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東芝、テレビ事業を分社化して白物家電と統合へ。新会社は「東芝ライフスタイル」

 東芝は、社内カンパニーであるデジタルプロダクツ&サービス社において、テレビなど映像事業を分割、生活家電を担う東芝ホームアプライアンスに統合し、新会社東芝ライフスタイルとして4月1日より事業運営する。'13年9月に映像事業と生活家電事業の統合計画を発表していた。

 '13年10月から、東芝は、テレビやパソコン、生活家電などをライフスタイル事業と位置づけて事業展開してきたが、映像事業と家電事業の統合をさらに進める。これまで、東芝のテレビ事業は社内カンパニーであるデジタルプロダクツ&サービス社で行なっていたが、テレビを含む映像関連事業を携わってきた約700名が新会社の東芝ライフスタイルに移籍。新会社は、これまで生活家電を担当していた約700名とあわせて、1,400名規模でスタート、代表には東芝ホームアプライアンス社長の石渡敏郎氏が就任する。

 東芝ライフスタイルでは、映像事業と家電事業を一体運営。両事業のそれぞれの人員や物流などの経営資源の共通化、コスト最適化などを進め、効率的な事業運営を図る。また、注力地域の戦略や商品開発における迅速な意思決定を目的に、社長直属の地域戦略/横断商品企画プロジェクトチームを新設し、統合シナジー効果を最大化するとしている。また本社機能も営業部門と技術部門間の連携を強化し、業務の効率化を図るため、青梅市に集約する。

 なお、デジタルプロダクツ&サービス社(DP&S社)はPC事業を中心に運営。また、PCを含むライフスタイル事業全体の先行技術の相互展開を図る研究開発部門をDP&S社の傘下に新設。高付加価値製品の創出を目指すとしている。

 東芝ライフスタイルでは、今後、東南アジアや中近東など新興国を中心とした海外での販売を強化するほか、テレビ、生活家電がネットワークで連携するスマート家電やクラウドサービス、業務用サイネージ/モニター事業などのB2B向けビジネスを中心とした新分野に注力する。また、PCを含むライフスタイル事業において、デジタルプロダクツと生活家電の一体運営による相乗効果を発揮し、事業の体質強化や共通の技術資産を活用した新サービス/製品の投入を加速するとしている。

 東芝以外の大手電機メーカーも、2014年に入ってからテレビ事業の再編を進めている。ソニーは、2月に7月1日を目処にテレビ事業の分社化を行なう方針を発表。パナソニックは、4月以降の事業体制を正式には発表していないが、発表済みの人事などから、テレビなどの民生向けAV機器を白物家電を担当しているアプライアンス社に統合すると予想される。

(臼田勤哉)