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【2013東京IAS】B&Wとマセラティがコラボ。DALIがBTスピーカー
アキュフェーズはSACD、プリメイン新製品
(2013/11/3 00:02)
日本インターナショナルオーディオ協議会(IASJ)が主催する、オーディオ機器の展示/試聴イベント「2013東京インターナショナルオーディオショウ」が11月2日から4日まで、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されている。入場は無料。ここではマランツやアキュフェーズのブースを中心にレポートする。
マランツ
10月中旬から発売を開始したUSB DAC/SACDプレーヤー「SA-14S1」(252,000円)と、プリメインアンプ「PM-14S1」(252,000円)など、新製品を一挙に展示しているマランツブース。
「SA-14S1」は、USB DAC兼ネットワークプレーヤーである「NA-11S1」から、USB DAC部分を分離。ディスクプレーヤーのフラッグシップ機「SA-11S3」(504,000円)と同じ系統のメカエンジンなどを使ったSACD機能も投入した戦略モデル。USB DAC部分には、PCからのノイズ流入を排除するために、NA-11S1で開発された「コンプリート・アイソレーション・システム」も使われている。
試聴では、CLASSEのプリアンプとパワーアンプをメインに、B&Wの800Diamondや、同じくB&Wの新スピーカー「CM10」(ローズナット/ウェンゲ:1本283,500円、ピアノ・ブラック:311,850円)をドライブ。
CM10は10月から発売されており、CMシリーズ最上位のフロア型。「800シリーズとCMシリーズの橋渡しを担うモデル」と位置付けられ、800シリーズと同じNautilusツイータをキャビネットの外に配置した「ツイーター・オン・トップ」構造を採用。3ウェイ5スピーカー構成となっている。
なお、CLASSEからは、クラスDのプリメイン「CA-D200」や、プリアンプ「CP-800」の新バージョンなどが参考展示された。
B&Wからは、ブックシェルフ「805」のMaserati(マセラティ)エディションが参考展示。805をベースに、ピアノラッカー仕上げのバーズアイ・メイプル材をエンクロージャに、前面や天面のバッフルはきめ細かなポルトローナ・フラウ製ナチュラルレザーを使っている。Maseratiのロゴはスタンドに記されており、「おそらくスタンドとセットで、年明け頃に発売する予定。価格は未定」だという。
アキュフェーズ
アキュフェーズのブースでは、3つの新製品を展示。純A級プリメインアンプ「E-600」は、11月中旬発売で714,000円、SACD/CDプレーヤー「DP-720」は12月上旬発売で、1,155,000円。さらに、デジタル・ヴォイシング・イコライザ「DG-58」も12月上旬に、840,000円で発売する。
E-600は40周年記念モデルの流れを汲む、独自のAAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)方式ボリュームを搭載、出力段はパワーMOSFETの3パラレル・プッシュプル構成を採用。パワーアンプ部は最新のインスツルメンテーション・アンプ構成でバランス伝送としている。さらにMCS(Multiple Circuit Summing-up)回路とカレントフィードバック増幅回路も搭載。強力な電源部を搭載し、150W×2ch(1Ω)を実現した。
「DP-720」は一体型のSACD/CDプレーヤー。MDSD(Multiple Double Speed DSD)方式により、DSD信号をダイレクトにアナログ変換。FPGA内のデジタル演算部で遅延させた複数のDSD信号を、並列駆動のDACで変換し、それぞれの変換出力を総加算することで2倍速高精度となる「移動平均フィルタ」回路を構成している。
さらに、USB入力も搭載。24bit/192kHzまでのPCMデータが再生できる。また、アキュフェーズ独自のHS-LINKも搭載。同社のDACなどと接続し、SACD/CDの信号を伝送。トランスポートのみで使う事もできる。トランスポート部にはアルミ合金ブリッジ、8mm厚アルミフレーム、新開発の粘性ダンパーによるフローティング構造の「トラバース・メカニズム」などを採用する。
