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地デジがフルパワーで、「全国普及へキックオフ!!」
-中継局のロードマップ公開へ。東京タワーもブルーに


地上デジタル放送のフルパワー出力を記念して、東京タワーがブルーにライトアップされた

12月1日開催


竹中平蔵総務大臣と、日本放送協会の橋本会長、日本民間放送連盟の日枝久会長、電子情報技術産業協会の岡村正会長、総務省の古屋範子政務官が、地上デジタル推進を誓い合う意味を込めて、硬い握手を交わし、地上デジタル推進大使6名が見守った
 社団法人地上デジタル放送推進協会(D-pa)は1日、地上デジタル放送開始2周年記念行事として、「地上デジタル推進全国会議第4回総会」と「全国普及へキックオフ!!」を、お台場のフジテレビで開催した。

 2003年12月1日11時に本放送が開始された地上デジタル放送は、今年の12月1日でちょうど2年が経過した。2周年の記念日となる1日には、東京タワーからの放送電波の出力がフルパワーとなり、東名阪の三大広域圏がすべてがフルパワー送信となったほか、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、埼玉県の8県でも地上デジタル放送が開始され、視聴エリアは24都道府県に広がり、全国のカバー率も6割となった。

 地上デジタル放送開始2周年記念行事には、竹中平蔵総務大臣が駆けつけ、「2003年12月1日に3大都市圏で開始した地上デジタル放送は、本日の東北6県等の開局を含めて、視聴エリアは24都道府県に広がった。今回公開されたロードマップによると、地上デジタルが中継局をカバーする範囲はアナログ放送の9割以上になっている。また、10月現在で地上デジタルの受信対応製品は累計660万台に達している」と順調に移行していることを強調した。

 また、総務省との取り組みとしては、「日本はドキュメンタリー、アニメ、ドラマなど、世界でも有数な豊富な放送コンテンツを持っており、制作ノウハウを有している。さらに、2011年に完全デジタルに移行できれば、デジタル化の成功モデルを提供でき、世界の情報通信をリードしていいけると、確信している。すべての国民が、デジタル放送の果実を目に見える形で、実感できるようにするためには、残された6年は決して長い期間ではない。この目標を達成するために、総務省としても可能なあらゆる努力をしていく覚悟である」と語った。

竹中平蔵総務大臣も駆けつけた 会場には約600名の業界関係者が詰め掛けた 司会は、NHKの島津有理子アナウンサーと、フジテレビの向坂樹興アナウンサーが担当した

地上デジタル推進全国会議議長の山口信夫氏
 主催者として挨拶に立った、地上デジタル推進全国会議議長の山口信夫氏は、「地上デジタルは、2005年末までには24都道府県840万世帯に普及し、全世帯の普及率は6割に達する。デジタル放送は、予想以上に急速に普及・浸透している。対応受信機も10月の月間出荷台数は45万台となり、累計では660万台を超えるなど順調。来年からはすべての都道府県で地上デジタル放送が開始される。2006年末までに全世帯の8割を越える、3,850万世帯で視聴可能になる予定」と見通しを語った。

 今後の方針として、「2006年にワールドカップ、2008年には北京五輪がある。普及拡大の大きな契機になるイベントが控えている。地上デジタルの完全移行に向け、国民の理解が得られるように、今後も広報活動の強化や、放送事業者の中継所の整備、高性能・高機能な受信機の開発促進などに一致団結して取り組んでいく」と説明した。

D-pa理事長の中村啓治氏
 D-pa理事長の中村啓治氏は「送信環境が整備が進み、受信可能世帯が増えるのに伴い、次の課題は受信環境の整備。D-paは2006年度を、直近のその山場だと考えている。1年間、普及促進事業を、積極的かつ大胆に進めていく。2011年の完全デジタル化は国策なので絶対に成功させなければならない」と決意を語った。

 第4回総会の冒頭には、来賓として岩手県知事 増田寛也氏が挨拶した。「東北6県でも本日より地デジの放送が始まった。地方自治体も、国まかせになるのではなく自主的に事業を進めることが必要であると思っている。ただ、完全にデジタルに移行する道筋が必ずしも明らかにされておらず、特に中継局の整備に関しては未知数。この点については、何度も指摘してきたが、今回発表される第6次行動計画には中継局整備のロードマップが盛り込まれた。これは、画期的なことである」と、今回発表された第6次行動計画を評価した。


