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マランツ、PCノイズ排除のUSB DACを内蔵した10万円の2chプリメインアンプ

 マランツは、5.6MHzのDSD再生も可能なUSB DAC機能や、光/同軸デジタル入力も備えた2chプリメインアンプ「PM7005」を8月上旬に発売する。価格は10万円。カラーはシルバーゴールド。

USB DAC、デジタル入力搭載「PM7005」

 192kHz/24bitまでのリニアPCM、2.8/5.6MHzのDSDファイルの再生に対応するUSB DAC機能を備えたプリメインアンプ。ASIOによるネイティブ再生、DoP方式の転送にも対応。PCとクロックを同期せず、PM7005搭載の高精度なクロック回路で制御を行なうアシンクロナスモードにも対応する。Windowsでは、専用ドライバをダウンロードして利用。対応OSはWindows Vista/7/8、Mac OSX 10.6.3以降。

 NA8005など、同社のUSB DAC機器に採用されているデジタル・アイソレーション・システムを搭載しているのが特徴。PCとUSB接続すると、PCのノイズがオーディオ機器に悪影響を及ぼすが、それを防ぐための技術。上位モデルと同じデジタル・アイソレータ素子ではないが、ハイスピードなトランス結合タイプのアイソレータICを採用。PCとPM7005のデジタル回路を電気的に絶縁。高周波ノイズを排除し、クリアで安定したサウンドを実現したという。

 192kHz/24bitのPCMデータに対応する同軸デジタル、光デジタル入力も各1系統装備。ジッターリデューサーによりジッターを低減した上でDACへ入力される。

 DACはシーラスロジックの「CS4398」を採用。マランツ製SACDプレーヤーなどに採用されているもので、「使いこなしを知り尽くしたDAC」だという。DACの近くにクロックを配置する事で、精度の安定化を図っている。

 クロック回路にはNA-11S1と同等の超低位相雑音クリスタルを採用。44.1kHz系、48kHz系それぞれに専用のクリスタルを搭載することで、入力信号のサンプリング周波数に応じて最適なクロックを提供できるという。

 デジタル入力回路がアンプ内に存在する事で、周辺回路へのノイズ輻射が発生するため、デジタル入力回路全体を専用のシールドケースに封入。ノイズ輻射を遮断している。さらに、アナログ入力で音楽を楽しむ場合は、デジタル回路への電源供給を完全に停止させる「アナログモード」も備えている。

「PM7005」
背面

 アナログ段は、フルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路をプリ部とパワー部に採用。左右チャンネルの等長、平行配置を徹底すると共に、CD入力専用にHDAM SA2型の入力バッファも搭載。入力信号を低インピーダンス化することで、左右チャンネル間や各入力ソース間の相互干渉を防いでいる。

 メインの増幅回路には超ハイスルーレートなHDAM SA2、HDAM SA3を各回路に実装。超高域に至るまで、チャンネルセパレーションを備えた電流帰還型プリアンプを実現したとする。

 パワーアンプはHDAM SA3を実装した回路で構成、徹底したハイスピード化と、優れたスピーカー駆動力を実現。低歪でSN比に優れ、リニアリティの良いフェアチャイルド・セミコンダクターのトランジスタも全面的に採用。聴感上の駆動力や細かなディテールの表現力を向上させている。

 電源部にはNA8005と同様に、ノイズ対策を施したEIコアトランスを採用している。ブロックコンデンサーには、上位モデルのノウハウをフィードバックしたマランツ専用カスタム品を採用している。

 スピーカーターミナルはマランツオリジナルのもので、上位機種にも採用されているSPKT-1。直径5mmまでのケーブルに対応し、大型スクリューで確実に固定できるという。Yラグやバナナプラグにも対応可能。

付属のリモコン

 定格出力は60W×2ch(8Ω)、80W×2ch(4Ω)。入力端子はUSB、同軸、光デジタルを各1系統、アナログ音声×4、MMカートリッジ対応のPhono×1。出力端子はスピーカーターミナルに加え、RECアウト×1、ヘッドフォン出力×1も備えている。

 消費電力は170W、待機時消費電力は0.2W(スタンバイ時)。外形寸法は440×379×125mm(幅×奥行き×高さ)、重量は10kg。リモコンも付属する。

(山崎健太郎)