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生成AIで“通じ合えるテレビ”へ。「レグザはテレビの復権を目指す」
2025年4月8日 17:53
TVS REGZAは8日、都内で新製品発表会を開催。2025年の第1弾製品として、“レグザ インテリジェンス”を搭載した4K有機EL「X9900R」、4KミニLED「Z970R」「Z770R」、4K液晶「Z670R」の全4シリーズ・10機種を4月18日より順次発売することを明らかにした。
発表会には、TVS REGZA取締役副社長を務める石橋泰博氏が登壇。「我々は昨年同様、有機ELテレビも本気、液晶テレビも本気という全方位2トップ戦略を継続する。そしてテレビの新しい使い方を提案してゆく。テレビというジャンルについて、なかなか難しい状況にあるといろいろ報道されているが、レグザはテレビの復権を目指していきたい」と、2025年の戦略と抱負を語った。
なお、新製品の機能や仕様といった詳細については、下記の記事を参照のこと。
25年の新機能はレグザ インテリジェンス。「今年は始まりにすぎない。どんどん進化する」
2025年レグザの最大の目玉とアピールするのが、生成AIを活用した“レグザ インテリジェンス”。
8日発表のレグザ4シリーズは、方式やバックライトといったパネル構成やサウンドシステムなどはシリーズ毎に大きく異なっているが、レグザ インテリジェンスは、フラッグシップからエントリーまで、全モデル共通の機能として盛り込まれている。
石橋氏は、レグザ インテリジェンスについて「本来のテレビの視聴スタイルへ回帰することを目指して、起ち上げたコンセプト」と紹介。
「レグザが考える“本来のテレビの視聴スタイル”とは、テレビの前でリラックスして、コンテンツに没入して見るもの。しかし近年は、YouTubeを始めとしたネット動画サービスの急速な発展と同時に、コンテンツ数が爆発的に拡大。その結果、テレビもパソコンやスマホのようにリモコンを操作して、前のめりになって能動的なスタイルで視聴するようになった。前のめりな使い方は、本来のテレビの使い方とは違うのではないか。レグザ インテリジェンスを通じて、リラックスして、コンテンツに没入してもらえる本来の視聴スタイルを目指す」と、導入の背景を説明した。
レグザ インテリジェンスの具体的な機能として搭載されているのが「AIボイスナビゲーター」「AIリコメンド」「AIシーン高画質」「AI快適リスニング」の4つ。
中でもレグザ インテリジェンスの“中核”と位置付けているのが、AIボイスナビゲーター。Googleの生成AIであるGeminiと連携することで、あいまいなワードでも、発話だけで目的のコンテンツを表示してくれる。「まるで人とチャットしているかのような感覚でやり取りでき、レグザがユーザーの会話の文脈やニュアンスを理解する。具体的なキーワードを打ちこんで検索する作業を、レグザが肩代わりしてくれる」という。
石橋氏は「レグザ インテリジェンスにとって、2025年は始まりにすぎない。我々は非常に高い理想を持って取り組んでいきたい。半年後、1年後、2年後と、レグザ インテリジェンスはどんどん進化してゆく」とアピールした。
X9900R・Z970Rは「2トップ戦略に恥じぬクオリティ」。待望の2画面復活
有機EレグザLのフラッグシップ「X9900R」シリーズでは、最新世代パネルであるRGB4スタックOLEDパネルを採用。4層RGBによる輝度性能と広色域化に加え、レグザ独自の放熱システムとエンジンにより、新パネルの性能を最大化。新開発の低反射ARコートにより、外光の映り込みも約3割減らした。
またミニLED液晶のフラッグシップ「Z970R」シリーズでも、新設計のパネルを採用。前モデル比でエリア分割数を約1.4倍、ピーク輝度を約1.2倍まで増強。24年モデルでもトップクラスだった輝度性能を一段と高めている。
石橋氏は「X9900Rシリーズ、そしてZ970Rシリーズどちらも、我々の2トップ戦略に恥じぬクオリティに仕上がった」と紹介した。
また、2画面表示「ダブルウィンドウ」機能も紹介された。2画面表示は、X9400Sシリーズの世代を最後に無くなっていたが、今回4年ぶりに復活。
2025年レグザでは、左側に放送orHDMI入力、右側にYouTube、AirPlay、スマホミラーリングの画面を表示することが可能になった。YouTubeの攻略動画を再生しながらゲームをプレイしたり、放送番組の右側にTikTokの縦動画を表示することもできることをアピールした。
TVS REGZA初のプロジェクタ。“2台目テレビ”に代わる大画面市場を創造する
テレビ以外の新しい映像デバイスとして、TVS REGZAは昨年ゲーミングモニターを発売したが、2025年はプロジェクター分野にも参入する。
石橋氏は「残念ながらテレビの視聴時間は年々少しずつ少なくなっている。その一方で、スマホやプロジェクターといった他のデバイスで映像を見る時間は確実に増えてきている。映像デバイスの多様化に対応するために、レグザは新しい映像デバイスを継続的に世の中に出していかなければならない」と説明。
「家庭に1台しかテレビがない家庭の数も徐々に増えてきている。冒頭述べたように、レグザは映像はリラックスして楽しむもの。今回発売するプロジェクターは、リラックスした状態で視聴いただける新しい映像デバイスだ」
「またプロジェクターはテレビと違って設置場所の自由度も非常に高い。設置場所の自由度を上げ、リビングルームはもちろん、リビングルーム以外での2台目の大画面の映像デバイスとして、市場の創造を目指してゆきたい」と、参入の理由を語った。
プロジェクターのプロモーションには、レグザ同様に目黒連さんを起用。「日常を変える、もうひとつのレグザ。」をキャッチフレーズに、新ジャンルをピーアールするとのこと。
最後に「皆様の映像ライフスタイルを変える。そのような目標を掲げ、レグザは今後も開発を続けてゆく。2025年もレグザにご期待を頂きたい」と話した。