●「第6次行動計画」発表。中継局ロードマップを策定

 第6次行動計画については、幹事会座長の成田豊氏が概略を説明した。行動計画の3本の柱は「送信環境の整備」、「受信環境の整備」、「視聴者・国民の理解の醸成」。

 送信環境の整備は、「2011年までの6年間という限られた期間の中で、IP、衛星など補完的伝送路の活用などを含め、視聴者にデジタル放送を送り届けるインフラを整備する」とする。受信環境では「価格や機能面で、視聴者のニーズに応えた受信機の販売と、周知広報の実施」を行なう。これらの取り組みにより、これまでの「デジタル放送を知っている」段階から、「理解し、支持する」段階を目指す。

 また新たに、中継局ロードマップの策定が決定した。小規模局を含め、可能な限りの中継局の視聴可能となる時期と地域を明示したロードマップを策定・公表し、放送事業者は最大限自助努力を原則として、ロードマップの実現に全力で取り組む。12月1日に各放送局毎のリストと先行局の放送エリアを策定し、2006年3月には各放送事業者毎の放送エリアを策定する予定。

 さらに、地上デジタルならではのサービス普及促進として、ピュアハイビジョン比率を向上させる。第5次計画ではピュアハイビジョンの目標を、全日50%(6時から24時まで)または、プライムタイム60%(19時から23時)としていたが、第6次では2006年中を目処にNHK総合は全日94%以上、民放広域局については全日65%以上か、プライムタイム65%以上に設定した。

 そのほか、携帯などの移動体向けデジタル放送「ワンセグ」についても、ロードマップを策定・公表。サーバー型放送についても、可能な限り早期にサービスを提供するとしている。

幹事会座長の成田豊氏 慶應義塾常任理事・慶應義塾大学環境情報学部教授の村井純氏は、地上デジタル放送の紹介ビデオの中で、「2011年に完全にデジタルに移行する。それがとても大事。アナログがなくなって、デジタルになるということが、テレビというとても大きなメディアで起こるので、お祭りだと思う。アナログからデジタルに移行していくということで、なにかができなくなる、後退するということは絶対あってはいけない。すべてを集結して必ずやるんだという意気込みが必要」とコメントした

 総会の最後は放送業者とメーカーを代表して、日本放送協会会長の橋本元一氏、日本民間放送連盟会長の日枝久氏、電子情報技術産業協会(JEITA)会長の岡村正氏の3人が決意表明を行ない、「地上デジタル推進全国会議第4回総会」を締めくくった。

日本放送協会会長の橋本元一氏。「12月1日は特別な日。2000年はBSデジタルの放送開始、2003年が地デジの放送開始、そして本日は東京タワーがフルパワーになるのと同時に宇都宮、平塚、前橋、そして東北などでも放送が開始された。今回、全国6割をカバーするに至ったのは素晴らしいこと。今後事業者は番組のさらなる充実が必要となる。地デジの普及は民放各社やメーカーと一緒になって取り組んでいきたい」 日本民間放送連盟会長の日枝久氏は、3つの決意を表明。「1つめは、予定通り2011年7月にはデジタルへの全面移行を必ず実現すること。課題は残っていますが決意として、実現する。また中継局の整備を予定通り進めることを約束する。2つめは、デジタル放送のメリットを具体的に実感していただくこと。ワンセグや番組のピュアハイビジョン化、サーバー型放送など世界最先端のユビキタス社会に向けて、新しい技術を伝えていく。最後の3つめは受信環境の整備。視聴者への周知が最大の課題。日本が放送大国、ユビキタス大国となるべく、世界の最先端の一翼を担う民間放送でありたい」 電子情報技術産業協会(JEITA)会長の岡村正氏。「より低廉で多様な受信機の開発に取り組んできたが、今後さらに、高い目標に向かって開発を推進していく。今後の目標としては、ワールドカップで1,200万台を突破し、2011年の7月には1億台の大目標がある。また、受信機の普及とアナログ停波の周知広報を進めていく」


