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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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日立マクセル株式会社は、録画用4倍速DVD-R「DR120」などの発売に合わせ、マスコミ向けのDVDセミナーを開催した。 このセミナーは、同日に発売した新製品の紹介と、オプトロニクス産業の調査企業、ふじわらロスチャイルドの藤原卓利社長による講演が主な内容。 25日に発売したのは、録画用のDVD-R「DR120」、DVD-RW「DRM120」、DVD-RAMメディア「DRW120」と、データ用DVD-R「DR47B」、DVD-RW「DRW47B」。価格はすべてオープンプライス。DVD-R/RWは高速記録に対応している。加えて、19日に株式会社日立製作所により発表された8cmDVD-RAM「DRMH60」、8cmDVD-R「DRH30」も紹介された。
■ マクセルのDVDコアテクノロジ 最初に登壇した記録メディア事業グループアドバンスドディスク事業部長の亀田敬氏は、「第2世代の情報化社会に突入するが、それをメディアで支えるのがDVD。信頼性を確保するためコア技術を投入し、当社の掲げるポリシー、CS(Customer Satisfaction)に即した製品となった」と挨拶した。 次に、記録メディア事業部AD開発設計部の渡辺均部長が、「マクセルDVDコアテクノロジー」と題したプレゼンテーションを行なった。 まず、新製品についてはパッケージを一新し、録画用とデータ用の区別をはっきりさせたという。録画用はワイド画面を意識した意匠とし、データ用は、DVD+R/RWならプラス記号を、DVD-R/RWならマイナス記号をモチーフにしたデザインを採用。識別性に気を使ったという。また、データ用には5mm厚の薄型Pケースを採用し、録画用との差別化を図ったという。
記録品質については、'84年に開発した世界初の追記型光ディスク(直径30cm、両面2.6GB)以来、同社が光ディスク分野の開発で最先端に位置すると強調。その理由を、同社が開発した「精密スタンパ技術」、「精密成型技術」、「高密度記録膜技術」にあると解説した。 DVD-Rの製造プロセスを順に挙げると、スタンパ、基板成型、色素塗布、Agスパッタ、保護膜塗布、張り合わせ、レーベル印刷、検査・仕上げとなる。このうち、基礎工程のスタンパ、基板成型、色素塗布が品質に大きく関わるとし、それらに注力した開発や品質管理を採用しているという。特にスタンパ技術を「HGXスタンパテクノロジー」と名づけ、4倍速、2倍速といった高速記録対応ディスクでの安定性に貢献したとしている。 また、4倍速DVD-Rの場合、記録側としてDVDレコーダ9機種とDVDドライブ13機種、再生側としてDVDプレーヤー16機種を用意し、すべての組み合わせで記録と再生をチェックしたという。
■ DVD製品の市場と記録メディア
同氏によると、2002年におけるPC用ドライブの出荷数は全世界で520万台程度だという。ソニーなどの国内メーカーに続き、デルなど海外メーカーの採用が起爆剤となり、下期に急伸した。 一方、2002年における民生用レコーダの出荷数は全世界で170万台弱となり、こちらも下期に大きく伸びている。現状では国内市場がほとんどだが、ここにきて米国で関心が高まっているという。なお、170万台中、カムコーダタイプは20万台を占めるという。 これにあわせてメディア市場も成長している。2002年の出荷枚数は、追記型が1億2,000枚弱、書き換え型が3,900万枚程度となった。
追記型、書き換え型のフォーマットごとの比率は、DVD-R:DVD+Rが82:18程度。書き換え型では、3種類が同じような比率となり、後発のDVD+RWが若干少ない程度の分布となっている。また、書き換え型では、DVD-RAMは日本のレコーダ、DVD+RWは欧米のPC市場と、それぞれ得意分野を持っているのも特徴。 ドライブの書き換え型フォーマット別シェアも発表された。PC用ドライブの場合、DVD-RAM用が16%、DVD-RW用が47%、DVD+RW用が37%となった。2002年にシェアを上げたのはDVD+RWで、デルの採用など欧米市場で伸張したという。一方、シェアを落としたのはDVD-RAM。「カートリッジ入り=高価」という印象が、マイナスイメージを与えたとしている。 民生レコーダ用ドライブにおける書き換え型のフォーマット別シェアは、DVD-RAM用が69%、DVD-RW用が16%、DVD+RW用が15.4%。2002年にはDVD-RWがシェアを落とし、DVD+RWとDVD-RAMが増加している。 ただし、DVD-RWを採用するパイオニア製のレコーダが2002年第4四半期から急速に巻き返しており、2003年には復調するのではと見られる。なお、DVD+RWレコーダはPhilipsのみが製造し、搭載製品は国内で流通していない。 また、藤原氏は今後の需要予測についても触れた。DVDドライブは、CD系ドライブの需要減に変わる形で2005年から大きく伸張、2010年まで安定した需要が続くとしている。ただし、Blu-rayなど次世代フォーマットのドライブとの棲み分けも始まるため、市場規模はPC用、民生用あわせて年間4,000万台強と考えられる。また、DVDレコーダとDVDプレーヤーの価格差が縮まれば、現在6,000万台といわれるプレーヤー市場を取り込む可能性もあるという。
なお、2003年の製品展開としては、Multi(DVD-R/RW/RAM)、Dual RW(DVD±R/RW)、Super Multi(DVD±R/RW、-RAM)の普及と、書き込み速度の高速化を予測した。※Dual RW、Super Multiは同社の呼称。 次世代光ディスクについては、記録技術のアップグレードというより、「HDTV録画のニーズのため」と位置づけた。ただし、HDTV録画のニーズは確実に高まるとし、Blu-ray Disc、AOD(Advanced Optical Disk)、HD-DVD9などをアプローチ技術として紹介。また、WM9などの新圧縮技術がHDTV録画を可能にする可能性も示唆した。
□マクセルのホームページ (2003年2月25日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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