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NHK、放送同時配信や番組早戻しを含むネットサービス実施計画。4月1日開始
(2015/3/11 12:52)
NHKは10日、テレビ/ラジオ放送と連動したインターネット配信などに関する「平成27年度 インターネットサービス実施計画」を発表した。この計画は4月1日より実施され、一部スポーツイベントやNHK総合の番組を、放送と同時にインターネットでも配信する試験的サービスや、Hybridcast(ハイブリッドキャスト)におけるスポーツ中継の「早戻しサービス」なども含まれている。
既報の通り、'14年6月に公布された改正放送法により、インターネットを活用したサービス拡張が可能になった。NHKは'15年度のサービスとして「放送と同時のインターネット配信」の開始に向け総務省に認可申請を行ない、総務省はこれを認めている。
NHKのインターネット実施計画では、ニュース/災害発信の強化や、教育分野の強化、Hybridcastの新サービス、NHKワールドTVやラジオ日本の放送同時ネット配信、スポーツイベントの試験的ネット配信、NHKオンデマンドなどの内容が盛り込まれている。
このうち、放送と同時のネット配信の「試験的な提供」としては、大きく2種類に分けて本数や時間を限定して実施。
スポーツイベントの生放送番組については、NHK総合/教育の放送と同時に試験的にネット配信で提供するものを「試験的提供A」とし、検証に適した放送番組を年間5件程度以内を対象に、1日最大4時間程度を超えない範囲で、放送と同時にネットでも配信する。
また、受信契約者から募集する参加者を対象に、NHK総合/教育の番組を放送と同時にネット経由で配信する「試験的提供B」を実施。1回の提供機関は、1日16時間以内で1カ月程度としている。参加者は数千人から1万人以内の規模。
そのほか、災害時の対応として、特に迅速に提供すべき国内テレビの緊急ニュースがある場合に、NHKオンラインなどで放送と同時に配信することも予定。大規模な自然災害時にロボットカメラの映像/音声などのニュース関連映像を、リアルタイムで配信することなども計画している。
放送通信連携のHybridcastでは、新たなサービスとして、テレビ4波の定時番組や特集、スポーツ中継などで、番組をさかのぼり視聴できる「早戻しサービス」や、タブレットなど携帯端末と連携したサービスを提供する。
PCや対応テレビ、スマホなどで利用できる有料動画配信サービス「NHKオンデマンド」は、'15年度も引き続き提供。「コンテンツの充実や利便性の向上に努め、利用者の拡充を目指してサービスの向上に取り組む」としている。
また、ラジオのインターネットサービスでは、PC/スマホ向け配信の「らじる★らじる」と、ラジオ番組「ニュース」や「語学講座」などのオンデマンド配信、「やさしい日本語」などのポッドキャストサービスを統合する。
NHKは今回の計画実施にあたり「放送法改正により、NHKのインターネット活用業務の可能性が広がった。NHKは、実施基準にのっとり実施計画を立て、サービスの内容や費用を明示して、インターネットサービスの変化に取り組む。放送を太い幹としつつ、技術革新と変化が著しく速いインターネットの世界に対応してより効果的・効率的なサービスを実現するために、絶えず既存サービスを見直し、“選択と集中”を図りながら、公共性の高い魅力的なサービスを提供する」としている。
今回の計画に対応する放送番組の一覧も公開。「あさイチ」や、「ブラタモリ」、「ためしてガッテン」、「NHKドラマ」、「クローズアップ現代」、「NHKアニメワールド」、「グレートネイチャー」、「N響演奏会」、「洋楽倶楽部」「NHKゴガク」などの番組サイトが含まれている。