●「全国普及へキックオフ!!」。東京タワーもブルーにライトアップ

NHK 島津有理子アナウンサー、日本テレビ 馬場典子アナウンサー、テレビ朝日 丸川珠代アナウンサー、TBSの竹内香苗アナウンサー、テレビ東京の森本智子アナウンサー、フジテレビの中村仁美アナウンサー
地上デジタル推進大使のNHK 島津有理子アナウンサー、日本テレビ 馬場典子アナウンサー、テレビ朝日 丸川珠代アナウンサー、TBSの竹内香苗アナウンサー、テレビ東京の森本智子アナウンサー、フジテレビの中村仁美アナウンサーの6名が出席した
 「全国普及へキックオフ!!」では、地上デジタル推進大使の日本放送協会の島津有理子アナウンサー、日本テレビ放送網株式会社の馬場典子アナウンサー、株式会社テレビ朝日の丸川珠代アナウンサー、株式会社東京放送の竹内香苗アナウンサー、株式会社テレビ東京の森本智子アナウンサー、株式会社フジテレビジョンの中村仁美アナウンサーの6名が出席。地上デジタル放送の現状を改めて説明した。

 また、D-pa専務理事の和崎哉氏が、今後の取り組みについて解説。「放送のカバー率は2006年12月には82%、3,850万世帯に達する見込み。しかし調査の結果では2011年にアナログが停波することを知っている人は約9.2%と低く、この1年で50%にしたい」と目標を語った。

今後は、「放送局の開局支援や、D-paのサイトでの受信エリア検索の迅速な反映、受信相談センターの強化、販売店に対する研修制度の確立などを行なっていく」という。

地上デジタル推進大使も、決意をあらわして「キックオッフ」。なお、テレビ東京の森本智子アナウンサーは次の生放送のため中座した

 また12月1日のフルパワー出力を記念して、東京タワーで11月21日の17時~23時、11月22日~12月1日の18時~23時に、大展望台のガラスに「地デジ」の文字が表示されるライトアップが行なわれた。

 さらに、12月1日の18時50分から23時までは、タワーの上部がブルーにライトアップされた。東京タワーのブルーライトアップは、2002年に行なわれたFIFAワールドカップ以来2度目となっている。

東京タワーは11月21日の17時~23時、11月22日~12月1日の18時~23時に、大展望台のガラスに「地デジ」の文字が表示されるライトアップが行なわれた。
12月1日の18時50分から23時まで、タワーの上部がブルーにライトアップされた。わずか4時間10分の光のショーを写真に収めようとたくさんの人が撮影していた。ちなみに、ブルーの光は、投光機で投射されていた

□D-Paのホームページ
http://www.d-pa.org/
□ニュースリリース
http://www.d-pa.org/information/info_051201.html
□地上デジタルテレビジョン放送中継局ロードマップの公表(総務省)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/051201_4.html
□関連記事
【11月28日】地デジのフルパワー出力で、東京タワーがブルーライトアップ
-12月1日の一夜限り。「地デジ」の文字装飾も
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【9月27日】デジタルラジオ本放送に向けたフォーラムが設立
-‘06年春に本放送開始。1月にはモニター試験も
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050927/gdb.htm
【6月7日】デジタルラジオ本放送に向けたフォーラムが設立
-‘06年春に本放送開始。1月にはモニター試験も
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【6月15日】D-pa、第6回総会で中村啓治新理事長を選任
-「地上デジ放送は順調なスタートを切った」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050615/dpa.htm
【6月14日】地上デジタルの世帯普及率は8.5%。総務省調査
-6割以上が停波を認知も、“2011年”は周知不足
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【2004年12月1日】地上デジタル放送のロードマップが公開。2006年に8割をカバー
-各地で開始時期を前倒し。2006年末には3,700万世帯で視聴可能に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041201/soumu.htm
【2003年12月1日】地上デジタルテレビ、12月1日11時より3大都市圏でスタート
-小泉首相が記念式典でカウントダウン
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20031201/gdb.htm
【2003年4月17日】総務省、地上デジタルテレビの普及目標を発表
-2006年W杯までに1,200万台、2008年北京五輪で3,600万台
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030417/soumu.htm

(2005年12月2日)

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]


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