トピック
ポタアン「HiFi-M8」で“外でもバランス駆動”
注目機で挑戦。ALOの超小型バランスアンプも
(2013/12/3 10:00)
登場当初は、アナログ入力のみのシンプルな製品が多かったポータブルヘッドフォンアンプ。しかし、DACの搭載で高機能化が進み、iPhoneからのデジタル伝送や、PCと接続してUSB DACとしても使えるモデルが増加。最近では24bit/192kHzのハイレゾデータまでの対応が当たり前になりつつある。
スペック的な差異が少なくなる中で、今後の注目機能と言えるのが“バランス駆動への対応”だ。対応するヘッドフォン/イヤフォンと組み合わせ、屋外でもバランス駆動を楽しもうというわけだ。
この動きには、ケーブル交換が可能なイヤフォン/ヘッドフォンが増加しているトレンドも関連している。以前は改造が必要だったが、現在使っているヘッドフォンのケーブルが“両出し”タイプで、着脱できさえすれば、バランス駆動用のケーブルを別途購入するだけで、改造不要で誰でも利用できるようになっている。
そこで、屋外でのバランス駆動を可能にするポータブルアンプや、PCオーディオでバランス駆動が手軽にできる製品など、バランス駆動関連の注目新モデルを体験する。
バランス駆動とは何か、必要なものは?
まずは“バランス駆動とは何か”を簡単に振り返ってみよう。ヘッドフォンの左右ハウジング内にはユニットが入っているが、通常のヘッドフォン(アンバランスタイプ)の場合は、ユニットの片側にアンプ(正相)、もう片方にグランド/アースが接続されている。
ざっくり言えば、このグランド側にもアンプ(逆相)を接続して、“1つのユニットを2つのアンプでドライブしよう”というのがバランス駆動の基本的な考え方だ。スピーカーのドライブ方法の1つで、ステレオアンプを2台、ブリッジ接続して1つのモノラルアンプとして使う「BTL接続(ブリッジ接続)」というのがあるが、あのヘッドフォンバージョンのようなものだ。
先程も記載したが、バランス駆動に必要なものをまとめると、以下の3つとなる。
- 両出しでケーブル交換ができるヘッドフォン/イヤフォン
- バランス接続用ケーブル
- バランス駆動対応アンプ
注意が必要なのは「バランス接続用ケーブル」の種類だ。ケーブル着脱が可能なヘッドフォンには、最近採用モデルが増加しているMMCX端子だけでなく、独自の端子を使っているモデルもある。そのため、現在使っているヘッドフォンの端子で、サードパーティ製のバランス接続用ケーブルがあるかを事前にチェックする必要がある。とは言え、人気メーカーのヘッドフォンであれば、たいがいバランス駆動用の交換ケーブルは存在する。
アンプと接続する入力端子にも注意が必要だ。据え置き型のバランス対応ヘッドフォンアンプでは、XLR端子(キャノン端子)が採用されている事が多い。だが、巨大な端子を屋外で使うのはかさばるので、ポータブル向けには四角い4ピンのバランス端子を採用した製品が多い。ラトックの「REX-KEB01」シリーズのように、2.5mmのモノラルミニミニ×2端子の製品もある。このように、組み合わせるアンプとヘッドフォンにどんな端子が使われているかを調べた上で、バランス接続用ケーブルを選びたい。
価格的にも身近になりつつあるポータブル・バランス駆動
ポータブル用のバランス駆動アンプは高級モデルが多いが、その中で注目モデルが、ミックスウェーブが扱うCEntrance(セントランス)というブランドの、「HiFi-M8」(ハイファイメイト)だ。11月22日から発売されており、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は各78,000円前後だ。
DACを内蔵し、iOS/Android/PC接続対応で、24bit/192kHzまでサポート。4ピンのバランス出力、ステレオミニ/標準プラグのアンバランス出力、どちらも備えている。
ポータブルアンプの中で低価格というわけではないが、10万円を超えるモデルもあるバランス駆動アンプの中ではリーズナブルだ。ちなみに、先日レビューしたソニーの新アンプ「PHA-2」の実売が55,000円前後であるため、2万円ほどプラスすれば、バランス駆動も楽しめる事になる。バランス駆動を身近にしてくれるモデルと言えそうだ。
他にも4ピンのバランス出力を備えた新しいアンプとしては、Cypher Labsの「Theorem 720 DAC」が9月から発売されている。こちらもiOS/Android/PC接続対応で、24bit/192kHzまでサポート。DACはAKM(旭化成マイクロシステム)のAK4396を採用した。価格はオープンで、実売は12万円前後。
