NHK、120fps対応のスーパーハイビジョンプロジェクタ

-e-shiftデバイスなどを倍速駆動。技研公開に出展


開発された120fps対応SHVプロジェクタの外観

 NHKは17日、スーパーハイビジョン(SHV)映像を120fpsで表示できるプロジェクタを、JVCケンウッドと共同で開発したと発表した。

 これまでのSHVは、超高精細映像を60fpsで表現してきたが、フレームレートを従来の2倍となる120fpsとすることで、動きの速い映像もより鮮明に表示することが可能になる。なお、NHKは既に120fps撮影に対応するSHVカメラ用イメージセンサーを開発しており、これに続いて表示装置でも120fps対応を実現した。

 開発されたプロジェクタは、800万画素の表示素子3枚とe-shiftデバイスを用いた小型SHVプロジェクタとして1月に発表したモデルをベースに、e-shiftデバイスと表示素子の倍速駆動を実現。120Hz対応の入力回路と駆動回路を新規開発して、60Hzの映像信号を並列処理。液晶素子に映像信号をパラレル-シリアル変換して入力することで120Hz表示を実現しており、液晶動作速度が最適になるよう表示素子の温度管理も行なっている。

 デバイスは1.3型のLCOS(反射型液晶)を使用し、e-shiftの画素ずらしにより解像度は7,680×4,320ドット相当。明るさは3,000 ANSIルーメン、コントラスト比は1万:1、ビット数は12bit。

 なお、NHKはこの他にも、マラソンや駅伝などのロードレース中継において安定した伝送や高画質化を実現するという「時空間トレリス符号化MIMOシステム」を開発したことも発表した。これらの新技術は、5月24日(木)~27日(日)に開催されるNHK放送技術研究所の一般公開(技研公開)にも出展される。



(2012年 5月 17日)

[AV Watch編集部 中林暁]