日本デジタル家電、地デジ全録「ロクラクIII・ALPHA II」

デジアナ変換録画でネット配信。小型「Slim・NEOII」も


ハイビジョン・ロクラクIII・ALPHA II

 日本デジタル家電は、地上デジタル放送の8チャンネルを同時に録画でき、LAN経由での録画番組配信にも対応するHDDレコーダ「ハイビジョン・ロクラクIII・ALPHA II」を発売する。HDD容量は2TBで、価格は298,000円。

 さらに、地デジのダブルチューナと1TB HDDを搭載した小型のレコーダ「ハイビジョン・ロクラクSlim・NEOIIサーバ」も発売。価格は198,000円。

 また、「NEOIIサーバ」をベースに、外部入力やサーバー機能を省き、クライアント機能を備えた「ハイビジョン・ロクラク・Slim NEOIIクライアント」も49,800円でラインナップする。これらの製品は、12月から同社のサイトで受注を開始し、順次出荷する予定。




■ハイビジョン・ロクラクIII・ALPHA II

 地上デジタルチューナを8基、MPEG-4/AVC H.264のトランスコーダを8基搭載したレコーダ。BDドライブは搭載していない。

 内蔵HDDは2TBで、8チャンネルを8日間録画し続ける事が可能。タイムシフト機能が利用でき、内蔵HDDに割り当てたタイムシフト領域に録画し続け、HDD空き容量が無くなると、古い番組に上書き録画していく。トランスコーダを使い、データ量を抑えて各チャンネルを録画でき、長時間モードでは約1週間分の録画が可能。

 番組表から録画番組を再生したり、ジャンルやキーワードから番組検索も可能。リモコンの「タイムシフト」ボタンを押すと、タイムシフトモードになり、全チャンネル録画の追いかけ再生がスタート。早戻しや時刻ジャンプで過去の時刻に遡り、その時刻でチャンネル切り替えることで、過去の別チャンネルを視聴する事もできる。また、タイムシフト再生中にスタンバイモードにして、再び電源をONにすると、続きからタイムシフト再生する「タイムシフトリジューム」機能も利用できる。

 連続録画の方式を改良する事で、追記型の録画が可能。録画を停止し、再スタートしても過去のデータが残り、残したままで必要な期間だけ全録を繰り返して保存する事もできる。起動時の自動追記開始機能も備えており、停電やファームウェア更新などがあっても、そこでタイムシフト録画が止まってしまわず、再開される。なお、録画の中断期間は番組表に赤いエリアで表示される。

 内蔵HDDの録画領域はA/Bパーテーションの2つを設定でき、1つをタイムシフトに、もう1つを保存用領域に使うといった事も可能。また、2TBのUSB HDDを1台接続する事もでき、タイムシフト録画した番組を、USB HDDにバックアップできるほか、ジャンルを指定して、自動的にUSB HDDに録画させる事も可能。

 トランスコーダに加え、エンコーダも1基搭載。D4、コンポジット端子から入力したアナログ映像も取り込めるようになっている。録画方式はH.264/MPEG-2から選択が可能。D4映像はH.264で録画する場合、画質も0.5Mbpsから6Mbpsの範囲で設定可能。オプション機能を追加し、PCの720p、1080iやゲーム機のD3/D4出力をH.264で録画する事もできる。アナログ入力のコピープロテクトはCGMSに対応する。

 また、オプション機能となるが、D3のハイビジョンアナログ映像出力も装備。この出力を、「ハイビジョン・ロクラクIII・ALPHA II」自身のアナログ入力にループバックするための専用スイッチも用意。これにより、地デジ放送をアナログ映像にしてから録画する事も可能。ダビング10のルールで、一般的な地上デジタル放送の場合、ダビングカウント数が1より大きければ、アナログ出力はコピーワンスとして出力される。それを録画したデータはコピーネバーで、ムーブのみ可能な映像として録画されるが、デジタル録画した元データのダビングカウントは減少しない。

 録画番組のLAN内配信機能も搭載。ハイビジョンロクラクIIIシリーズや、新製品のハイビジョンロクラク・NEO IIシリーズを使い、録画した番組をLAN経由で視聴する事ができる。録画中番組の追いかけ再生や、USB HDDにバックアップされた番組のネットワーク再生も可能。番組検索機能も備えている。また、前述の外部入力された映像を遠隔視聴する事も可能。なお、この配信機能はDLNA規格の他社製品と互換性は無い。日本コンピュータのDVHD技術が使われており、DVHD対応機器であれば、他社の製品でも利用可能。

 なお、前述のデジアナ変換により、アナログ映像として入力・録画した番組を、インターネットを通じて遠隔視聴する事も可能。DVHD規準に基づくセキュリティチップが搭載されており、同じチップを搭載した機器と1対1でペアリングする事で再生できる暗号化を採用している。これにより、セキュアなインターネットを通じての映像配信が行なえるという。


