東芝、世界初のSDXCメモリーカードを2010年春に発売

-SDカードの上位規格で64GBを製品化。最大2TB


左が64GBのSDXCメモリーカード。中央は32GB、右は16GBのSDHCメモリーカード

2010年春発売

標準価格:オープンプライス

 株式会社東芝は4日、SDメモリーカードの上位規格で、最大2TBまでの大容量化を実現する「SDXCメモリカード」を世界に先駆けて開発。SDカードとして最大容量となる64GBの商品を、11月からサンプル出荷し、2010年春から発売すると発表した。

 また、従来のSDHCカードについても、世界最速の転送速度を実現したという32GBと16GBのモデルを12月以降順次サンプル出荷し、2010年春から発売するという。価格は全てオープンプライス。店頭予想価格は下表の通り。

カード名SDXCSDHC
モデル名THNSU064GAA2BCTHNSU032GAA2BBTHNSU016GAA2BA
準拠規格SDメモリカード規格Ver.3.00
メモリ容量64GB32GB16GB
店頭予想価格6万円前後3万円前後1万5,000円前後
サンプル出荷
開始時期
2009年11月2010年1月2009年12月
発売開始時期2010年春
インターフェイスSDインターフェイス「UHS104」
(信号電圧:1.8V/SDクロック:208MHz)
SDインターフェイス
信号電圧:3.3V
DS(SDクロック25MHz)/HS(SDクロック50MHz)
電源電圧2.7~3.6V
消費電流最大400mA
最大書込み速度35MB/Sec
最大読出し速度60MB/Sec
ファイル
フォーマット
exFATFAT32

 「SDXCカード」は、SDアソシエーションが規格化したSDメモリーカード Ver.3.00に準拠した新しい商品。既報の通り、規格は1月に米ラスベガスで開催された「2009 International CES」に合わせて発表された。

 容量を最大2TBまで拡張したほか、高速インターフェイス規格「UHS104」(信号電圧1.8V/SDクロック208MHz/最大)を採用。リード/ライト速度も50MB/Secもしくは104MB/Secを実現。将来的には300MB/Secまでの拡張も計画するなど、容量/記録速度の双方の機能強化を図っているのが特徴。デジタルカメラや民生/プロフェッショナル向けビデオカメラ、携帯電話、パソコンなどでの対応が見込まれている。

 今回東芝が発表したSDXCカードはリード60MB/Sec、ライト35MB/Secを実現しており、世界最速の転送速度を達成している。また、32/16GBのSDHCカードもUHS104に対応しており、同じリード/ライト速度を実現している。

 なお、SDHCで32GBだった最大容量を2TBに拡張するため、SDXCカードはファイルシステムにFAT16(SD)/FAT32(SDHC)に代わって、Microsoftによる「exFAT」を採用している。そのため、既存のSDHC対応機器では、exFATフォーマットのSDXCカードを認識できない。8月4日時点、SDXC対応機器は発売されていない。

 UHS104に対応した高速SDHCカードのファイルシステムはFAT32のままであり、従来のSDインターフェイス(信号電圧3.3V/SDクロック25MHz、50MHz)にも対応しているため、通常のSDHC対応機器で使用できる。また、SDXCカード自体も、従来のSDインターフェイスはサポートしている。

 いずれのカードもCPRMを使った著作権保護機能を装備。CESで規格への導入が予定されていたCPXM(Content Protection for eXtended Media)」と呼ばれる新著作権保護方式は、今回の製品では採用されていない。カードのサイズに違いは無く、32×24×2.1mm(縦×横×厚さ)。重量は約2.1g。


(2009年 8月 4日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]