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マランツ、ネットワークプレーヤー搭載プリメインアンプ「PM7000N」。約12万円
2019年9月27日 11:00
マランツは、ネットワークプレーヤー機能を搭載したプリメインアンプ「PM7000N」を11月中旬に発売する。シルバーゴールドカラーで、価格は12万円。
フルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路をパワーアンプ部に採用。上級機譲りのハイスピードでS/Nが高く、低歪率という特長を備えるという。オペアンプを用いず、独自の高速アンプモジュール「HDAM-SA3」によってフルディスクリート電流帰還型パワーアンプ回路を構成。ハイスピードと超高域にまで至る優れたチャンネルセパレーションを実現している。
定格出力は60W×2ch(8Ω)、80W×2ch(4Ω)。適合インピーダンスは4~16Ω。電源部の強化やショート・パワーライン・レイアウトの採用、ディスクリート化、低インピーダンス化など、回路全体に及ぶ最適化を行なっているほか、新しいLAPTパワートランジスタと大電流ドライバートランジスタの採用により、32Aを超える瞬時電流供給能力を実現。PM7005と比べ、45%向上。これにより、「バスドラムや大太鼓のような急峻に立ち上がり、かつ大きなエネルギーを必要とする低音をリアルに再現。上級機に迫る雄大なスケール感の表現が可能になった」という。
瞬時電流供給能力を向上させるために、パワーアンプ用電源回路と出力段を一体化したショート・パワーライン・レイアウトを採用。大電流ラインを最短距離で結び、左右チャンネルを対称に配置することにより、瞬発力と優れた空間表現力を両立している。
高効率で振動と漏洩磁束の少ない大容量トロイダル型電源トランスを搭載。漏洩磁束を抑えるために、垂直方向の磁束漏れを抑えるアルミ製ショートリングに水平方向の磁束漏れを抑える珪素鋼板シールドを加えた2重シールドを施している。ブロックコンデンサーは、上級モデルで培われたノウハウを使って新開発されたELNA製カスタムコンデンサーを採用。15,000μF×2の大容量と高速な電源供給能力を備えている。
PM8006にも採用されている高性能ボリュームコントロールICに、HDAMとHDAM-SA2を用いた増幅回路を組み合わせた可変ゲイン型プリアンプ回路を新たに開発。「一般的に使用される音量の範囲内ではプリアンプでの増幅を行わず、パワーアンプのみで増幅することにより、ノイズレベルの大幅な改善を実現」するという。デジタル回路や電源トランスに対するノイズ対策の効果も合わせ、製品トータルのSN比は、PM7005比で11dBの向上を達成した。
チャンネル間のクロストークとギャングエラーを極小化するため、可聴帯域外に至るまで優れた特性を持つJRC製のボリュームコントロールICを採用。左右チャンネル間のクロストークや音量差が生じないため、空間表現力を大きく向上できるという。
DACは旭化成エレクトロニクス製の「AK4490EQ」を搭載。DAC以降のアナログステージには、HDAMによるローパスフィルターと、HDAM-SA2による出力バッファーを用いたフルディスクリート回路を採用。サウンドマネージャーと音質担当エンジニアによる試作、試聴を繰り返して音質対策パーツを厳選している。
ネットワーク、USB、Bluetoothなどのデジタル信号を扱うデジタルオーディオ回路から発生する高周波ノイズによるアナログ音声信号への影響を抑制するために、デジタルオーディオ回路をシールドケースに封入。また、電源ラインに流入するノイズはデカップリングコンデンサーを用いて除去。挿入するコンデンサーの種類や定数は、サウンドマネージャーによる試聴を繰り返しPM7000Nに合わせて最適なものを選定。さらには基板やシャーシを固定するビスやワッシャーの種類を使用する箇所に応じて変更してグラウンドインピーダンスを最適化するなど、これまでに積み重ねてきた様々なノウハウを用いて音質をまとめ上げた。
アナログ音声信号への影響を抑えるために、ネットワークおよびUSBメモリー再生、Wi-Fi、Bluetooth回路をオフにする機能や、ディスプレイを消灯する機能を搭載。
MMカートリッジに対応するフォノイコライザーも搭載。PM8006と同様にJ-FET入力を採用することで、SN比の向上と低歪化を実現。同時に、入力カップリングコンデンサーを無くすことで、信号の純度を高めている。電源ラインにリップルフィルターを追加することで、さらにクリーンな電源供給も実現した。
オリジナルのスピーカーターミナル「SPKT-1+」を装備。コア部の真鍮削り出しパーツは従来通りだが、表面処理はリスニングテストの結果、従来のニッケル下地+金メッキの2層から厚みのある1層のニッケルメッキに変更。直径5mmまでのケーブルに対応。Yラグ、バナナプラグも使用できる。
ネットワークプレーヤー機能も搭載
HEOSテクノロジーを搭載。NASやPCなどに保存した音楽ファイルをネットワーク再生でき、操作はiOS/Android向けの無料アプリ「HEOS」で行なう。USBメモリ内の音楽ファイルも再生可能。インターネットラジオ再生などの操作も、アプリから行なえる。AirPlay 2にも対応。Alexaでの音声コントロールにも対応する。
ストリーミングサービスはApple Musicのほか、Amazon Music、AWA、Spotify、SoundCloudなどに対応。インターネットラジオはTunelnをサポートする。Bluetoothにも対応し、プロファイルはA2DP、AVRCPをサポート。コーデックはSBCに対応する。
音楽ファイルは、PCMが192kHz/24bitまで、DSDは5.6MHzまでの再生に対応。DSD、WAV、FLAC、Apple Losslessの再生が可能で、ギャップレス再生もサポートする。USB端子も備えており、USBメモリ内の音楽ファイルも再生できる。
最大192kHz/24bitのリニアPCM信号に対応する、2系統の光デジタル入力と1系統の同軸デジタル入力を装備。サブウーファープリアウトも備えており、アクティブサブウーファーを接続して低音を強化できる。
音声入力は、アナログRCA×3、Phono(MM)×1、光デジタル×2、同軸デジタル×1。音声出力端子はRECアウト×1、サブウーファープリアウト×1、ヘッドフォン×1。LAN端子、USB-A、Bluetooth/Wi-Fiアンテナ入力×2、マランツリモートバス(RC-5)入出力×1も搭載。無線LANも内蔵する。
最大外形寸法は440×379×125mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は10.8kg。