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アイ・オー、リモート視聴でチャプタも使える「RECBOX DR」

iOS/Android/Win 8.1用リモート視聴ソフトがセットに

 アイ・オー・データ機器は、外出先からの録画番組リモート視聴に対応する「DLPAリモートアクセス仕様2.0」に準拠し、iOS/Android、Windows 8.1端末から宅外視聴が可能なNAS「RECBOX DRシリーズ」を12月中旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は2TBモデル「HVL-DR2.0」が35,800円前後、3TB「HVL-DR3.0」が41,800円前後、4TB「HVL-DR4.0」が53,800円前後。

RECBOX DR

 なお、AV機器としての側面が強い製品である事から、アイ・オー・データでは「レコーディングHDD」と呼んでいる。

 リモート視聴用のサーバーとして動作可能なNAS。チューナは搭載していない。DTCP-IPの自動ダウンロードムーブに対応しており、対応するレコーダで録画した番組を、自動で「RECBOX DR」に転送。その番組を、LAN内、もしくは宅外から各種端末で視聴できる。DTCP-IPテレビからのダビング、「スカパー! プレミアムサービスLink」対応チューナからのダビング、JCN/J:COMの「Smart TV Box」からの直接録画/ムーブもサポート。

縦置きも可能
背面。ファンも搭載している

 最大の特徴は、DiXIMの新プレーヤーアプリ「DiXiM Play SE」が利用できる事。これは、DLPA 2.0に準拠したリモート対応視聴アプリで、iOS/Android/Windows 8.1用に提供される。各ストアから無料でダウンロードできるが、利用するためにはHVL-DRシリーズとペアリングする必要がある。対応OSはiOS 7.0.4~8.1、Android 4.1~4.4、Windows 8.1。

 利用ライセンスは、各OS毎に1ライセンス添付されている。例えば、iPhoneとAndroidタブレット、Windows 8.1のPCを持っている人は、それら3つの機器全てで利用できる。しかし、iPadでも見たいという場合は、iPhoneとのペアリングを解除し、iPadと新たにペアリングする必要があり、iPhoneとiPadのどちらでも利用する事はできない。デジオンは今後、ライセンスキー販売も予定しているが、具体的な時期や価格は未定。なお、リモート視聴利用のためのアプリ内課金も不要となっている。

 なお、デジタルライフ推進協会(DLPA)が策定する録画番組の宅外視聴ガイドラインの最新版「DLPA2.0」に対応しているため、DLPA対応のプレーヤーであれば利用可能。ただし、現時点では対応プレーヤーアプリは「DiXiM Play SE」のみとなる。逆に、DiXiM Play SEはアイ・オー・データのNASだけでなく、DLPA2.0対応の他社のNASなどからの再生にも対応できる。

従来機種(RECBOX +REMOTE)と比べて筐体はコンパクトになった

 LAN内や宅外からの視聴を快適に行なうために、トランスコーダの「Smartplaying Engine」を搭載。再生時のリアルタイムトランスコーダのほか、圧縮用トランスコーダとしても利用可能になっており、MPEG-2などのデータ量の大きいファイルを、MPEG-4 AVC/H.264に圧縮し、長時間録画を可能とする。モードは3倍、7倍、15倍から選択可能。ビットレートは1.6~8Mbps。

 なお、圧縮はリアルタイムではなく、ネットワーク経由でダウンロードムーブした番組を、NASを利用していない時間を使って圧縮する。モバイル機器向けに配信する際に、これらファイルサイズの小さなファイルを利用するほか、配信時にレート変換をする事も可能。

使い勝手も向上

 パナソニックのDIGA、ソニーのBD、ソニー・コンピュータエンタテインメントのnasneと連携した場合、レコーダ側で録画時に生成されたチャプタ情報を、RECBOX DRに自動ダウンロードムーブする際に、合わせてダウンロードできる。

 これらのレコーダでは、NexTV-Fのリモート視聴に対応しているため、RECBOX DRに番組をムーブしなくても宅外視聴ができる。しかし、その際はチャプタのスキップなどが行なえない。

 一方で、RECBOX DRにダウンロードムーブし、DiXiM Play SEを使って宅外視聴した場合は、チャプタが利用可能。DiXiM Play SEには、再生時に10秒戻り、30秒スキップなどの機能も搭載している。

DiXiM Play SEを使い、iPadで視聴しているところ。チャプタへのジャンプが可能
Android端末でもチャプタジャンプができる
Windows 8.1向けのDiXiM Play SEも利用できる

 コンテンツのムーブアウトもサポート。対応する東芝のレコーダ「レグザブルーレイ」、もしくはパナソニックの「DIGA」に、RECBOX内のコンテンツをLAN経由でムーブし、各レコーダからBD/DVDに書き出す事もできる。

 また、NASの設定を、PCを使わずに手軽に行なうためのアプリ「DR Controller」も用意。スマートフォン、タブレット、PCに対応しており、スマートフォンを意識した直感的なUIを採用。サーバーの基本設定や、コンテンツの管理、自動ダウンロードの設定などが行なえる。記録してあるコンテンツを文字検索する事も可能。

設定用アプリ「DR Controller」
録画番組の削除や名前変更、圧縮予約、ネットワーク転送などが行なえる
自動ダウンロード機能の設定画面。タイトルやチャンネル、ジャンルなどの条件を細かく指定し、それに合致する番組だけを自動ダウンロードする事ができる

 NASのベースプラットフォームは、従来モデルのアイ・オー・データ製から、デジオンの「DLPA NASプラットフォーム」に変更されている。これはデジオンが開発したものだが、仕様にアイ・オー・データも関与し、これまでのNASで培ってきたノウハウも投入されているという。DMSソリューションは、デジオンのDiXiM Media Server Ver.5。

 外形寸法は127×210×45mm(幅×奥行き×高さ)で、従来モデルと比べてコンパクト化。縦置きにも対応する。

アップデータで進化。家中のコンテンツをまとめて管理

 2015年にはアップデートによる機能強化も予定されている。DLNAのVDMS(仮想DMS)機能を追加予定で、これは他社のレコーダも含め、LAN内のDLNAサーバーのコンテンツをRECBOX DRから、一括して表示できるようにするもの。どのDLNAサーバーにコンテンツが保存されているかを気にせず、RECBOX DRの一覧画面からコンテンツを選択・再生できる。

 さらに、ビデオカメラで撮影した映像を、RECBOX DRに転送、トランスコーダを使ってスマートフォンやタブレットにリモート配信する機能も予定されている。

 また、DLANサーバー機能を備えているが、スマートフォン向けのトランスコード機能を持っていないレコーダ向けに、RECBOX DRがDLNA経由でコンテンツを受け取り、それをトランスコードしてスマートフォンなどに配信する「トランスコード中継」機能も検討。

 他にも、外出先からRECBOX DRをコントロールする「Remote UI」や、複数台のRECBOX DRのコンテンツの情報をDiXiM Playで一旦キャッシュし、オフラインでコンテンツ探しができ、使い勝手を向上させるアップデート、スマートフォンで撮影した写真や動画をリモートでRECBOX DRに保存する機能なども予定されている。

(山崎健太郎)