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JVC、6N OFCケーブルや音響用ハンダで音質高めたウッドイヤフォン最上位「HA-FX1100」

 JVCケンウッドは、JVCブランドのウッドドームユニット搭載イヤフォンの新機種として、「HA-FX1100」を12月上旬に発売する。価格はオープンプライス、店頭予想価格は53,000円前後。

HA-FX1100

 JVCでは、木を振動板に使ったカナル型イヤフォンとして、2月から「HA-FX850」(実売39,900円前後)「HA-FX750」(同29,400円前後)、「HA-FX650」(同19,950円前後)を発売している。「HA-FX1100」は、その技術を継承しながら、6N OFCケーブルや、信号の伝送経路に音響用ハンダを採用するなど、細かな音質チューニングを行ない、さらに高音質化したというウッドシリーズ最上位モデル。

 具体的には、6Nの高純度無酸素銅(OFC)の編組ケーブルを新たに採用。「より臨場感あふれる、滑らかな響きを実現した」という。タッチノイズも低減。また、入力プラグからユニットまでの信号伝送経路に、音響特性に優れる音響用ハンダを使っている。

 ケーブルは着脱式で、MMCX端子を採用。入力プラグはL型で、微細な振動を抑制するというアルミスリーブ・アルミエンドを装着している。

 その他の特徴は、既発売モデルとほぼ同じ。振動板には、木を独自の薄膜加工技術によりドーム型にしたウッドドーム振動板を採用。口径は11mm。木は伝搬速度が高く、適度な内部損失を持ち、自然な音の響きも備えているため、JVCでは振動板に理想的な素材としている。出力音圧レベルは106dB/1mW、再生周波数帯域は6Hz~45kHzでハイレゾ対応。インピーダンスは16Ω。

 振動板の前面には、リング状に加工した新開発のウッドディフューザーを配置。音を拡散させ、滑らかで自然な広がりを実現。振動板の背後にはウッドプレートを配置。振動板から後方に放射される音をウッドプレートで吸収・拡散し、反射音を調整している。

 比重の大きい真鍮製のブラスリングと、ウッドダンパーでユニットを押さえることで、振動ロスを広帯域で低減。ユニット前面にもブラスリングを配置して、さらに制動性を高めている。JVCではこの機構を「アコースティックデュアルハイブリッドダンパー」と名づけている。

HA-FX1100の内部構造
オーディオ・ホームシアター展 2014(音展)で参考展示されたもの

 さらに、ハウジング後部のブラスリングに伝わる不要な振動を吸収するため、ウッドリングアブソーバーも配置。ハウジングも木製で、「自然な音の広がりや余韻を臨場感豊かに再生する」という。表面は黒木目仕上げ。

 イヤーピースは、内壁にゴルフボールの表面のようなディンプルを設けた「スパイラルドットイヤーピース」で、イヤーピース内の反射音を拡散させ、音のにごりを抑制している。サイズはS、MS、M、ML、Lを同梱。低反発イヤーピースもS/Mサイズを同梱。キャリングケースなども付属する。

 なお、「スパイラルドットイヤーピース」は単品販売もされているが、12月上旬には新サイズのMS(EP-FX9MS-B)、ML(EP-FX9ML-B)が追加販売される。各サイズ6個入りで、価格はオープンプライス、店頭予想価格は各1,400円前後。スパイラルドットイヤーピースは、JVCのシリコンイヤーピース付属イヤフォンで利用できるが、HA-FXD、HA-FRD、HA-FXCシリーズと、ボイスレシーバ(EH-A800/A550)には非対応。

MSサイズ(EP-FX9MS-B)
MLサイズ(EP-FX9ML-B)

(山崎健太郎)