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総務省、FM波でAMラジオを中継するための規制緩和へ。災害/難聴取対策にFMを活用
(2014/3/13 13:00)
総務省は、FMラジオの放送波を使ったAMラジオ放送の補完中継局を整備するための、放送法施行規則などの一部を改正する省令案を電波監理審議会に諮問し、これを適当とする答申を12日に受けたと発表した。これにより、AMの番組をFMで放送が可能になる見込み。
現状、AMラジオに対しては津波や洪水といった災害に対する脆弱性が指摘されている。また、地理・地形的にAMが受信しにくい地域だけでなく、ビルなど建築物による遮蔽や電子機器からのノイズなどで起きる「都市型難聴」の問題も発生。災害時においても迅速で正確な情報提供を確保するため、現在は外国波混信対策に限定されているFM波の利用を、AMの難聴取対策や災害対策にも利用可能とすることを目的に、FMによる補完局の開設が計画されている。
総務省では、'13年7月に公表された「放送ネットワークの強靱化に関する検討会中間取りまとめ」における提言を踏まえ「V-Lowマルチメディア放送及び放送ネットワークの強靭化に係る周波数の割当て・制度整備に関する基本的方針」を同9月27日に公表。これをもとに「AMラジオ放送を補完するFM中継局に関する制度整備の基本的方針」を1月31日に発表している。
これらの基本方針を踏まえ、FM方式でのAMラジオ放送の補完中継局を実現するための制度整備に放送法施行規則などの一部改正が必要となることから、電波監理審議会へ諮問を行なった。
なお、諮問に先立ち、今回の制度整備案や、北海道における地上デジタルテレビ放送の受信環境改善(季節的に発生する電波の異常伝搬現象による受信障害の解消を目的に、礼文中継局について別のチャンネルに切り替えるための基幹放送用周波数使用計画の一部変更)に関する基幹放送用周波数使用計画の一部変更案について意見募集を実施しており、66件の意見提出があった。その意見と、意見に対する総務省の考え方もまとめて総務省のサイトで公表している。
FM方式によるAMラジオ放送の補完中継局に関する制度整備案に対しては、AM局から賛同する内容の声が多く、柔軟な運用を求める意見が寄せられている。FM局からは、既存FMの受信に障害が発生しないための事前シミュレーションの徹底や、多額の設備投資が必要なことから、コスト軽減への配慮を要望する意見などが挙がっている。
総務省は、「電波監理審議会の答申とこれらの意見募集の結果を踏まえ、速やかに放送法施行規則の改正等を行なう予定」としている。