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マクラーレンと「サーキットに適したデジタルコックピット」を開発するJVCケンウッド
(2016/1/11 09:30)
JVCケンウッドは、「CES 2016」において同社の“デジタルコックピットシステム”を搭載した英マクラーレン・オートモーティブの高級スポーツカー「McLaren 675LT」を、デモカーとして展示している。
JVCケンウッドは'91年にマクラーレンとのオフィシャルサプライヤー契約を結び、24年間で400レース以上に渡って、マクラーレンF1チームへ無線システムを供給するなど、パートナーシップ関係を継続している。
'15年1月のCESや同9月のIFAでは、「McLaren 650S Spider」(650S)に、デジタルコックピットシステムのコンセプトモデルを搭載したデモカーを出展していたが、今回は全世界500台限定生産で、日本での価格は4,353万4,000円の「McLaren 675LT」をベースに使用。
“サーキット走行に適した車を開発する”という目的にあたり、「前方視界を広く取ること」と、「視線移動を極力減らすこと」をコンセプトとしており、視界を広げるためにはメーターを無くしてヘッドアップディスプレイ(HUD)に情報を表示することでダッシュボードを限りなく下げ、フラットな形状を実現。
また、視線移動を減らすために、ヘッドアップディスプレイ(HUD)に情報を集約。さらに、側方と後方の状況を車載カメラを通して確認できるよう、3つのカメラの映像をつなぎ合わせてルームミラーに表示。「ドライバーはフロントガラスのエリアを見れば、下や横を見なくても全ての情報が取れる」という。なお、これまでもデモカーを作ってきたが、今回はデジタルコックピットシステムを搭載しつつ、初めて実際に走ることもできる車でもあるという。
また、HUDの映像表示方法は固定するのではなく、メインのディスプレイとして、グラフィカルなレイアウトを追求。出発時には車両の情報を、走行中には必要な情報に絞るといった、モード変更なども可能となっている。
HUDは解像度240×480ドットのTFT液晶を使用し、画面は2.8m先に10.4型相当で表示するイメージ。輝度は1万cd/m2で、昼間までもカバーする明るさとのことだが、雪の場合なども考えてマクラーレンから、もう少し高めたいとの意見もあり、検討中だという。
今年のCESでは、「自動運転」が一つのキーワードとなっているが、今回の展示コンセプトとは異なり、目標である「サーキット走行に適した車」は、ドライバーが効率的に動作して運転そのものに集中しやすくするといったメリットが得られる。停車中は走行中に比べて多くの情報量を出すといったことも検討していくという。
ケンウッドブランドのカーAV関連では、米国市場にも初めてハイレゾ再生対応カーナビ/オーディオを投入。また、高解像度なダッシュボードカメラ(ドライブレコーダ)「DRV-410」も提案。解像度はワイドな2,304×1,296ドット。
JVCビデオカメラの「4K CAM」関連では、既存の技術を活かしつつ、新たな利用方法を提案している。「SPORTS ANALYSIS」は、投球やスイングなどのフォームを4方向からカメラで同時にとらえて後からチェックできるというもの。
「SPORTS PRODUCTION」は、試合の撮影時にカメラマンがスコアの記録も同時に行なえ、スコアボード表示も含めた一つの映像として作成可能にするもの。操作はカメラとWi-Fiでつながったタブレット上で行ない、スコアボードのデザインなどもJVCケンウッドがカスタマイズに対応可能としている。大学スポーツなどの試合もコンテンツとして人気が高い、アメリカならではのニーズともい言える。
「CINEMA 4K」は、スーパー35mm 4K CMOSセンサー搭載の「GY-LS300」を紹介。マイクロフォーサーズマウントにより様々なレンズと組み合わせて、4Kの高画質な映像を記録できる点などをアピールしている。