「DG-58」は、音場の自動測定、自動補正機能を持ったイコライザ。ADCも搭載し、デジタルだけでなく、アナログ入力された信号もデジタル化して処理。タッチパネルのカラー液晶ディスプレイに、スタイラスペンで特性カーブを描いて入力するなど、使いやすさにもこだわったという。
発売中のステレオプリアンプ「C-2120」のリアパネルに追加できる、オプションボード「DAC-40」も紹介。光/同軸デジタルとUSBの入力端子を各1系統備え、PCなどからのデジタル入力に対応。従来モデル「DAC-30」のUSBは24bit/96kHzまでの対応だったが、新モデルのDAC-40は24bit/192kHzにも対応。同軸デジタルも最高24bit/192kHzに対応する。光デジタルは同24bit/96kHzで従来モデルと同じ。
アナログレコード用の入力ボード「AD-30」は、RCAアナログ入力を1系統装備。ハイゲインのイコライザを搭載し、幅広いカートリッジに対応可能としている。
デノン
デノンブースの目玉は、9月20日から発売が開始された、ディスクプレーヤーのフラッグシップモデル「DCD-SX1」(577,500円)。「'82年に世界初のCDプレーヤーDCD2000を発売してから約30年、集大成となる最高のディスクプレーヤー」というコンセプトで開発されたもので、オリジナル技術の「Advanced AL32」と、新マスタークロックを核に、メカエンジンからDAC部、アナログ回路、電源など、全てのパートを新開発している。
さらに、USB DAC機能も搭載。44.1kHzと48kHzの、2系統のデータに対応するため、2系統のクロックを搭載。PCMが24bit/192kHzまで。DSDは2.8MHzと5.6MHzの両方に対応。ASIO 2.0ドライバによるネイティブ再生と、DoP伝送での再生に対応。アシンクロナス伝送やWASAPIもサポートする。さらに、USBインターフェイス部では、PCから供給されるデータに混入するノイズを完全にカットするアイソレート機能「PC Pure Direct」を搭載している。
DALIのスピーカーの新製品として、「KUBIK FREE」というモデルが参考展示された。1ボディのBluetoothスピーカーで、アナログ入力(RCA)や光デジタル入力、USB入力も装備。DALIとしては珍しい、BGM再生的な利用も想定したカジュアルなスピーカーで、発売するかどうかは検討中だという。発売するとした場合、価格は10万円程度の見込み。
ユニークな点は、「KUBIK EXTRA」というパッシブスピーカーを追加購入し、FREEと専用ケーブルで接続すると、ステレオスピーカーとして連携して動作する事。EXTRAは5万円程度の見込み。
オルトフォン
スピーカーの新製品として、ブックシェルフの「Kailas SS200」を披露した。価格は199,500円。フロントバッフルに樺桜の無垢材、その他の部位に高密度パーティクルボードを使用。ユニットは25mm径のダブルソフトドーム型で、亜鉛ダイキャストフレームを採用したツイータと、15cm径のウーファの2ウェイ。
ウーファのフレームには亜鉛を使い、共振を防止。フレームに大きな窓を設けてコーンの振幅時に起きる乱気流ノイズも低減した。なめらかな振幅を可能にするため、ボイスコイルの振幅は20mmに伸ばしている。ネットワークは日本のオルトフォン ジャパン製。外形寸法は170×306×280mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は5.3kg。
さらに、「秋のヘッドフォン祭 2013」でも展示された来春向けの新製品として、世界初の純銀線コイルを使ったバランスド・アーマチュア(BA)を搭載したカナル型イヤフォンを参考展示。モデル名は「e-Q8」。価格は4万円程度の見込み。
デスクトップオーディオとしての使用も想定した「Ta-Q7」というハイブリッドアンプも参考展示。プリ部に真空管、増幅回路にトランジスタを使い、ヘツドフォンアンプと、スピーカー用アンプも搭載。スピーカーターミナルが筐体の天面に搭載され、デスクトップ使用時、アンプを壁などの近くまで寄せて設置できるのが特徴。価格は44,940円。