背面

 ネット配信には、「ハイビジョン・ロクラクIII・ALPHA II」に固定IPを割り当てるか、DVHDライセンス準拠のビデオメール通信(Webhttpメール)を使い、機器のペアリングを行なう必要がある。視聴できる端末は後述する「ハイビジョン・ロクラク・Slim NEOIIクライアント」。また、SD解像度のMPEG-2で録画した番組の場合は、従来のロクラクシリーズ(ロクラクII、NYX10)を再生端末として使うこともできる。

 レコーダは独自に開発された「クイックOS」で動作しており、サーバー動作中でも全チャンネルレコーダ機能は平行して動作でき、操作レスポンスも早いという。

 入力端子はD4、コンポジット、アナログ音声(RCA)を各1系統装備。出力は、HDMI、D3(※オプション)、コンポジット、アナログ音声(RCA)を各1系統装備。USB×2(内1系統はUSB HDD接続用のUSBホスト)、Ethernetを備えている。外形寸法は430×217×50mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は2.7kg。消費電力は31W。リモコンも付属する。




■ハイビジョン・ロクラクSlim・NEOIIサーバ

ハイビジョン・ロクラクSlim・NEOIIサーバ。右が背面

 地上デジタルチューナを2基、1TBの内蔵HDDを搭載したレコーダ。BDドライブは備えていない。外形寸法52×194×134mm(幅×奥行き×高さ)、重量980gと、縦型コンパクトな筐体が特徴。

 独自メディアプロセッサ「NCP1024」を搭載し、MPEG-4 AVC/H.264のトランスコード機能を搭載。1系統のAVCトランスコード録画を可能にしており、1TBの内蔵HDDに、長時間モードで1,000時間の録画が可能。圧縮ビットレートは0.5Mbps~8Mbpsの範囲でユーザーが自由に設定できる。

 また、タイムシフト録画も可能で、古い番組を削除していくことで、新しい番組をエンドレスで録画し続ける事が可能。前述の「ALPHA II」と同じく、追記型の録画を可能にしており、録画を一時停止したり、停電やファームの更新があっても自動的に追記録画を再開。過去の録画データを保持しつつ、録画を継続できる。

 EPGから番組を指定しての録画予約、番組検索やキーワード予約も可能。録画中番組の追いかけ再生、1.5倍速の早見モード、3,600倍までの早送り/早戻し再生も可能。時刻指定スキップや、1日、1週間スキップなどのトリック再生が行なえる。

 内蔵HDDに加え、最大2TBまでのUSB HDDを追加する事も可能。ダビング10ルールを使い、内蔵HDDから外付けHDDへのダビングも可能。

 入力端子として、D4とコンポジット、S映像を搭載。MPEG-4 AVC/H.264、もしくはMPEG-2での録画が可能。D端子から入力したアナログハイビジョンの映像をSDにダウンスケールし、MPEG-2で保存する事もできる。アナログ入力のコピープロテクトはCGMSに対応する。

 上記「ALPHA II」と同様に、デジアナ変換を使い、アナログ映像としてデジタル放送を録画する機能も用意。

 LAN内の対応機器に、録画番組を配信するサーバー機能も搭載。視聴用の端末にはNEO IIサーバ/クライアント、ロクラクIIIシリーズが利用可能。前述のデジアナ変換機能を使って録画した番組は、インターネットを介した遠隔視聴にも対応する。

 入力端子はD4、コンポジット、S映像、アナログ音声(RCA)を各1系統。出力はHDMI、ステレオミニのコンポジット/アナログ音声出力を各1系統。USB×2(内1系統はUSB HDD接続用のUSBホスト)、Ethernetを備えている。消費電力は10W。リモコンも付属する。



■ハイビジョン・ロクラク・Slim NEOIIクライアント

ハイビジョン・ロクラク・Slim NEOIIクライアントのイメージ。右が背面

 「ハイビジョン・ロクラクSlim・NEOIIサーバ」と同様に、地上デジタルチューナ×2と、1系統のMPEG-4 AVC/H.264トランスコーダを搭載。1TB HDDも内蔵している。BDドライブは搭載しない。HDDレコーダとして使用でき、USB HDDの追加も可能。

 「NEOIIサーバ」との違いは、アナログハイビジョン出力がD4からD3になっている事と、外部入力からの録画機能や、デジアナ変換による録画が省かれていること。

 さらに、録画番組をサーバーとして配信する機能が無く、対応サーバーから配信された番組をネットワーク経由で視聴するクライアント機能のみになっている。

 出力端子はD3、コンポジット/アナログ音声のステレオミニ出力を各1系統。USB×2(内1系統はUSB HDD接続用のUSBホスト)、Ethernetも備えている。消費電力は10W。外形寸法は52×194×134mm(幅×奥行き×高さ)。重量は980g。リモコンも付属する。



(2012年 11月 27日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]