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AK新製品やゼンハイザー「HE-1」、金曜日開幕「春のヘッドフォン祭」みどころ

 東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「春のヘッドフォン祭 2016」が、4月29日(金)と30日(土)の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催される。入場は無料。

 各社がこのイベントに合わせて新製品を発表しており、会場ではそれらが体験できる。また、イベントでの新製品発表も予定されている。ここではそうした新製品情報の中から、特に注目のものをピックアップする。

アユート/Astell&Kern

 Astell&Kernの新製品発表会が、29日の11時30分から6Fチャペルで開催される。どのような製品が登場するかは不明だが、「世界に先駆けてAstell&Kernのニューカマーを体験できる」場になるという。発表会内では、ギタリスト・わたなべゆう氏のスペシャルライブも予定されている。

 また、ポータブルオーディオプレーヤー「AK100II けいおん! エディション」も参考出展。発売前のけいおん! ハイレゾ音源「GO! GO! MANIAC」と「Don't say "Lazy"」の2曲が試聴できる。

AK100II けいおん! エディション

 AK380やAK Jrなどのプレーヤーも展示。JH AUDIOとiriverがコラボレーションしたイヤフォンの新製品として、4月2日に発売された「Layla II」、「Roxanne II」、「Angie II」の3モデルにも注目だ。

 さらに、Mojo、HugoなどのCHORD製品も紹介。参考展示品としてMASTER & DYNAMICの「MW60」、「MH30 SILVER/WHITE」、「DITA Brass」、BURSON AUDIOの「CONDUCTOR V2+」などの未発売製品も出展予定。

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MrSpeakers

 29日の13時15分~14時15分、6Fチャペルにて「MrSpeakers製品説明会」が開催される。MrSpeakersと言えば、開放型の「ETHER」(MRS-ET-C013-1)、密閉型の「ETHER C」(MRS-EC-C013-1)という2機種のハイエンドヘッドフォンを販売中。

 いずれも平面の振動板にボイスコイルをエッジングする平面駆動型の振動板だが、V-Planar振動板と呼ばれる、アコーディオンのヒダヒダ部分のように折りたたまれている特殊な形状の振動板を採用しているのが特徴だ。説明会では、そんなMrSpeakersが開発中の新技術を日本のユーザーにいち早く案内するという。

開放型の「ETHER」(MRS-ET-C013-1)

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Nine wave

 カナル型が席巻しているイヤフォン市場において、インナーイヤー型にこだわり続け、独自の立ち位置を確立しているのがNine wave。そんな同社の新製品発表会が、29日15時30分~16時30分まで、6Fチャペルにて開催予定。新たなフラッグシップモデルになるという。

 さらに、「大人気アニメ」とのコラボモデルも用意するとアナウンスされている。イヤフォンファンだけでなく、アニメファンも要注目だ。

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Questyle

 finalブランドの国内販売部門を担当しているJが、1月から発売しているのがQuestyle Audio Technologyのポータブルハイレゾプレーヤー「QP1R」だ。独自の「カレントモードアンプ技術」を用いて、ポータブルながら純A級動作のフルディスクリートアンプを搭載しているのが特徴だ。

ポータブルハイレゾプレーヤー「QP1R」

 そんなQuestyleについて深く知る事ができる新製品発表会が、29日16時~17時まで7F研修室7番で開催される。

 独自のアンプ技術の開発経緯、今後日本市場に投入予定のポータブルプレーヤーではどのようなラインナップを開発しているのか、日本国内で新たに取り扱うことになった据え置き型製品について、Questyleの営業トップ・スティーブ氏が語るという。

 国内で取り扱いを予定している新製品は、据え置き型ヘッドフォンアンプ「CMA800R Gold Edition/Silver Edition」、コンデンサ型ヘッドフォン用プリアンプ「CMA800P Gold Edition/Silver Edition」。据え置き型DAC「CAS192D Gold Edition/Silver Edition」。据え置き型DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「CMA800i」「CMA600i」。

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Flat4-玄Ti Plus、Flat4-緋Ti Plus

