レビュー

タブレットのテレビ化を簡単&安価に「AVerTV F225」

iPhone/録画対応のシンプルな無線TVチューナ

タブレットがテレビに

AVerTV F225

 アスクが取り扱う台湾AVerMediaの「AVerTV F225」は、地上/BS/110度CSデジタルチューナを内蔵したタブレット/スマートフォン用フルセグテレビチューナだ。無線LANはIEEE 802.11a/b/g/nに対応し、無線LAN経由でタブレットやiPhoneと接続、テレビの視聴ができる。さらに、USB HDDを接続すれば録画も可能で、テレビ視聴しながらネットの閲覧もできるなど、シンプルながら機能性が高い製品となっている。

 昨秋から発売開始され、価格は16,000円程度。タブレットを持っている人であれば、AVerTVを追加することで、タブレットをテレビ化できる、というのがポイントだ。専用アプリ「AverTV 8 mobile」は、iOS 6/7と、Android 4.2以降に対応する。なお、AndroidはNexus 7(2012、2013)など動作確認機種をアスクのホームページで案内している。

 タブレットのテレビ化、という点ではSCEのネットワークレコーダ「nasne」などもあるが、nasneの実売2万円強に対し、AVerTV F225は実売16,000円程度と安価になっている。一方、nasneは1TB HDDを内蔵しているが、AVerTVはHDD別売となる。

 AVerTV F225の外観はシンプルで、本体前面に電源や録画状態、LANの接続状態などを表示するLEDを備え、背面にアンテナ入力、LANコネクタ、B-CASカードスロット、録画HDD用USB端子、無線LAN周波数切り換えスイッチなどを備える。HDMIなどの出力は無く、タブレットでの利用に特化されている製品だ。本体サイズは153×92×28mm(幅×奥行き×高さ)と非常にコンパクトで、机の上に置いても気にならないだろう。縦置きのスタンドも付属するのでスペースに合わせて利用したい。

外見はシンプルで小型。机の上に置いても気にならないだろう
パッケージ
スタンドやACアダプタが付属
縦置きスタンドも付属
付属のmini B-CASカード
背面スロットにmini B-CASを装着

操作/設定はアプリから

 本機を使用するためにはまず、タブレットに専用アプリ「AVerTV 8 mobile」をインストールする必要がある。初期設定やテレビの視聴、録画はすべてこのアプリを使って行なう。iPadやiPhoneの場合は「AppStore」、Androidの場合は「GooglePlay」からそれぞれ検索してインストールしておく。今回はiPad(Retinaモデル)を中心に評価した。

 「AVerTV 8 mobile」を起動する前にタブレットをAVerTV F225本体に無線で接続する設定が必要になる。「AVerTV F225」にACアダプタを繋ぎ、iPadの「設定」から「Wi-Fi」を開き、そこに表示される「F225BXXX」(XXXは製品毎の固有番号)を選んで、「AVerTV F225」本体裏側に記載されたパスワードを入力すれば設定は完了だ。「AVerTV 8 mobile」を起動すると、初期設定画面が表示される。

「AVerTV 8 mobile」の起動画面
設定画面に従って機器を接続していく

 画面の指示に従ってB-CASカードを差し込み、USB 2.0接続のHDDやLANケーブルなどを接続し、使用端末にあった無線周波数を選ぶ。無線LANの周波数は背面のスイッチで5GHz帯と2.4GHz帯を切り換え可能だ。今回は2.4GHz帯に設定した。

 今回は録画機能を利用するのでUSB HDDも本体背面に接続した。本製品に内蔵ストレージは無いので録画機能を使うならUSB HDDは必須になる。また、HDDはここでフォーマットが行なわれるので、今まで別の用途で使っていた場合は大事なデータが入っていないか注意が必要だ。

タブレットを縦方向にすることで上半分にテレビ放送、下半分にブラウザを表示できる

 ちなみにEthernetケーブルでルータに接続しなくても、AVerTVとタブレットを無線LANで連携させてテレビ視聴が行なえるが、本製品はテレビ視聴中にタブレットを縦にすることで、画面の下半分にブラウザを表示してネットを利用することもできるのも特徴だ。ここはぜひネットが使えるように設定をしておきたい。

 この場合、手持ちのルータやハブから有線LAN(Ethernet)ケーブルを接続するのが最もシンプルな接続方法だ。無線LANルータ経由で接続する方法もあるがこの場合はタブレット側からSSIDなどの入力が必要になる。もちろん3G/LTE回線を契約していれば、そちらでネットを利用することもできる。それぞれ自分の利用スタイルに合わせて選択してほしい。

今回レビューした環境。USB 2.0 HDDに有線ネットワークを使用した

 なお、ネットワークの設定を後から変更した場合などはタブレット側のIPアドレス更新が必要になる。なぜか機器を認識しない、という場合にはiPad側の設定から「DHCPリースの更新」を押して設定を更新してみるといいかもしれない。

