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東芝、3月期の決算は4,832億円の赤字。TVやPCの構造改革で大幅減収
(2016/5/12 19:20)
東芝は12日、2016年3月期の連結業績を発表。テレビやパソコンなどのライフスタイル部門が、構造改革に伴う販売地域の絞り込みなどにより大幅に減収したことなどで、売上高は前年同期から4,446億円マイナスとなる5兆6,701億円となった。営業利益は電力・社会インフラ部門の減損などが響いて大幅に悪化。同9,075億円マイナスで、7,191億円の赤字。純損益も同4,454億円マイナスで、4,832億円の赤字となった。
既報の通り、東芝は財務体質強化のために、ヘルスケア事業の東芝メディカルシステムズを売却。映像事業と家庭電器事業においては、液晶テレビなどの映像事業は東芝グループに移管し、家庭電器事業(白物家電)を残した東芝ライフスタイルの株式の過半を、中国 美的集団に譲渡する事を決定している。
この結果、売上高は電力・社会インフラ部門、コミュニティ・ソリューション部門が増収になったものの、ライフスタイル部門が構造改革に伴う販売地域の絞り込みなどにより大幅な減収となった。
ライフスタイル部門全体の売上高は、前期比で3,803億円の減少となる6,109億円。テレビなどの映像事業、パソコン事業が悪化し、営業損益は前期比659億円の悪化となる1,318億円の赤字となった。
テレビ事業の売上高は745億円で、前年度の1,917億円から1,172億円のマイナス。海外での自社開発・販売の収束と、ブランド供与への移行により、大幅な減少となっている。
電子デバイス部門もディスクリート、システムLSI、ストレージが大幅に悪化。メモリも減益となった。売上高は前期比1,638億円のマイナスとなる1兆6,050億円、営業損益は1,017億円のマイナスとなった。
全体の営業損益は、電力・社会インフラ部門が原子力発電システム、および送変電・配電システムの減損などが影響。コミュニティ・ソリューション部門も流通・事務用機器事業や照明事業の減損なども響き、7,191億円の赤字となった。
継続事業税引き前損益は、前期比7,989億円マイナスの、6,423億円の赤字。純損益は、繰延税金資産取崩の影響がある一方、前述の東芝メディカルシステムズの売却益計上の影響で、前期比4,454億円マイナスの、4,832億円の赤字となった。
多額の営業損失、当期純損失を計上し、連結純資産が減少した事を受け、「新生東芝アクションプラン」を引き続き実施。パソコン、テレビなどの映像、家電、ディスクリート、システムLSIなどの課題事業において構造改革を行なうと共に、強化事業領域を再定義し、今後はエネルギー事業、社会インフラ事業、メモリ・SSDを中心としたストレージ事業に注力していくという。
2016年度の業績見通しは、売上高5兆1,000億円、営業利益1,200億円、純利益1,000億円を見込んでいる。