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そうかBluetoothで繋いでも良いんだ!小型プロジェクタ×デノンのサウンドバー「DHT-S218」で音のクオリティ爆上がり
- 提供:
- デノン
2025年6月18日 08:00
近年、家の中で気軽に移動させられるモバイルプロジェクターが増えてきて、我が家のような賃貸マンションでも、気楽に大画面生活を楽しめるようになった。生活の中にプロジェクターが加わると、YouTubeを観たりゲームをプレイする時間がグッと楽しくなる。良い時代になったな~。
……なんてほっこりしていた筆者の元に、ある日、AV Watch編集部から一通のメールが届いた。「どの原稿の催促でしょうかごめんなさいごめんなさい」と恐る恐る開くと、そこに書かれていたのは、「大画面だけで終われないでしょ。サウンドも満足させないと」という、ほっこりマインドへの揺さぶりだった。
いやそれはそうなんですけど、その辺にこだわり始めると、大きなAVアンプや大量のスピーカーを部屋に乱立させる事になりますよね……? せっかく気軽に使える小さなプロジェクターが、巨大なアンプやケーブルに埋もれるのもなぁ。
……と思っていたら、「杉浦さん、サウンドバーならシンプルにプロジェクターの音を強化できますよ。プロジェクターとサウンドバーの接続だって、Bluetoothにすればワイヤレスですし」と神の啓示(メールの返信)を受けた。
確かに、言われてみればプロジェクターとサウンドバーってBluetooth接続できるんだ。リビングや寝室で楽しむカジュアルなプロジェクター生活にこそマッチする方法だと思うし、Bluetooth再生でどれくらい楽しめるか試してみたいかも。
というわけで前置きが少々長くなったが、今回は「プロジェクターとサウンドバーをBluetooth接続して、大画面の音質を手軽にアップグレードさせてみました」という企画をお届けする。
もちろん、HDMI接続した方が音が良いのは大前提。だが、プロジェクターの身軽さを優先して、Bluetooth接続を選択するのもかなりアリだった。ちゃんとクオリティの高い製品を選ぶのが重要だが、そういうポイントを押さえれば、“カジュアルで品位もあるおうちシアター”が実現できる。
デノン×JMGOの高コスパ最強タッグが我が家に
そんなわけで早速、編集部から我が家に送られてきたのが、デノンのサウンドバー「DHT-S218」と、JMGOのプロジェクター「N1S Nano」だ。
それぞれブランドのエントリーモデルながら、価格の枠を超えたクオリティでコスパの高さに定評がある機種同士。まあ、すでにAV Watch読者の皆さんにはおなじみだと思うが、簡単に機材ごとの特徴を紹介しておこう。
まずはDHT-S218から。デノンが手がけるサウンドバーのエントリーライン、S200番台の最新機種で、「ピュアオーディオライクなサウンドバーの代名詞」と言っても過言ではない地位を確立している1台だ。2024年5月の発売直後から市場で高い評価を得ていたが、1年を経た現在もまだ人気が衰えないヒットモデルである。
スペック的には横幅890mm、高さ67mmの本体に、25mmツイーター、45×90mmミッドレンジ、75mmサブウーファーを2基ずつ搭載するワンバータイプ。eARC/ARC対応のHDMIポートを装備し、テレビとHDMIケーブル1本で接続できる手軽さに加え、Dolby Atmos音声のデコードに対応するトレンド感も持ち合わせている。Bluetooth音声入力にも対応しており、スマートフォンなどとワイヤレス接続してBluetoothスピーカーとしても使える。
……と言いつつ、DHT-S218の最も大きな特徴は、そういったスペックの数字に現れない部分だったりする。本機のチューニングを担当したのは、デノンが誇る数々のハイエンドHi-Fi製品を手掛けてきたサウンドマスター・山内慎一氏。同氏の音作りにより、3万円台のエントリー機ながらHi-Fiに通じるピュアサウンドを鳴らすのがDHT-S218の最大の武器で、それゆえオーディオファンからクオリティ軸で高評価を獲得している。
で、ここに組み合わせるプロジェクターのN1S Nanoが、これまたコスパの高さが光る話題作だ。製品としては、LED光源を採用したDLP式のフルHDプロジェクターで、価格は9万円台。投写画角をスマートに調整できる「ジンバル一体型デザイン」の使いやすさが最大の魅力だ。