ポータブル・バランスアンプのハイエンドとして代表格な製品と言えば、ALO audioの最上位モデル「Rx Mk3-B+」(オープン/実売96,000円前後)だろう。DACは内蔵していない純粋なアンプで、ほぼ同じサイズのCypher Labs製ポータブルDAC「AlgoRhythm Solo -dB」(オープン/実売8万円前後)などと組み合わせる。もちろんアンプとDACの間もバランス接続だ。ポータブルながら、セパレート構成のフルバランス環境が構築できる非常にリッチな組み合わせ。サウンドも実際に聴いてみると素晴らしい。合計で18万円近くになり、気軽に揃えるのは難しいが、“ポータブルでもここまで追求できる”という1つの究極形として面白い製品だ。
この中では最も低価格な「HiFi-M8」を聴いてみる。
バランス/アンバランスで音はどのように変わるのか
バランス駆動だからと言って、何か特別な事があるわけではなく、使い方は簡単だ。まずはソースとなるプレーヤーとデジタル接続。今回はiPhone 4Sを用意し、ALO audioの30ピン-USBケーブルで接続した。
なお、iOS用USB入力の代わりに、光デジタル入力を装備し、Astell&Kernの「AK100/120」などと接続できる「HiFi-M8 LX」というバリエーションモデルも用意されている。
出力端子は、4ピンのバランス出力に加え、標準プラグのアンバランス出力、さらにステレオミニのアンバランス出力も装備。ステレオミニの出力は光デジタル出力も兼ねている。アンバランス出力もできるため、まだバランス駆動用ケーブルを持っていないという人でも利用できる。“将来的にバランス駆動にチャレンジしたいから、とりあえずバランス対応アンプを選んでおく”というのもアリだろう。
なお、4ピンのバランス出力などを備えたこのモデルは「HiFi-M8 RSA」というモデル名だが、出力端子をXLR 3ピンと標準ステレオ端子のコンボジャック×2にした「HiFi-M8 CMB」も用意。接続する機器に合わせて選べるようになっている。
モデル名 | HiFi-M8 RSA | HiFi-M8 CMB | HiFi-M8 LX RSA | HiFi-M8 LX CMB |
入力端子 | ・iOS機器用USB A端子 ・PC/アンドロイド用 USB B端子 | ・光デジタル入力 ・PC/アンドロイド用 USB B端子 | ||
出力端子 | ・4ピンバランス ・ステレオミニ/ 光デジタル兼用 ・標準ステレオ | ・XLR 3ピン×2 ・標準ステレオ×2 | ・4ピンバランス ・ステレオミニ/ 光デジタル兼用 ・標準ステレオ | ・XLR 3ピン×2 ・標準ステレオ×2 |
筐体の外形寸法は127×82×33mm(縦×横×厚さ)。重量は約325g。ポタアンとしては大柄なので、スマホやプレーヤーと重ねて手に持って使うのではなく、ポーチなどにセットで収納して、バッグなどに入れる使い方になるだろう。シャーシにはアルマイト処理を施したアルミを使っており、質感は高い。アンプはクラスAで、最大出力は1.4W。16~600Ωのイヤフォン/ヘッドフォンに対応。リチウムポリマーバッテリを搭載し、6.5時間の連続再生ができる。
イヤフォンはBAの定番とも言える、Shure「SE535」を用意。MMCX端子を採用しているので、豊富なケーブルが選べる。今回はBeat Audioの「Supernova」というケーブルを用した。イヤフォン側はMMCX、入力プラグは4ピンのバランス端子だ。
まず、バランス/アンバランスでどのように音が変化するのか気になるところ。「Supernova」にはアンバランス-MMCXケーブルもあるので、これを使って聴き比べをしてみた。
アンバランス接続で 「藤田恵美/camomile Best Audio」の「Best OF My Love」再生。iPhone 4Sから直接聴くのとは、文字通り次元の違う音質だ。音場が広くなり、SNが向上。ヴォーカルの声の響きが遠くまで広がる様子が見通せる。高域の描写が丁寧で、音がカサつかない。低域はパワフルさを前面に出すタイプではなく、節度を守りつつも、量感と沈み込みはキッチリと深い。ハイレゾ楽曲の豊富な情報量をじっくり楽しむのにマッチしそうな、非常に正統派なサウンドだ。
アンバランスの音でも十分満足できるが、バランスケーブルに交換すると、そこからさらに世界が広がる。音場が広大になるだけでなく、上下のレンジも拡大。深呼吸したように高域の抜けが良くなり、低域も若干パワフルになる。音楽に迫力と勢いが出て来た。
特筆すべきは、低域がパワフルになったと言っても、モコモコと不明瞭に膨らむのではなく、タイトな締まりを維持したまま、沈み込みがより深く、芯のある低音になる事だ。不明瞭になって情報量が落ちる事が無く、ズシンと低域に“重さ”がプラスされるので心地いい。
