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LG、21:9シネスコ液晶の34型/3,440×1,440モデルなど5機種。25型は実売34,000円

発表された21:9の新モデル5製品

 LGエレクトロニクス・ジャパンは、アスペクト比21:9の液晶ディスプレイ製品ラインナップを拡大。34型「UM95シリーズ」や、34/29/25型「UM65シリーズ」、29型「UB65シリーズ」の3シリーズ5モデルを3月下旬より順次発売する。

 発売時期は、UM65シリーズが3月下旬で、UM95/UB65シリーズが4月上旬。価格はいずれもオープンプライスで、店頭予想価格は、34型の上位モデル「34UM95-P」が135,000円前後、34型「34UM65-P」が78,000円前後、29型「29UM65-P」が50,000円前後、25型「25UM65-P」が34,000円前後、29型「29UB65-P」が60,000円前後。

 いずれも、アスペクト比21:9のシネマスコープサイズを採用する液晶ディスプレイ。同社は'12年に29型「29EA93-P」を発売したが、今回の新モデルでは、画面サイズのラインナップを29型だけでなく34型、25型にも展開する。34型「34UM95-P」の解像度は3,440×1,440ドット、34/29/25型のUM65シリーズと29型「UB65シリーズ」はいずれも2,560×1,080ドット。パネルは高開口率のAH-IPSで、視野角は上下左右178度。34UM95-Pは、パネルは8bitだが、DisplayPort接続時は、オーバードライブ機能により10bit相当の10億7,000万色表示に対応する(HDMI/Thunderbolt接続時は1,677万色)。それ以外のモデルは1,677万色。

34型/3,440×1,440ドットの「34UM95-P」
左上が34型「34UM65-P」、右上が29型「29UM65-P」、左下が34型「34UM95-P」、右下が29型「29UB65-P」
25型「25UM65-P」にも21:9モデルを展開

 21:9のアスペクト比としたことで、シネスコサイズで収録した映画などを全画面で表示可能なほか、ゲーム画面をより広い領域で表示するため、FPSなどのゲームで敵をいち早く敵を発見できるという。オフィスワークではソフトのウィンドウを横に並べて効率よく作業できる点などが特徴。大画面を活かして、音楽/映像編集などの制作現場での利用も想定している。

 21:9画面の活用で、「PCとPC」や、「PCとゲーム機」など2つの機器を同時に表示できる「Dual Linkup」や、複数のソフト/ウインドウをボタンひとつで最大4つまで自動的に並列できる「4-Screen Split」機能も搭載。複数の作業を並行したり、画面を参照しながら別の作業をする時などに利用できる。ウインドウのサイズを手動で変えると、他のウインドウサイズも自動で調整される。

AH-IPSパネルを採用
映画などのシネマスコープサイズを全画面表示可能
ゲーム表示時のメリット
映像/音楽制作などの利用を想定
Excelの場合は、A~AI列までの表示も
本体デザインの特徴

 '14年モデルの特徴は、「フリッカーセーフ」と「ブルーライト低減」の機能を搭載した点。これら2つを中核機能と位置付けている。

 フリッカー(チラつき)を防ぐため、ディスプレイの調光方式には、電流量を調整して明るさが一定になるよう調整する「DC調光方式」を採用。バックライトの点滅で明るさを調整する従来のPWM調光方式とは異なり、原理的にフリッカーが発生せず、目への負担を軽減するという。一方、DC調光はPWMに比べ回路が複雑になり、低い輝度においてはハードルが高い方式だという。

 ブルーライト低減は、目の疲れの原因とされる波長の短い青色光を、色温度を下げることで低減。作業内容に合わせて2種類のモードを用意しており、ONにすると、色温度を4,000K~5,000Kに設定。通常モードに比べ黄色がかって見えるようになるが、同社は「色判別が重要な写真などの業務には向かないが、一般的な書類作成やWeb閲覧、業務ソフトには問題無い。眼精疲労を大幅に低減できる」としている。

フリッカーセーフ機能の説明
ブルーライト低減モード
左がブルーライト低減モードオフ、中央がモード1、右がモード2

 入力端子は、34UM95-PがHDMI×2、Thunderbolt×2、DisplayPort×1。34/29/25UM65-Pと29UB65-Pは、DVI-D×1、HDMI×2、DisplayPort×1。なお、従来モデルで搭載していたMHL機能は省いた。同社はMHL非対応の理由について「これまでMHLの良さを伝えてきたが、調査ではニーズが少なかった」と説明している。

 デザインは、34UM95-Pにおいて、フレームのベゼル幅が約1.1cmという「CINEMA SCREEEN」を採用。同製品と34UM65-Pは、画面が浮いたように見えるクリアスタンドを備える。ステレオスピーカーも内蔵し、出力は25UM65-Pのみ3W×2chで、それ以外の4機種は7W×2ch。

 いずれもVESAマウントに対応し、34UM95-Pと34UM65-Pは100mmピッチ、29UM65-P、25UM65-P、29UB65-Pは75mmピッチ。HDMIケーブルが付属するほか、34UM95-PにはDisplayPortケーブルも同梱する。

34UM95-Pの背面
クリアなデザインのスタンドを採用
主な仕様
シリーズ名UM95
UM65
UB65
型番34UM95-P34UM65-P29UM65-P25UM65-P29UB65-P
画面サイズ34型34型29型25型29型
パネル
AH-IPS
最大表示解像度3,440×1,440ドット
2,560×1,080ドット
視野角
上下/左右178度
輝度320cd/m2
300cd/m2
250cd/m2300cd/m2
コントラスト比
通常1,000:1
最大5,000,000:1
応答速度
5ms(GtoG)
入力端子HDMI×2
Thunderbolt×2
DisplayPort×1
DVI-D×1、HDMI×2、DisplayPort×1
スピーカー
7W×2ch
3W×2ch7W×2ch
チルト
上15度/下5度
上20度/下5度
上15度/下5度
ピボット
-
消費電力80W48W47W31W47W
待機時/オフ時消費電力1.2W以下
0.5W以下
外形寸法
(幅×高さ×奥行)
スタンド含む      
829.9×468.9×172.9mm829.9×172.9×468.9mm702.4×181×425mm609×188.4×383.6 mm702.4×224.9×424.8mm
重量約7.7kg約7.3kg6.2kg約4.1kg約6.8kg

'14年度は大画面/ワイド化へ。4Kは「時間が必要」

李起旭常務

 同社は上記の21:9「ウルトラワイドモニター」に加え、アスペクト比16:9の「M45シリーズ」6製品も発表。4月上旬より発売する。

 LGエレクトロニクス・ジャパンのマーケティング統括 常務 李起旭氏は、新モデルの特徴である21:9画面などについて、「デスクトップの領域が狭い」、「効率的に仕事をしたい」といったユーザーからの声を反映した結果であると説明。特に、ブルーライト低減/フリッカーセーフ機能については'14年モデルに標準搭載(チューナ搭載モデル「23MT55J-PM」を除く)した点をアピール。「本当の意味で暮らしや作業、趣味、学習を劇的に改善し、生活をより豊かなものにする製品」と述べた。

 同社コンシューマエレクトロニクス セールスチームの道山涼司氏は、「パネルのワイド化は着実に進化している。'14年度は大画面化、高画質化が進む」と予測。なお、International CESなどで展示した4Kディスプレイの市場投入について質問が出たが、「準備はしているが、発表できる情報は無い。4Kは、そのままだとアイコンが小さくなるなどソフト側がまだ対応できていない。登場したばかりなので時間が必要」との見方を示した。

道山涼司氏
ディスプレイのワイド化を推進

(中林暁)