバンの模様を中継で紹介。地上デジタル推進大使の草なぎ剛さんが先生として子供達に地デジの魅力や仕組みを教えた。右はNHKの島津有理子アナ

12月1日の新聞各紙に掲載された、地デジをアピールする広告。新キャラクターの「みてくだサイ」が登場している 総務省が10月1日に全国11カ所で開設し、今後47都道府県に拡大設置を予定しているテレビ受信者支援センターだが、その愛称を12月1日から公募することも明らかになった


□Dpaのホームページ
http://www.dpa.or.jp/
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(2008年月日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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