イヤフォンでも顕著な違いがあるが、ヘッドフォンではその差がより明確になる。AUDEZEの開放型で平面磁界・全面駆動のヘッドホン「LCD-3」と、ALO audioのバランス/アンバランスケーブルを用意。スキマスイッチの「Hello Especially」(アニメ銀の匙のエンディング)や、いとうかなこの「スカイクラッドの観測者」(STEINS;GATEテーマソング)を再生してみた。
低域の再生能力が高いヘッドフォンでは、まず最初にベースやドラムが刻むリズムにおいて、深さとキレに違いが出てくる。アンバランスでは「トストス」と、低音が柔らかく感じるが、バランスでは「ドスドス」と深く刻み込まれる。ベースラインもクッキリと浮かび上がり、音の数が多いサビの部分でも、ベースラインが高域に隠れずに聴き取れる。
言葉で違いを説明する以前に、バランス駆動で聴いていると、リズムに合わせて無意識に首が前後に動き、体を左右に揺すってしまう。低域だけでなく、中域の張り出しも強くなるため、ヴォーカルにもグッと熱が入り、“自分の近くで歌ってくれている感”がアップする。アンバランスに戻すと、世界が狭くなり、上下のレンジも狭く感じる。自由かつアグレッシブに踊っていた音楽が、箱の中に入れられ、大人しくなったようだ。
面白いのは、バランス駆動では1つ1つの音圧が強くなるにも関わらず、空間描写は狭くならない点。音が勢い良く「俺も俺も」と耳に押し寄せてくると、ギュウギュウに詰まった狭苦しい音になりそうなものだが、実際はそうはならない。フワッと広がる音場に、楽器の音像が定位。それらが奏でる音がより明瞭に聴き取れるイメージだ。音はしっかり聴き取れるけれど、音像が近寄って密着はしない。耳の聴き取る力がパワーアップしたように感じる。
音楽がより楽しく、ノリノリに聴けるところが一番の魅力だ。比較中でも、アンバランス接続を聴いて、音質をメモった後、すぐにバランス接続に戻したくなってしまう。その方が音楽が楽しいからだ。バランスを一度聴いてしまうと、なかなかアンバランスには戻れない。
より高価なモデルでは、どのような音なのか。先程紹介した「Theorem 720 DAC」(実売12万円前後)のバランス出力も聴いてみた。「HiFi-M8」と比べると、特に高域の質感がやや硬めで、音の輪郭がシャープ。パーカッションのキレが良く、ヴォーカルの口の開閉など、細かな音がクリアだ。クラシックのオーケストラでも、その中のストリングスの響きや、観客席のかすかな物音にハッとさせる分解能の高さがある。
だが、「HiFi-M8」の音も負けていないと感じる。「Theorem 720 DAC」は高解像度だが少し音が硬質なのに対し、「HiFi-M8」は音色がウォームでナチュラル。特に女性ヴォーカルなど、人の声がリアルで聴いていると心地良い。好みにもよるだろうが、個人的には「HiFi-M8」の方が“旨味”が多いと感じる。
勢いで「Rx Mk3-B+」+「AlgoRhythm Solo -dB」という、合計約18万円のセパレートセットとも比較。2台を合わせたサイズが、「HiFi-M8」と同じくらいなので「実は音もあまり変わらないのでは」と高をくくっていたが、音が出た瞬間「すいませんでした」。「HiFi-M8」の良点をさらに一歩進めたような音で、純度や分解能が高く、細かな音が良く聴き取れると同時に、質感描写も豊か。低域の沈み込みも深い。情報量の多さと、音の美しさが同居しており、据え置きピュアオーディオのような余裕を感じさせる。2倍以上の価格差なので当然とは言えるが、ちょっとポータブルとは思えないサウンドだ。
HiFi-M8をPCと接続し、USB DACとしても使ってみた。iOS機器では、背面のUSB A端子を使ったが、PC/Android端末向けのUSB B端子も備えている。ここにPCからのUSBケーブルを接続、アンプ側のスイッチを切り替えるとDACとして認識してくれる。Windows 7マシンで試したが、利用には専用ドライバのインストールも必要だ。
ドライバを入れると、コントロールパネルソフトがタスクバーに常駐。HiFi-M8を接続すると、パネルにモデルの写真が登場。レイテンシの設定などができるほか、現在再生しているファイルのサンプリングレートなども表示される。
foobar2000(ASIOを使用)で24bit/192kHzや96kHzのハイレゾファイルを再生してみたが、バランスの良い音のアンプであるため、ハイレゾ音楽の情報量が聴き取りやすい。e-onkyo musicで配信されている、ランティスのハイレゾ・アニソンの中から、ラブライブ!の「僕らのLIVE 君とのLIFE」(24bit/48kHz)も聴いてみたが、コーラス部分のヴォーカルの分離も良好。高域も描写が丁寧なので、個々のキャラの声の違いがよくわかる。