DYNAUDIO JAPAN
HI-END SHOWや音展と同様、一新されたエントリーモデル「Excite」シリーズを展示している。ラインナップはブックシェルフの「X14」(ペア152,250円)、センターの「X24C」(105,000円)、フロア型の「X34」(ペア336,000円)、「X38」(ペア451,500円)の4機種。仕上げはウォルナット、ローズウッド、サテンブラック、サテンホワイトから選択可能。
X14/X24C/X34はインピーダンスが8Ω設計になり、鳴らしやすいスピーカーになったという(X38は4Ω)。さらに、ウーファの改良やバスレフポートの見直し、クロスオーバーの改善などにより、低域の再生能力を高めている。
さらに、カナダSIMAUDIOの新製品として、同社としてはリーズナブルな価格の「MOON Neo(ムーン・ニーオ)」シリーズも展示。年末か年明けの発売が予定されている。
価格はプリメインの「220i」が210,000円、「250i」が273,000円、「340iD2PX」が619,500円。「340iD2PX」はDAC/フォノステージ/バランス入力のオプション機能を後付できるのが特徴で、増設した価格が619,500円、プリメインアンプのみの状態では525,000円となる。
他にも、プリアンプの「350P」(420,000円)、ステレオパワーアンプ「330A」(493,500円)、モノラルパワー「400M」(493,500円)、32bit対応DAC「380D」(504,000円)、DAC兼CDトランスポート「260D」(341,250円)も発売予定。「260D」はトランスポート+32bit DACでの価格で、DACボードを外したCDトランスポートとして購入(241,500円)する事もできる。
ノア
9月から発売している、伊ソナス・ファベールの新スピーカーシリーズ「OLYMPICA」を展示している。最上位は「OLYMPICAIII」(ペア1,848,000円)で、「OLYMPICAII」(ペア1,407,000円)、「OLYMPICAI」(ペア882,000円)、「Stand OLYMPICA」(ペア168,000円)がラインナップされている。
ナチュラル・ウォルナットが主な素材で、天板と底板にはウォルナット無垢材を使用。側板のウォルナット材同士の接合部にはクリア・メイプル材をダンピング素材として使っている。新キャビネット形状は「エンハンスド・ライラシェイプ」と呼ばれ、フラッグシップ「アイーダ」で採用された「ライラ・シェイプ」とクラシックな「リュート・シェイプ」の手法を統合したもの。初の非対称デザインとなっており、スプレッド共鳴スペクトラムを減衰することに寄与したとする。
いずれのモデルも新規設計のユニットを採用。振動板は、ツイータにシルクドーム、ミッドレンジとウーファにセルロース混合材を採用。29mm径シルクドーム“アロー・ポイント”ツイータはネオジム・マグネットを使用、「アイーダ」で開発されたDADテクノロジーも採用している。エンクロージャはバスレフで、「ダックテール・ジオメトリー」による新設計。高速で分解能と伸びのある低域を再現するとしている。
さらに女神を意味する「Venere」という新スピーカーも展示。ライラ(竪琴)からインスピレーションを受けたという“ライラ・シェイプ”形状のエンクロージャを採用。ツイータはDKM製の29mmシルク・ソフトドームを使っている。
また、ストラディヴァリ・オマージュの造形美や響きと、クレモナシリーズの使いやすさを融合したという2007年発売のスピーカー「Elipsa」(2,625,000円)に、新たにレッド・ヴァイオリン仕上げを投入。価格はペアで2,887,500円。3ウェイ3スピーカーのフロア型。
Wadiaの製品としては、6月から発売している「INTUITION 01」を紹介。DACとアンプを組み合わせた製品で、DACとしてはPCMとDSDの両方に対応。USB入力を備え、DoPでDSDを伝送。2.8MHz/5.6MHzの両方をサポートする。PCMはWindowsでは42bit/192kHzまで、Macでは32bit/384kHzまでをサポート。ESSの32bit DAC ES9018を採用している。他にも、AES/EBU(XLR)、同軸デジタル、光デジタル、独自のWadiaLink I2Sのデジタル入力も装備。RCAのアナログ入力も備えている。