 音茶楽は、既発売のイヤフォン「Flat4-玄弐型」や「Flat4-緋弐型」の上位モデルとして、「Flat4-玄Ti Plus(KURO Ti Plus)」と「Flat4-緋Ti Plus(AKA Ti Plus)」の2モデルを5月27日から発売予定。それに先駆け、ヘッドフォン祭にて、試聴展示と少量先行販売が予定されている。

 ダイナミック型のイヤフォンで、従来から採用している「位相補正チューブ」技術などを採り入れつつ、新たにセンターキャビネット部に、削り出しの純チタン材を採用(下位モデルはアルミ)。キャビネットの内側は天然素材による制振処理を施し、固有振動を抑えて付帯音の少ない、ヌケの良い音を実現したとする

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KORG

 「Nutube(ニューチューブ)」を使った、オーディオ用ハイブリッド・パワーアンプの試作機を展示する。Nutubeは、ノリタケカンパニーリミテドとコルグが共同で開発した新しい真空管。

Nutube
DAC/ADCの「DS-DAC-10R」も出展

 真空管特有の豊かな音を持ちながら、省電力化や小型化を実現。連続期待寿命3万時間の「高信頼性、長寿命」、基板への直接取り付け可能という「取り付け治具不要」などの特徴もある。その具体的な製品の姿が、イベントで見られるというわけだ。

 さらに、Nutube搭載ヘッドフォン・プリアンプ試作機も展示予定。30日の13時30分からは、会場内フォレストにて、開発者によるNutubeプレゼンテーションも実施する。

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YAMAHA

 14階のヤマハブースでは、同社のヘッドフォン紹介に加え、ヤマハらしい展示として、モトGP 2016年のロレンソ選手モデルのバイクも用意。レースクイーンも参加し、「レースクイーンとヘッドフォンとYAMAHAロゴ」を1枚の写真におさめて、TwitterもしくはInstagramでハッシュタグ「#hpfes_yamaha」をつけて投稿すると、その場でヤマハのノベルティと、抽選で1人にヘッドホン「HPH-PRO500」が当たる企画が実施される。

ULTRASONE

 タイムロードブースの目玉は、独ULTRASONEのヘッドフォン「Tribute 7」だ。名機「Edition 7」を現在の技術で復刻したモデルで、発売日は5月14日。価格はオープンプライス、店頭予想価格は38万円前後(税込)。世界で777台の限定モデルとなる。

Tribute 7

 2004年に999台限定で発売された、ULTRASONEの伝説的なヘッドフォン「Edition 7」が、ULTRASONE 25周年の記念として復刻。「Edition 7」を、ただ単にデザインを含めて再現するのではなく、現在のマテリアルや技術を用いての復刻となる事から、モデル名は「Tribute 7」となった。“新しい伝説の音”を会場で試聴できるチャンスだ。

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ゼンハイザー

 ゼンハイザーの目玉は、2016年中発売予定の真空管搭載コンデンサ型ヘッドフォンシステム「HE-1」だ。同社が1991年に発売したハイエンドヘッドフォン「Orpheus」の後継モデルとなり、コンデンサ型のヘッドフォン「HE 1060」とヘッドフォンアンプの「HEV 1060」で構成される。価格は600万円以上ともいわれる、まさにハイエンドモンスターヘッドフォンだ。

ゼンハイザー「HE-1」

 ヘッドフォン祭では、日本初となる一般顧客向け試聴会を開催。ただし、事前応募の完全予約制で、既に申し込みは終了している。

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カナルワークス

 カナルワークスでは、4月29日に受注を開始するカスタムイヤフォンの新モデルを紹介する。

CW-L52

 3ウェイ6ドライバ3モデル、3ウェイ5ドライバ2モデル。新たなリファレンスモデル「CW-L52」と「CW-L52PSTS」は、「今まで以上にニュートラルでワイドレンジに仕上げた。音の粒立ちが良く、見通しの良い音像がコンテンツ制作者の意図を余すことなく伝える」というモデル。

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Westone

 テックウインドのブースでは、Westoneが米国NAMMショーで発表した、世界初のアンビエント型(開放型)ユニバーサルイヤフォン「AM Proシリーズ」を出展する。