なお、背面にイコライジング用のスイッチを備えており、低域と高域の調整が可能だ。こういう機能はマニアほどあまり使わないものだが、試しに低域を調整したところ、沈み込みの深さを維持したまま張り出しがグッとアップ。それでも“やり過ぎ”までは膨らまない節度をわきまえているので、迫力のある楽曲の再生には積極的に利用できそうだ。高域の調整は、やりすぎるとカリカリなサウンドになっていくので、抜けが今ひとつなイヤフォン/ヘッドフォンと組み合わせると良いだろう。
手のひらサイズで手軽にバランス駆動
今まで紹介してきたアンプやDACは、PCとのUSB接続にも対応しており、USB DACとして使うこともできる。家では大型ヘッドホンをバランス駆動し、外ではイヤフォンをバランス駆動と、バランス三昧な生活ができるというわけだ。
一方で、バランス駆動に対応したUSB DAC兼アンプながら、バッテリを搭載せず、PCとの接続に特化する事で、サイズと価格を抑えたユニークな製品も登場した。ALO audioの「The Island」(オープンプライス/実売45,000円前後)だ。
USBバスパワーで動作するUSB DAC兼アンプで、ステレオミニのヘッドフォン出力に加え、4ピンのバランス出力も装備している。最大の特徴はその小ささで、外形寸法82×31×31mm(縦×横×厚さ)、重量113gと、手のひらサイズ。カラーバリエーションがブラック、シルバー、ゴールド、ブルーと豊富なのも、USB DAC兼アンプとしては珍しいポイントだ。
デザイン面の特徴は、小さな筐体に似合わない大型のボリュームコントロールを天面に備えている事。小型のUSB DACでは、ボリューム操作をPCのOS側で行なうものもあるが、マウスでボリュームバーを操作するより、やはり手を伸ばしてつまみを回すだけの直感操作は格段に使いやすい。
可愛い見た目だが中身はハイスペックで、DACチップには24bit/192kHz対応のCirrus Logic製「CS4398」を採用。背面には3段階のゲイン切り替えスイッチも備えている。今回はWindows 7のノートPCとUSB接続し、付属の専用ドライバをインストールして準備完了。後はfoobar2000などを使い、ハイレゾファイルも楽しめる。
AUDEZEのヘッドフォン「LCD-3」とバランス接続して聴いてみると、こんな手のひらサイズの、しかもバスパワーのアンプで駆動しているとは思えないほど押し出しの強いサウンドに驚かされる。バランスのとれた再生音だが、ヴォーカルの中低域がグッと前に迫ってくるパワフルさも味わわせてくれる。この小さなアンプでも、バランス駆動の醍醐味みたいなものが体験できるのが面白い。バッテリは内蔵していないが、USBバスパワー駆動なので、例えば喫茶店などにノートPCと一緒に持ち込み、イヤフォンをリッチに駆動しながら作業するなんていうのも優雅だ。
先ほどの「HiFi-M8」と音質を比べると、さすがに低域の沈み込みや量感は「The Island」の方が控えめだ。バスパワー駆動なので仕方のない部分だろう。そこで、ヘッドフォンではなく、イヤフォン(SE535)のバランス駆動に変えてみると、低域のパワー面での違いは、ヘッドフォンの時よりも気にならなくなる。The Islandは、イヤフォンや能率の高いヘッドフォンと組み合わせ、バランス駆動の良さを気軽に味わうという使い方が最もマッチしそうだ。
まとめ
バランス駆動と聞くと、凄くマニアックな印象を受けるが、対応アンプとケーブルさえ揃えてしまえば、これまでのポータブルアンプを使ったシステムと何かが大きく異なるわけではなく、使い勝手の面で面倒が増える事もない。今回取り上げたモデルのように、価格を抑えた製品も登場しており、試してみる際のハードルはかなり下がったと言えるだろう。
とはいえ、誰も彼もが挑戦するような“一般的なもの”にバランス駆動がなるわけではないだろう。しかし、そもそもプレーヤーとイヤフォン/ヘッドフォンの他に、わざわざポータブルアンプを持ち歩こうという人は、その時点で、“利便性が低下しても、高音質を追求したいという”という音質に対する熱意が強いはずだ。一番の肝となる音質面で新たな世界を体験させてくれるバランス駆動が、ポータブルアンプの今後のトレンドの1つとしてより注目されるのは自然な流れとも言えるだろう。もちろん、室内でのヘッドフォン駆動でも同様だ。
そういった意味で、バランス駆動やハイレゾ対応USB DAC機能などのトレンドを盛り込みつつ、8万円を切る価格で登場した「HiFi-M8」や、“バランス対応アンプは巨大なのが当たり前”というイメージを覆す「The Island」のようなモデルは、“バランス駆動の今後”を占うようなモデルと言えそうだ。
(協力:ミックスウェーブ)