【CEATEC 2012】パイオニア、ジェスチャー操作のナビ

サイクルコンピューター開発。“音が出る照明”も


 2日に幕張メッセで開幕した「CEATEC JAPAN 2012」。パイオニアのブースでは、ジェスチャー操作ができるナビや、初参入のサイクルコンピューターなどが展示されている。




■ジェスチャーで操作できるナビ

2DINの楽ナビ最上位となるAVIC-MRZ009

 パイオニアブースはカーナビを中心に展開。2日に発表された「楽ナビ」は、「エアージェスチャー」と呼ばれる新しいインターフェイスを採用している。画面の下部にセンサーを備えており、画面を横切るように手を振るだけで、あらかじめ設定した操作が行なえるもので、右振り・左振りをセンサーが判別。よく使う機能を割り当てておけば、運転中に本体や画面上の操作キーを探す必要がなく、安全なドライブに寄与できるという。また、非操作時は地図上にタッチキーが表示されず、画面全体に地図が表示されるので、地図の視認性が向上するという利点もある。

 また、画面に手を近づけると、ドライブシーンでよく使うナビ/AVメニュー「お出かけランチャー」が表示され、「よく行く」場所、「自宅」、「渋滞」情報などのナビメニューや、楽曲のトラック送り/戻しアイコンを用意。手をかざす→アイコンに触れるという自然な流れで操作できる。

 さらに、画面に手を近づけると、ナビ表示時にはAV情報、AV表示時にはナビ情報を、画面の右側にウィンドウ表示。画面を切り替えずに、必要な情報を確認できる。

ディスプレイの前を、手で横切ると、あらかじめ設定しておいた機能が現れる手をかざすと、画面下部にメニューが出てくるほか、ナビ表示の場合はAV情報が右側に表示される

 なお、この「エアージェスチャー」機能を練習するための「練習モード」も用意。実際の運転中に初めて操作し、迷わないよう、案内画面に従って練習できる。

 AV機能としては2DINモデルに地上デジタルチューナを搭載。さらに、ポータブルタイプの「AVIC-MRP009」と「MRP008」には、ポータブルナビとして初めて、4チューナ×4アンテナの地上デジチューナを搭載。受信環境の悪い場所でも受信しやすくなっているという。なお、ワンセグチューナ搭載モデル(AVIC-MRZ07II)も、別売の地上デジタルチューナ「GEX-P90DTV」と接続することで、12セグの視聴が可能になる。

 エアジェスチャー対応モデルのラインナップは以下の通り。

 特徴型番店頭予想価格
※価格はオープン
発売時期
2DIN7型ワイドVGA/地デジ/DVD/
CD/Bluetooth/SD/ラジオ
AVIC-MRZ009125,000円前後10月中旬
7型ワイドVGA/地デジ/DVD/
CD/SD/ラジオ
AVIC-MRZ007115,000円前後
ポータブル7型ワイドVGA/地デジ/SDAVIC-MRP0098万円前後11月上旬
6.1型ワイドVGA/地デジ/SDAVIC-MRP0087万円前後
7型ワイドVGA/ワンセグ/SDAVIC-MRP0076万円前後
6.1型ワイドVGA/ワンセグ/SDAVIC-MRP0065万5,000円前後

 他にも、エアジェスチャー非対応の3モデルや、電気自動車(EV)でのドライブをサポートするAVナビとして、10月下旬に「AVIC-MRZ007-EV」(147,000円)と「AVIC-EVZ05」(105,000円)も発売予定。満充電時航続可能なエリアや、50%充電時に航続可能なエリアを地図の色で塗り分けるなど、EV向けの機能を搭載。電力消費量が最も少ないルートを選ぶ事や、充電スポットを検索する機能も用意。

 また、5.8型でワンセグチューナも搭載したポータブルナビゲーション「AVIC-MP55」も11月下旬に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は45,000円前後。

電気自動車(EV)でのドライブをサポートするAVナビ「AVIC-MRZ007-EV」ポータブルナビゲーション「AVIC-MP55」


■自転車用製品も強化

 自転車用ナビとして、「ポタナビ」を販売しているパイオニアだが、ロードレーサーなど、アスリート向けのサイクルコンピューターも参考出品。タッチパネルタイプで、IPX6防水対応。バッテリで12時間駆動が可能で、GPSも搭載しているが、ナビ機能は無い。ANT+センサーに対応し、対応するオプションと組み合わせて、ケイデンス(1分間のクランク回転数)などを表示したり、速度などもディスプレイに表示できる。