AM Proシリーズ

 従来のステージ用のカスタムイヤフォンは、外部音をなるべく遮断して、クリアな音をミュージシャンに届けるのが目的だ。しかし、観客の反応など、「外部の音を感じながらパフォーマンスを届けたい」というリクエストもあったという。

 AM Proシリーズは、独自に開発された「SLED」テクノロジー、「TRUフィルター」を使い、不要な外部周波数はカットしながら、外部の音を取り込み、クリアな音を実現。「従来のアンビエント型モニターとはまったく異なる」という。

 ラインナップは「AM Pro30」(3ドライバ)、「AM Pro20」(2ドライバ)、「AM Pro10」(1ドライバ)の3モデル。シェルはコンパクトで軽量。付属の純正ケーブルは経年による硬化が少ない柔軟な編み込みタイプとなっている。

・Westone「春のヘッドフォン祭 2016」出展のお知らせ
http://www.tekwind.co.jp/information/WST/entry_490.php

iFi Audio

レベッカのNOKKOさんと、ミックス・エンジニアのGOH HOTODA氏

 トップウイング・グループは6Fウィンドルームに取扱いブランドのためのブースを設置。さらに、15Fリーフルームの音元出版・季刊アナログ編集部ブースをサポートし、iFi Audioの新型フォノイコライザなどの新製品発表会を開催する。

 スケジュールは、29日11時30分~12時30分。iPhono2、Pro iCANなどの新製品を、iFi Audioの主任エンジニアのトルステン・レッシュ博士と、マーケティング・マネージャーのヴィンセント・ルーク氏が解説予定。

 また、レベッカのNOKKOさんと、ミックス・エンジニアのGOH HOTODA氏の夫妻を、アナログ編集部と共同で招聘。「なぜいまアナログレコード?」と題したトークショウをリーフルームで実施する。

 イベントでは、レベッカ20年ぶりの再結成ツアーの模様を収めたアナログレコード、NOKKOさんによるレベッカ楽曲のセルフカバーアルバム「NOKKO sings REBECCA tunes 2015」のアナログ版を、フォノイコライザのiPhono2、プリアンプ兼ヘッドフォンアンプのpro iCAN、M2TECHのJoplin MKII(フォノADC)を用いて試聴も行なう。

サトレックス

 “日本製でハイレゾ対応”を特徴として掲げるサトレックスは、ホシデンの子会社だ。ヘッドフォンのOEMなどを手がけていたが、自社ブランド「SATOLEX」を復活させ、精力的に新製品を開発している。

 4月29日に発売する、ハイレゾ対応のカナル型イヤフォン「Tubomi」シリーズ2機種を会場で展示。価格はブラックカラーで樹脂製の「DH298-A1」が3,700円、アルミハウジングでシルバーカラーの「DH299-A1」が9,200円。どちらも9mm径のダイナミック型ユニットを搭載。再生周波数帯域20Hz~45kHzで、ハイレゾ再生に対応しつつ、リーズナブルな価格を実現している。

アルミハウジングでシルバーの「DH299-A1」

 また、「DH291-A1 Hi-Res HEADPHONE」に、新色Camelliaを追加される。密閉型のヘッドフォンで、ドライバは40mm径。ネオジウムマグネットを磁気回路に使っており、高出力音圧・高レスポンスを実現している。

DH291-A1の新色Camellia

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・サトレックス、3,700円からのハイレゾイヤフォン「Tubomi」シリーズ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20160413_752264.html

zionote

 zionoteは、これまで医療機器、セキュリティ機器などを主に開発してきた電子光学博士が中心となる韓国メーカー、Waversa Systems(ウェイバーサシステムズ)と提携。そのオーディオ機器を展示する。

 ハイエンドDAC「WDAC3」や、様々なヘッドフォン/イヤフォンの特性に自動的にマッチングした駆動を行なうというポータブルアンプ「WMP-D2」など、多数の製品を紹介する予定だ。

ポータブルアンプ「WMP-D2」

・Waversa Systems
http://waversasystems.com/

(山崎健太郎)