さらに本体サイズ187×165×191mm、質量約1.8kgというコンパクト感と、筐体がクリーム色で家具になじみやすく、“インテリアにしっくりくるプロジェクター”を実現している。
機能面ではWi-Fi 5に対応し、本体にはGoogle TVを搭載。最初にアカウントの設定さえ行なえば、YouTube、Netflix、Prime Video、Disney+などの動画配信サービスをこれ1台でシームレスに楽しめる。個人的には「ちょっと前なら数十万円した本格プロジェクターが、10万円を切っている」という感じの一作で、コンパクトな今どき仕様とサクサク動作でめっちゃ使いやすい。
なお、本体にはドルビーデジタルプラスやDolby Audioに対応する10W出力のステレオスピーカーを内蔵しており、55Hzの低音域までカバーするなど、持ち運べるコンパクトプロジェクターとしてはそれなりにサウンドも工夫されているが……。
今回はこれを、“デノンの音”にアップデートした。
デノン「DHT-S218」、カジュアル大画面視聴にちょうど良い
さて、いよいよ双方をBluetooth接続しよう。DHT-S218をBluetoothペアリング状態にして、N1S NanoのBluetoothメニューに現れたところを選択すればOK。N1S Nanoをリビングや書斎などに持ち運んで使う際、合わせてDHT-S218を取り出してサクッとBluetooth接続するようなノリでイケる。
コレ、従来のホームシアター目線というより、ガジェットライクな発想ではないだろうか。言うなれば、ガジェット寄りの手軽さでホームシアターを構築するスタイル。サウンドバーって、今までテレビとHDMI接続するものとしか見ていなかったが、プロジェクターと接続するならもっと柔軟に考えて良いんだな……って知った。
で、実際やってみて思うが、N1S Nanoのようなカジュアルなプロジェクターと組み合わせるなら、ガッツリしたハイエンド機より、棚にポンと置いておけるスマートなワンバータイプがぴったり。その中でもDHT-S218は、サウンドと価格のバランスを考えたら確かに超有力だった。
DHT-S218はピュアオーディオライクな“音の素性の良さ”がよく話題になるが、その基本軸はBluetooth再生でもブレない。3万円台の価格も含め、ガジェット的なカジュアルさを持ちながら、大前提として“音が良い”を叶えているのが強い。
あと、このスタイルでもうひとつ大事なのは、大前提としてちゃんとHDMI接続も行なえること。有線接続の方がもちろん音は良いわけで、従来のホームシアター的目線でも楽しめるクオリティを備えているから安心だ。“手軽なBluetooth接続”と、“より高音質で安定したHDMI接続”、スタイルに合わせてどちらも選択できるのが嬉しい。
カジュアルゆえ、DHT-S218の「Movie」「Music」モードが大活躍
そんな風にDHT-S218をBluetooth接続して、N1S Nano内蔵のGoogle TVからNetflixやYouTubeなどを再生したり、ゲーム機をHDMI接続してプレイしてみる。DHT-S218の質の良い低音で豊かな聴きごたえになるし、環境音がちゃんと目の前の空間から聴こえてきて、満足度が一気に上がる。サウンドバーならではの広いサウンドステージを実現し、ついに大画面の迫力に音声も追いついたって感じだ。
ちなみに我が家では、50インチクラスのテレビとN1S Nanoの併用もしてみた。テレビとサウンドバーはHDMI接続しっぱなしで、追加でN1S NanoをBluetooth接続で使うというスタイルもスマートだった。
あと、DHT-S218が搭載する音声モードが活躍したのもお知らせしたい。DHT-S218といえば、バーチャルサラウンド処理をバイパスして高純度な再生を行なう「Pureモード」が売りのひとつ。しかしそれ以外にも、「Movieモード」や「Musicモード」といった音声モードを搭載していて、再生コンテンツに合わせて使い分けられる。もちろん、これらの音声モードはBluetooth再生時の音声にも適用される。
そう、有線接続で楽しむ映画や音楽の高クオリティ音源だと「Pureモード」の本領が発揮されるが、Bluetooth再生で楽しむYouTubeなんかは、コンテンツによって元の音声のクオリティにバラツキがあったりするわけだ。「なんか元の音声が弱くて物足りないな」とか「ライブ映像はもっと迫力が欲しいな」とか思ったら、「Movieモード」や「Musicモード」をONにすることで、迫力が増してイキイキとエンタメ的な音にできる。