 次にチャンネル設定を行なう。これは一般的なテレビやレコーダなどと同様に、自分の住んでいる地域や放送波を選べば、あとは自動で受信可能なチャンネルを拾ってくれる。必要のないチャンネルなどはチェックを外せば受信しない設定にもできる。スキャンには結構時間がかかるので、気長に待とう。筆者の場合7分ほどかかった。これが終わればすぐにテレビの視聴が開始できる。チャンネル設定直後はうまく受信できないことがあったが、チャンネルを変えるかアプリを再起動することで問題無く正常に動作するようになった。

自分の住んでいる地域などを設定してチャンネルを自動設定する

シンプルな操作性。画質も十分でセカンドテレビとしての実用度は高い

 「AVerTV 8 mobile」の操作は簡単で、チャンネル切り換えは画面を左右にフリックすることで行なう。「AVerTV 8 mobile」の起動から番組表示までは10秒ほど。チャンネルの切り換え時間はおよそ5秒ほどとなっている。5秒という時間は連続してチャンネルを切り換えようとすると少しストレスを感じるかもしれない。チャンネルを頻繁に変える場合は後述の番組表や裏番組表などから直接チャンネルを選んだ方がよいだろう。

 テレビの視聴中に画面をタップすることでメニュー画面を呼び出すことができる。ここではボリュームの調整や録画のスタートボタン、視聴中の番組情報や裏番組表、EPG番組表、予約一覧、録画一覧や設定項目などを呼び出せる。音声再生にはAirPlayも利用可能だ。

テレビ視聴中にメニューを表示したところ。ここからさまざまな機能にアクセスできる
同時刻の番組を表示する「裏番組表」
こちらはEPG番組表

 裏番組表は、現在視聴している番組と同時間の番組情報をタイル状に表示してくれるもので、チャンネル切り換えなどはこちらからやった方が分かりやすい。またチャンネル番号を直接入力してチャンネルを切り換えることもできる。

 番組表は一般的なEPGを利用したもので、ここからチャンネルを切り換えたり、番組の録画予約をすることもできる。操作性はiPad Retinaで使用した限り軽快で、フリック操作をしていてストレスはなく、スルスルと動作する。ただ、番組表はタブレットにローカル保存されるのだが、これはアプリを起動していないと更新されないため、起動直後は番組表が歯抜けになっている事がある。一応、番組情報が入っていないチャンネルの視聴を開始するとそのチャンネルの番組情報を優先的に受信するため、いつまでたっても番組情報が受信されない、ということはない。

 録画に関しては、視聴中の番組を録画ボタンによってその場で録画する方法と、番組表から番組を選んで録画する方法、そして「予約一覧」から「日時指定予約」によって予約する方法の3通りがある。予約の設定項目としては「日時指定予約」が一番多機能で、毎週予約や曜日指定予約はここから行なうことになる。番組表からの予約はあくまでその番組単体での予約という考え方のようで、ここから毎週録画設定をすることはできない。その場合は「日時指定予約」をする必要がある。

 本製品はシングルチューナの製品であるため、野球中継の延長などで番組録画がずれた場合に備えて、3段階の☆マークで録画の優先順位を設定することもできる。2番組が重なった場合、より☆の数が多い番組の録画が優先されるので大事な番組には優先順位を高く設定しておきたい。

番組表から録画メニューを出したところ。繰り返し録画などの設定はここからはできない
予約一覧画面の右上にある「日時指定予約」からも録画予約ができる。録画タイトルの右側にある☆マークは優先録画の順位設定
日時指定予約の画面。ここからは毎週録画などの設定も可能
録画番組の再生メニューを表示したところ

 録画した番組の再生時はスライダーで再生位置を指定できるほか、10秒巻き戻し、15秒飛ばしなどの機能を利用できる。画質は最高720pとなっており、HG(最高画質)、HX(高画質)、HE(長時間)の3モード。録画時間は500GB HDDの場合で278時間、370時間、555時間がおよその目安となっている。

 HGとHXではともに高いクオリティで、HXでも十分に視聴に耐える印象だ。普段はHXで録画し、高画質で保存したいという場合だけHGを利用するという感じだろうか。HEとなるとさすがにブロックノイズは増え、画面が激しく切り替わるシーンなどで気になるが、個人的には十分視聴可能な範囲。ニュース番組など、視聴したらすぐに消すような番組はHEで十分と感じた。

Nexus 7(2012)でも利用可能

シンプルな操作性が特徴の無線LANチューナ

 製品自体は非常にシンプルで目的を特化しているのが好印象な製品だ。操作性も単純で分かりやすく、やりたいことはほぼ直感的にできる。

 無線LANさえ届けば家の中のどこに居てもテレビを見ることができ、録画も可能。別途BDレコーダなどを持っている場合などでもサブの録画機器として使うこともできそうだ。HDDは搭載していないものの、必要に応じて大容量のHDDも自由に選択できるのはメリットだ。家族間でのテレビのチャンネル争いを回避するためにも、「タブレットのテレビ化」を簡単に実現できるAVerTV F225は魅力的な製品といえる。

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AVerTV F225

(協力:AVerMedia)

(清宮信志)