 特徴的なのは、ペダリングをリアルタイムで解析するセンサーも開発している事。左右のペダルに取り付けるセンサーと、そこからの情報をANT+でサイクルコンピューターにワイヤレス送信するパーツで構成されており、クランクにかかる力の大きさ、方向を計測。ペダルが理想的な形で回せているか、片方の足にだけ力が入っていないか、滑らかな回転ができているかなどを高精度に測れるという。こうしたログデータをPCで読み込み、解析する事も可能。ツール・ド・フランスを目指すロードチーム、エキップアサダと共同開発している。発売時期は未定だが、「できるだけ早く商品化したい」という。

サイクルコンピューターに参入クランクについている三角のパーツが、左右のペダルに取り付けたセンサーの情報をサイクルコンピューターに送る送信機発売中のポタナビ。自転車でぶらぶらする、ポタリングに適したナビだ


■AV関連展示

 オーディオ関連では、SACDプレーヤー「PD-70」(94,000円)や、32bit DACも搭載したプリメインアンプ「A-70」などの新製品と、既存のネットワークオーディオプレーヤー「N-50」(74,800円)、2ウェイスピーカー「S-CN301-LR」などを組み合わせたシステムを展示。

 HVT方式のスピーカーを採用した、テレビ向けの2.1chサウンドバー「HTP-HW950」(オープン/実売6万円前後)や、ネットワーク対応のCDミニコンポ「X-HM81-S」(オープン/実売6万円前後)なども用意されている。

SACDプレーヤー「PD-70」や32bit DAC搭載プリメインアンプ「A-70」を組み合わせたシステムHVT方式のスピーカーを採用した、テレビ向けの2.1chサウンドバー「HTP-HW950」ネットワーク対応のCDミニコンポ「X-HM81-S」
ストリートダンサー向けのカルチャーブランド「STEEZ」の製品も展示ヘッドフォンMJシリーズのトップエンドモデル「SE-MJ591」(33,000円)

 また、昨年のCEATECでも参考展示していた「コミュニケーションテーブル」を今年も用意。32型のタッチパネル液晶を平にして、テーブルのようにしたもので、様々な情報を指先で移動/拡大/縮小でき、デジタルの資料を見ながらミーティングをするようなシーンで活用できる。ブライダルなど、業務用途で既に導入が決まっているという。

 スマートフォンやタブレット、テレビなどとも連携できるのが特徴。今年の試作機は、こうした機器との連携を高め、コンシューマ用途も見据えている。例えばコンサートチケットを購入する場合、チケット購入のWebページをテーブルに表示し、タッチペンで手書きで名前などを入力。購入した電子チケットを、テーブルに表示されているスマートフォンの上まで指でもっていくと、スマートフォンにそれが吸い込まれ、ユーザーが持っているスマートフォンにコンサートのデジタルチケットが転送される。

参考展示されているコミュニケーションテーブル画像やチケットをスマートフォンの絵に投げ入れると、本物のスマートフォンにも転送されるおもちゃの自動車をテーブルに乗せると、電気自動車のバッテリ残量や走行可能距離が表示される

 動画を指先でテレビの方向に投げると、テレビにその動画が表示されたり、ドライブの計画を話し合う時に、「食べ物」や「自然」、「紅葉」などのキーワードを選び、目的地の資料を見ながら話し合いができるほか、ミニカーのような車をテーブルに乗せると、自宅の電気自動車のバッテリ残量や航続可能距離をテーブルに表示。そうした情報を活用しながら立てたドライブプランを、参加者のスマートフォンに転送したり、車庫にある電気自動車のカーナビに転送するといった使い方も想定している。



■NECのブースにも

 NECのブースには、NECライティングが開発したLEDシーリングライトが展示されている。一見すると単なるライトだが、内部に2.1chスピーカーを内蔵しているのが特徴。パイオニアが協力して開発したという。

 Bluetoothに対応しているのが特徴で、スマートフォンの専用アプリを使い、音楽をシーリングライトに送信。部屋の天井からBGM的に音楽を鳴らす事ができる。さらに、同じアプリからLEDの光量や色味などを調節する事ができる。音声ケーブルを天井に設置する手間が省けるのが特徴。12月の発売を予定しており、価格は未定だが、5~10万円程度になる予定。

NECのブースに展示されているLEDシーリングライト。パイオニアも協力しているスマートフォンのアプリから音楽をライトに飛ばす。照明の設定もスマートフォンから変更できる
パイオニアブースには、有機ELを使った照明機器も参考展示されている

(2012年 10月 2日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]