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フラットパネルディスプレイ関連の展示会「第1回国際フラットパネルディスプレイ展(Display 2005)」が20日、東京ビックサイトで開幕した。フラットパネル技術展「第15回フラットパネル ディスプレイ研究開発・製造技術展(ファインテック・ジャパン)」との併設となっている。事前登録者は入場無料だが、当日券による入場は5,000円。 フラットパネルディスプレイ展は1ホールの半分だけの小さな展示スペースだが、SEDディスプレイのデモなど最終製品に近い展示が多数行なわれている。 ■ SEDは輝度やコントラストが向上
東芝とキヤノンの共同出資によるSED株式会社は、2005年度中の発売を予定している「SED(Surface-Conduction Electron-emitter Display)」を出展。SEDのブースでは、SEDと他方式のディスプレイの比較デモを約30分間隔で行なっている。 SEDは、CRTと同様に電子を蛍光体に衝突させて発光させる自発光型のディスプレイで、ブラウン管の電子銃に相当する電子放出部を画素の数だけ設けた構造となっている。展示機はCEATECのデモ機と同じ36型だが、今回出展されたデモ機では、輝度やコントラスト比の向上が図られた。暗所コントラスト比は100,000:1で、輝度は従来の350cd/m2から、約400cd/m2まで向上した。 比較デモでは、ブース内の照明を落として黒色の表現や、忠実な色表現、高速な応答性能、消費電力の低さなどを紹介。さらに、ブース内の明かりをリビング並みの照度としての視聴デモも実施し、忠実な色再現などのSEDのメリットを保持したまま、十分な明るさで視聴できることをアピール。リビング用の大型テレビとしてのSEDの魅力を強調した。 デモブースでは、開幕直後にもかかわらず、出展中の各ディスプレイメーカーの関係者が多数押しかけ、業界内の注目度の高さを伺わせた。
■ 三洋エプソンはポータブルビデオ向け液晶などを出展 三洋エプソンイメージングデバイスのブースでは、ポータブルビデオプレーヤー用の小型液晶モジュールを参考出品。3.5型の640×480ドット/26万色の低温ポリシリコンTFTモジュールや、3型/360×240ドット/1,677万色のアモルファスシリコンTFTモジュールなどを展示。広視野角などをアピールしている。
また、ユニークなのは視野角制御バックライトによる2画面ディスプレイ。見る方向の違いから左側と右側で異なる3D画像を表示するというもので、例えばカーナビに採用することで助手席では天気予報を、運転席では交通情報を確認するといった応用が可能という。
また、多視点方式の8型、12型3Dディスプレイも出展。メガネなしで簡単に3D効果を体験できるが、コンテンツの作り込みが必要となるため、現在はパチスロなどのアミューズメント用途を中心とした展開を考えているという。 開発中の3.8型超薄型の液晶モジュールは、50nmガラスの採用で薄型化し、「実用化はまだ先」とのことだが、製品への応用例を考えながら、開発を進めるという。
■ 東北パイオニア
東北パイオニアのブースでは320×240ドットの2.4型有機ELディスプレイを利用したビデオプレーヤーを参考展示。「アラジン」や「イノセンス」といった映画コンテンツを利用して、有機ELの高画質をアピールしている。 また、松下電器のD-snap Audioなどのデジタルオーディオプレーヤーの採用例を展示しているほか、4,096色表示の1.1型有機ELディスプレイを採用した、Jigatek製MP3プレーヤーも参考出展している。
■ その他 東芝松下ディスプレイテクノロジーは、32型のOCB方式液晶パネルを展示。また、有機ELディスプレイを採用したビデオプレーヤーも参考展示している。
15日に開発発表された3Dディスプレイも参考展示しているが、展示機は1台のみで多くの人が実際に体験しているため、開幕直後でも1時間待ちの行列となっていた。 併設しているファインテック・ジャパンでは、直接民生展開されるものはほとんどなく、液晶工場向けの製造装置や検査装置などの展示が目立った。
□国際 フラットパネル ディスプレイ展のホームページ (2005年4月20日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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