つまり、DHT-S218ならではの音質・サウンドステージ・音声モード、これらの掛け合わせで、カジュアルなプロジェクター視聴の品位が一気に上がったというわけ。
例えば、なにわ男子の公式YouTubeで公開されているライブ映像「NEW CLASSIC [なにわ男子 LIVE TOUR 2024 '+Alpha'] 」は、横浜アリーナを埋める観客の大きな声援も収録されている動画だ。
これをN1S Nanoで再生すると、まず大画面からメンバーのキラキラ感が我が家のリビングに溢れてきて、それだけでも眩しい。しかし、そこでDHT-S218の音声モードを「Movieモード」にすると、観客の大きな声援が左右に広がり、かつ低域が増強されて“ライブ的なグルーブ感”に包まれるのだ。映像の迫力に加えて、自分がアリーナにいるかのような臨場感が生まれ、同じ映像でも明らかに視聴体験がアップデートされる。
また、N1S Nanoにゲーム機を接続して大画面でプレイする場合も、サウンドが強化されることで一気にワクワク体験が高まった。筆者は以前にN1S Nanoを使用した際、「Nintendo Switch」で配信されている昔のレトロゲームをあえて大画面でプレイするのが面白くてハマったのだが、音質が強化されるとBGMの面白さにも改めて気づく。
昔のファミコンやスーファミの曲って、制限された容量と音数ですごい工夫されてるのだ。音質環境を強化すると、低音がズバッと聴きやすくなることもあり、主旋律+リズムの使い方へのこだわりがすごくわかりやすくなる。
あと重要なのは、ゲーム時に気になる音の遅延もほとんど感じられなかったこと。「ドンキーコング リターンズ HD」や「星のカービィ ディスカバリー」などの新しめのスクロールアクションも、全く難なくスムーズにプレイできた。
さすがにFPSなど音が重要なゲームだとその限りではないかもしれないが、ちょっとしたスクロールアクションくらいなら大して遅延は気にならず、むしろ音質の豊かさによってゲーム体験が向上する感覚を味わえる。
有線環境へのステップアップ欲も促進される
さて、ここまで「サウンドバーとプロジェクターをBluetoothで手軽に接続するのもイイね」って切り口でお届けしてきたわけだが、もちろん有線接続の方が音は絶対良い。それはそう。
サウンドバーならではの広がり感とか、DHT-S218が持つ“素性の良い音”とか、基本的な傾向は上述の通りだが、HDMI接続するとそういう音の密度がより濃くなって満腹感が出る。あとDHT-S218の場合、「Pureモード」選択時に有線/無線の違いがより出やすいのもあるかもしれない。逆に言うと、ちゃんと有線接続にする意味があるサウンドバーである。
ただ先ほども書いた通り、“手軽なBluetooth接続”と、“より高音質で安定したHDMI接続”、スタイルに合わせてどちらも選択できるのが、今どきのサウンドバー+プロジェクターの良いところ。視聴時の環境に合わせて柔軟に使い分ければ良いのだ。
N1S NanoのHDMIポートは1基なので、ゲームプレイ時にDHT-S218を有線接続する場合は、ゲーム機をDHT-S218のHDMIポート(入力)に接続 → DHT-S218のHDMIポート(eARC/ARC)とN1S NanoをHDMI接続 → DHT-S218を介し、映像をN1S NanoにHDMI出力して投影することとなる。
これだとケーブルが2本ほどウネウネしちゃうが、実際に使い比べたら「有線接続、良いな……」ってなる人は多いと思う。加えて「ちゃんとしたホームシアター環境構築したら、もっとスゴいことになるんだろう」って、その先も見えてくる。
サウンドバーでのBluetooth再生を入り口に、有線接続の高品位なホームシアターを構築するステップアップに繋がるって、今どきっぽくてすごく良い。
10万円強で手に入る、映像と音の“ちょっとイイ贅沢”
そんなわけで今回は、プロジェクターとサウンドバーをBluetoothで手軽に繋ぐのも全然アリなんだなと実感する体験になった。使用した機材の価格も、N1S Nanoが9万円台、DHT-S218が3万円強なので、映像と音の“ちょっとイイ贅沢”を12万円前後で手に入れられると考えたら、結構お得だと思う。
Bluetooth接続のカジュアル感がありながら、大画面の迫力と豊かなサウンドによって感動値は高いこのスタイル、ぜひ多くの方に推したい。