アンプ部はクラスDで、定格出力は350W×2ch(4Ω)、190W×2ch(8Ω)。価格は120万7,500円。
フューレンコーディネート
PIEGAの新スピーカー「Coax 120.2」を展示。CL120Xの後継機種で、11月6日受注開始。価格はペアで420万円になる。主にアンプに対する負担を下げるための高能率化と、低音域の更なるパフォーマンス向上を実現したとする。
ミッドレンジとツイータの帯域を受け持つ、「C1」同軸リボンシステムを搭載。1つのリボンシステムの中に同軸構造の発音ユニットを配置し、ツイータの振動膜がミッドレンジの振動膜に囲まれるような配置になっている。ミッドレンジとツイータを同軸配置する事で、相互の干渉を排除している。
低域は22cm径のMOMウーファをダブルで搭載。スキャンスピークと共同開発されたユニットで、センターポールピース、ポールプレートを新開発。ダブルマグネットレイアウトを採用している。
ほかにも、デンマークのDavoneから、ユニークな形状の3ウェイフロア型スピーカー「Grande」のプロトタイプを参考展示。伊ALBEDOからは「Aptica」という細身の2ウェイフロア型スピーカーも参考展示された。こちらもプロトタイプで、どちらも価格は未定だが、近いうちに発売する予定だという。
独BRODMANNというメーカーからは、「Vienna Classic」、「Festival」という2台のフロア型スピーカーを参考展示。どちらも高級家具のような優美な仕上げが特徴で、価格や発売日は未定。
フォステクス
ブースのメインとなるのは、発売中のブックシェルフスピーカー「GX100 Limited」(1台105,000円)。「GX100MA」(1台49,875円)をベースにした特別モデルで、ウーファに、「GX100MA」の10cm径アルミニウム合金製HR振動板ではなく、新開発の10cm径純マグネシウムHR振動板を採用しているのが特徴。
純マグネシウム(純度99.9%)は比重が軽く、内部損失が大きいという振動板に適した特性を持っており、HR形状の振動板にすることで分割振動による共振も分散。金属振動板特有の鳴きを抑えつつ、高密度で伝搬速度が速いという特性を最大限に発揮できるという。純マグネシウムのHR振動板はフラッグシップモデルG2000用に開発されたものだが、それから5年の技術進化により、「彫りがより深く、高剛性なHR振動板開発に成功した」という。
ハーマンインターナショナル
マークレビンソンの第二世代リファレンス・プリアンプとして3月から発売している「No.52」(3,465,000円)を展示。No32L譲りの2シャーシ・セパレート構造とデュアル・モノラル構成のフルバランス・オペレーション回路を採用し、静寂性がアップ。オーディオ回路用電源にはオリジナル設計のACリ・ジェネレーション・パワーサプライ方式を採用。相互干渉を抑えたクリーンな電源供給を実現するという。
このプリアンプの相手として、スピーカーは、JBLの「Project EVEREST」シリーズの「DD67000」(1台315万円)や、「DD65000」(1台252万円)などを用意。豪華な組み合わせでサウンドが体験できる。
さらに、もう1つのスピーカーブランド・REVELの新製品「PERFORMA3」シリーズも展示され、視聴も可能。8月から発売しており、フロア型の「F 208」(1台315,000円)と「F 206」(1台210,000円)、ブックシェルフ「M 105」(1台94.500円)、センター「C 205」(1台126,000円)をラインナップ。
また、HARMAN KARDONの球形ワイヤレススピーカー「NOVA」や、薄型のサウンドバーととサブウーファを組み合わせたテレビ向けスピーカー「SABRE SB35」、スクエアデザインのBluetoothスピーカー「ESQUIRE」など、HARMAN KARDONの新製品も一気に展示。JBLのポータブル系新製品である、イヤフォン・ヘッドフォンのSynchrosシリーズも実際に音を試す事ができる。