エプソン、ビジネス系などプロジェクタ発表会

-「ビジネス・ユーザービリティ」を重視


EB-1775Wを披露するセイコーエプソン映像機器事業部 副本部長森山佳行氏

 セイコーエプソンは16日、ビジネスプロジェクタ「オフィリオ」と、ホームシアタープロジェクタ「dreamio」の新製品発表会を開催した。

 ビジネスプロジェクタは、モバイル、スタンダード、常設などの用途に応じて、10モデルを10月中旬より発売。価格はいずれもオープンプライス。ホームシアター機については別記事で紹介している。


型番解像度輝度発売日店頭予想価格
EB-1775W1,280×800ドット3,000ルーメン11月11日17万円台後半
EB-1770W10月28日15万円台後半
EB-1760W2,600ルーメン12万円台後半
EB-17501,024×768ドット11月11日9万円台後半
EB-W101,280×800ドット10月中旬8万円台後半
EB-X101,024×768ドット7万円台後半
EB-S10800×600ドット4万円台後半
EB-G59501,024×768ドット5,200ルーメン11月下旬53万円前後
EB-G5650W1,280×800ドット4,500ルーメン11月5日53万円前後
EB-G56001,024×768ドット41万円前後

EB-1760WEB-S10/X10EB-G5950


■ モバイルモデル

EB-1760W

 モバイルモデルは、EB-1775W、EB-1770W、EB-1760W、EB-1750の4モデルをラインナップ。いずれもA4サイズで3LCDプロジェクタとして世界最薄という44mmの薄型ボディが特徴。重量も約1.7kgに抑え、可搬性を高めている。

 EB-1775W/1770W/1760Wは、0.59型1,280×800ドットパネルを、EB-1750は0.55型/1,024×768ドットパネルを採用。コントラストは2,000:1、輝度はEB-1775W/1770Wが3,000ルーメン、EB-1760W/1750が2,600ルーメン。

 EB-1770W/1760W/1750には、タテ自動台形歪み補正機能とヨコ台形歪み補正機能を搭載。さらにのEB-1775Wには、本体の傾きや移動を検知し、約2秒間静止すると映像を自動的に四角く調整し、フォーカスも自動調整する「自動タテ・ヨコ補正」も搭載している。レンズは1.2倍ズーム(F1.58~1.7)でズームは手動。フォーカスは、EB-1775Wのみが電動で、その他は手動となる。

 入力端子は、上位3モデルがHDMI、コンポジット、アナログRGB(D-Sub15ピン)、アナログ音声(ステレオミニ)で、EB-1750はHDMIが省かれている。持ち運び用のキャリングケースが全モデルに付属。EB-1775Wにのみ無線LANユニットが同梱される。

 


■ スタンダードモデル

EB-1760W

 「EB-W10」、「EB-X10」、「EB-S10」の3モデルを用意。主な違いはパネル解像度で、EB-W10は0.59型/1,280×800ドットを、EB-X10は0.55型/1,024×768ドット、EB-S10は0.55型/800×600ドットパネルを搭載する。コントラスト比は2,000:1、輝度は2,600ルーメン。

 EB-W10/X10は光学1.2倍ズームレンズ(F1.6~1.7)を、EB-S10は単焦点で1.35倍のデジタルズームを装備する。ランプは200W UHE。入力端子はEB-W10/X10がHDMI×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログRGB(D-Sub15ピン)、EB-S10はHDMIが省かれている。

 USB端子を装備し、パソコンを接続してUSBディスプレイとして利用可能。タテ台形歪み補正機能や、スライド式レンズカバー、ダイレクトシャットダウンなどの機能も装備する。ランプは200W UHE。外形寸法は295×228×77mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.3kg。

 


■ 常設モデル

EB-G5650W

 「EB-G5950」、「EB-G5650W」、「EB-G5600」の3モデルを用意。天井などに常設し、大きなスクリーンに投射することを想定している。

 液晶パネルはC2FINE。パネル解像度はG5950が0.8型/1,024×768ドット、G5650Wが0.74型/1,280×800ドット、G5600が0.8型/1,024×768ドット。コントラストはG5950/G5650Wが2,000:1、G5600が1,000:1。輝度はG5950が5,200ルーメン、G5650/G5600が4,500ルーメン。

 レンズは光学1.8倍ズームで手動ズーム/フォーカス。オプションレンズへの交換も可能となっている。ランプはEB-G5950/G5650Wが330W UHE、G5600が275W UHE。入力端子はアナログRGB(D-Sub 15ピン)×2、5BNC×1、コンポジット×1、1BNC×1、S映像×1、HDMI×1、ステレオミニ音声など。RS-232Cの制御端子やリモート端子、Ethernetなどを装備する。7Wスピーカーも備えている。外形寸法は470×312×135mm(幅×奥行き×高さ)、重量はEB-G5950/G5650Wが6.8kg、G5600が6.7kg。

 


■ 「ビジネス・ユーザービリティ」重視でシェア拡大

エプソン販売中野 販売本部長

 エプソン販売の中野修義 販売本部長は、プロジェクタ事業について説明。顧客のオフィス機器に対する期待に対する、エプソンの回答として「ビジネス・ユーザービリティ」というコンセプトを掲げた。

 これは、顧客ニーズや価値を考えたときに、メーカーの押し付け的な高機能ではなく、用途と価格のバランスのあった提案をしていくという考えのこと。「ハイスペック」より「必要十分」、「最先端」や「多機能」よりも「ニーズにあった技術、機能」を、価格を抑えて提供することが、現在のビジネスプロジェクタに求められていると分析する。

 2009年下期の発売製品からこのコンセプトで展開し、上期のシェア32.4%から下期には市場シェアを53.4%まで拡大したという。このビジネス・ユーザービリティを一層進めた製品として、EB-1750系のモバイル性能、EB-S10などのスタンダードモデルのコストパフォーマンス、EB-G5600などの使い易さなどを紹介。特に、スタンダードモデルでは、「必要十分の性能と使い易さの両立」、モバイルでは「薄さ、重量にこだわる」などを重視したという。

ビジネス・ユーザビリティを重視2009年度は過去最高の販売実績にビジネス・ユーザビリティの導入が結果に

 

保守サービスにもビジネス・ユーザビリティの考えを導入
 また、保守サービスについても、従来は現場修理や代替機などのフルサービスを展開してきたが、引き取りサービスと持込修理を組み合わせた「エプソン引取保守パック」を新たに導入する。「保守費用を抑えたい」、「修理に時間がかかっても問題は無い」といった顧客の声に答えて導入するもので、購入時に1/3/4/5年などの保守期間が選択でき、EV-W10/S10/S10の購入後3年は、14,980円(税抜)となる。

 ホームシアターモデルでは、反射型デバイス採用の上位機などでラインナップを強化。「2Dとして一つの完成された領域を実現する」(中野本部長)とし、「こだわり」を持つユーザーを中心に、3LCD Reflectiveの魅力を訴求していく。今回発表の新製品全体の国内年間販売目標は78,000台。

新モデルでは「価格以上の性能」や持ち運びやすさを訴求シアターモデルはデバイスから新規に起こし、2D最高画質を訴求していく

(2010年 9月 16日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]