ソリッドレイ、約30万円の3D対応DLPプロジェクタ

-富士フイルム「W1」の動画も3D投写可能


9月28日発売

標準価格:302,400円~367,500円


 株式会社ソリッドレイ研究所は、従来の約5分の1という低価格化を実現した3D対応DLPプロジェクタ「Sight3D」を9月28日より発売する。搭載レンズの焦点距離や輝度が異なる6製品をラインナップし、価格は下表の通り。

型番輝度レンズ価格
L232,300ルーメンズームレンズ302,400円
L272,700ルーメン312,900円
L333,300ルーメン341,250円
L373,700ルーメン367,500円
S252,500ルーメン短焦点固定レンズ322,350円
U272,700ルーメン超短焦点固定レンズ367,500円

 ソリッドレイ研究所は1987年に立体映像の専門会社として設立され、立体映像やVR(Virtual Reality)関連の製品開発とコンテンツ制作を手掛けている。「Sight3D」は、米ViewSonic製で、ソリッドレイが日本で販売するほか、サポートも行なう。なお、米国では8月より発売されている。主に、アーケードゲームや飲食店、イベント会場などの業務向けを想定。販売台数の目標は初年度300台。

 1,024×768ドットのTI製DLPパネルを搭載するプロジェクタ。立体視の方式は時分割(フレームシーケンシャル)式で、120Hz駆動に対応。1台のプロジェクタで立体映像を投写できる。コンテンツは、NVIDIAの「3D Vision」対応ビデオカードから出力された映像に対応。NVIDIAが発売するアクティブシャッター方式の3Dメガネとの組み合わせによる利用を想定する。なお、2D映像の投写も可能。

超短焦点モデルの「Sight3D U27」最も低価格な「Sight3D L23」左がU27、右がL23での投写

 3D映像の再生はNVIDIAが無償配布しているPC用ソフト「3D Vision Video Player」に対応。このソフトでは富士フイルムの3D対応デジタルカメラ「FinePix REAL 3D W1」で撮影した動画/静止画も3Dで再生できるため、自分で撮影した3D映像が「Sight3D」で投写可能となっている。ただし、「3D Vision」の対応OSはWindows Vistaのみ。そのほか、ソリッドレイが提供するVRコンテンツも3Dで投写できる。

 いずれのモデルも6セグメントのカラーホイールを搭載。ランプはUHPで、機種により出力が異なる。入力端子はアナログRGB(D-Sub 15ピン)が2系統で、2D映像入力用にS映像/コンポジット映像入力も備える。音声入力はアナログ音声(ステレオミニ)×2。アナログRGB(D-Sub 15ピン)出力とアナログ音声出力(ステレオミニ)も各1系統装備。そのほか、制御用のEthernetやRS-232C端子も備える。

天面の操作部パソコンの3D Vision Video Playerで再生した3D映像を投写可能富士フイルムの3D対応デジタルカメラ「FinePix REAL 3D W1」で撮影した3D動画/静止画にも対応
背面端子部付属リモコン3Dメガネは別売。写真はNVIDIAが発売している「3D Vision」対応メガネ
 
【主な仕様】
型番L23L27L33L37S25U27
輝度2,300
ルーメン
2,700
ルーメン
3,300
ルーメン
3,700
ルーメン
2,500
ルーメン
2,700
ルーメン
レンズ
(ズーム倍率
)
ズームレンズ
(1.6:1~1.9:1)
ズームレンズ
(1.7:1~2.1:1)
ズームレンズ
(1.6:1~1.9:1)
短焦点固定レンズ
(0.9:1)
超短焦点固定レンズ
(0.68:1)
投写距離1.2~10m1~10m0.55~5.97m0.4~4.6m
消費電力235W305W242W305W
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
280×218×114mm264×225×96.4mm280×114×218mm
重量2.6kg2.66kg2.75kg2.8kg2.5kg2.68kg


■ コンテンツの充実で家庭用も視野。3台使用のマルチスクリーンも

神部勝之社長

 ソリッドレイ研究所は、これまでも3Dプロジェクタを取り扱ってきたが、従来製品では、低価格のものでも130万円程度していたという。新製品は“約1/5の30万円前後”という価格を訴求する。この価格の実現には、TIから低価格のチップが発売されたことが大きく寄与したという。

 代表取締役社長の神部勝之氏は、これまで同社が3Dを専門としてきたノウハウから「ニーズは把握している」としており、ホームシアター向けではなく、「飲食店やホテルなどの需要に注目したい」とする。また、3台の3Dプロジェクタで映像が人を囲むように投写することで、より臨場感を高める「マルチスクリーン」も提案しており、こうした利用環境も低価格で構築できるという。なお、コンシューマ向けの販売は「コンテンツが充実すれば検討する」としている。

 神部氏は、チップの低価格化で今後は他社からも同様のプロジェクタが発売されることが予測される」としながらも、サポート体制や販売方法などで同社は強みを持つという。視聴できるコンテンツの種類はまだ少ないが、ソフト側の対応で今後の拡大が見込めるとしている。



(2009年 9月 28日)

[AV Watch編集部 中林暁]