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マランツ、デジタルアイソレータ搭載で13万円を切るUSB DAC/ネットワークプレーヤー「NA8005」

USB DAC/ネットワークプレーヤー「NA8005」

 マランツは、DSDの2.8/5.6MHzに対応し、デジタル・アイソレーションシステムも導入したUSB DAC/ネットワークプレーヤー「NA8005」を6月中旬に発売する。価格は129,500円。カラーはシルバーゴールド。

 徹底したノイズ対策などが話題となった上位モデル「NA-11S1」(330,000円)のテクノロジーを取り入れながら、価格を抑えているのが特徴。

PCやNASとの組み合わせイメージ

 DLNA 1.5準拠のネットワーク再生機能を備え、WMA/MP3/AAC/WAV/FLAC/Apple Lossless/AIFFとDSDに対応。AIFF/WAV/FLACは192kHz/24bit、Apple Losslessは96kHz/24bit、DSDは2.8/5.6MHzまで対応。FLAC/WAVはギャップレス再生もサポートする。

 USB DAC機能も用意し、ハイレゾのFLAC/WAVやDSDなどの再生に対応。DSDは2.8/5.6MHz対応で、ASIOドライバによるネイティブ再生と、DoP(DSD Audio over PCM Frames)の両方に対応。PCMデータは192kHz/24bitまでサポートする。

 PCとクロックを同期せず、NA8005内蔵の高精度なクロック回路で制御を行なうアシンクロナスモードにも対応。PC側のクロックのジッタに左右されない、ジッターフリー伝送を可能にしている。なお、Windowsで利用する場合はドライバをマランツのサイトからダウンロードする必要がある。対応OSはWindows Vista/7/8、 Mac OS X 10.6.3以降。

「Marantz Remote App」利用イメージ

 USBメモリに保存した音楽ファイルや、iPod/iPhoneなどのUSBデジタル接続も可能。再生しながらiPod/iPhoneを充電する事もできる。さらに、AirPlayやインターネットラジオ受信にも対応。ネットワーク再生時の操作などは、iOS/Android機器向けのアプリ「Marantz Remote App」が利用可能。PCやNAS内の音楽ファイルの選択や、ネットラジオの選局に加え、電源のON/OFF、入力やフィルタの切り替えも行なえる。リモートケーブルでNA8005と接続したプリメインアンプの音量コントロールも可能。

 ネットワーク接続されたNASや、USBで接続したPCから流入する高周波ノイズを排除するため、高速デジタル・アイソレータを6素子、12回路使った「デジタル・アイソレーション・システム」を搭載している。

黒いチップが横に並んでいる部分がデジタル・アイソレーション・システム

 ICチップ上に組み込まれたトランス・コイルを介して磁気によりデータ転送を行なうマグネティック方式で、入力側と出力側を電気的に絶縁しながら、データ転送を可能にするもの。このアイソレータをDACの前段に設置し、ネットワークなど、全てのデジタルオーディオ回路とDAC間の信号ラインを絶縁。DAC回路やアナログオーディオ回路へ高周波ノイズが悪影響を及ぼさないようにしている。コントロール回路にもアイソレータを使用し、ノイズの影響を低減するなど、徹底的な対策を施したという。

 なお、USB/ネットワークだけでなく、同軸と光デジタル入力も装備。どちらもPCMの192kHz/24bitまでの入力をサポートしており、ジッタリデューサーにより、ジッタを低減。192kHz/24bit対応の同軸/光デジタル出力も各1系統備えている。

 DACにはDSDのダイレクト変換も可能なシーラス・ロジックの「CS4398」を採用。クロックには、「NA-11S1」と同等の超低位相雑音クリスタルを搭載。44.1kHz系、48kHz系それぞれに専用のクリスタルを使う事で、入力信号のサンプリング周波数に応じて最適なクロックを供給し、ジッタを抑制した。

 DAC以降のアナログステージには、フルディスクリート構成のオーディオ回路として、独自の高速アンプモジュールHDAMと、HDAM-SA2を使用。左右チャンネルの等長、平行配置を徹底し、ハイスピードで情報量が多く、チャンネルセパレーション、空間表現力も高めたという。

 ヘッドフォンアンプも搭載。ハイスルーレートオペアンプとHDAM-SA2で構成しており、従来型の回路と比べ、出力インピーダンスを低くする事で、勢いのある再生音を実現したという。

アナログステージはHDAMと、HDAM-SA2で構成
ヘッドフォンアンプはハイスルーレートオペアンプとHDAM-SA2で構成

 電源部には大容量電源トランスを採用。EIコアトランスで、シールドケースに収められている。サイズはNA7004の約2倍。上級機にも採用されている音質フィルムコンデンサやオーディオ用電解コンデンサも搭載。アナログ回路電源用のブロックケミコンには、ニチコン製のマランツ専用3300μFカスタムブロックコンデンサを使用。試作と試聴を繰り返し、NA8005に最適なコンデンサをニチコンと共同開発したという。

 筐体はダブルイヤードボトムシャーシ。日本語表示対応の有機ELディスプレイも備えている。

付属のリモコン

 SN比は110dB(可聴帯域)、ダイナミックレンジは106dB(DSDモード、PCM 192kHz/可聴帯域)、101dB(PCM 44.1 kHz)。高調波歪率は0.0012%(1kHz/可聴帯域)。入力は、USB×2、光デジタル×1、同軸デジタル×1。出力端子はアナログ2ch RCA×1、同軸デジタル×1、光デジタル×1。Ethernet端子も備えている。

 消費電力は30W。待機時消費電力は0.4W。外形寸法は440×336×105mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は7.2kg。リモコンも付属する。

大容量電源トランスを採用
内部回路
背面端子

 なお、NA8005の発表に合わせ、マランツブランドのネットワークオーディオプレーヤーとUSB DAC製品を紹介するスペシャルサイト「The Future of Hi-Fi ~ Marantz High-Resolution audio Special Site」も公開される。

(山崎健太郎)