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地デジの携帯やカーナビ向け放送、2006年4月1日開始
-サービス名称は「ワンセグ」


2006年4月1日放送開始


 日本放送協会(NHK)と関東の民放7社(日本テレビ東京放送フジテレビテレビ朝日テレビ東京テレビ埼玉千葉テレビ)は27日、地上デジタル放送の携帯電話やカーナビなどの携帯・移動体向けサービスを、2006年4月1日(土)に開始すると発表した。

2006年4月1日スタート 4月1日にワンセグを開始する局

「ワンセグ」のマーク(左)と、ロゴマーク(右)も、お披露目された
 また、社団法人地上デジタル放送推進協会(D-pa)において、今後、放送事業者が共通して使用していくサービス名称として「ワンセグ」を、ロゴマークとともに決定。放送などに使用していくこととなった。

 2003年12月1日より東京、大阪、名古屋から本放送を開始した、日本の地上デジタル放送は6MHz帯域を13のセグメントに分けて放送する日本独自の放送方式を採用している。通常のテレビ向け放送は12セグメント利用しており、ワンセグでは、残った真ん中のセグメント1つだけで、映像、音声、データを放送する。

 「簡易な情報処理」、「低消費電力」を実現し、携帯電話や移動体でのテレビ視聴が可能になったとしている。受信端末としては、携帯電話、カーナビ、パソコン、専用ポータブルテレビなどが想定されている。

地上デジタル推進大使も興味津々
 通常のデジタル放送はMPEG-2で放送されているが、ワンセグ放送では帯域が狭いため、AVC/H.264を採用。変調方式はQPSKで、解像度は320×240ドット、または320×180ドット、総ビットレートは約312kbpsとなっている。音声モードはモノ/ステレオ/音声多重、データ放送形式は通常のデジタルテレビ放送と同じ、BML形式を使用している。

 なお、ワンセグの放送内容については、当面はテレビ向け放送と同じサイマル放送になる。また、データ放送では、ニュース、天気予報、災害情報を放送し、いつでもチェックできることも特徴。特に携帯電話では、データ放送と、通信サービスを連携させ、Webサイトへのリンクや、クイズ番組への参加、着信メロディをダウンロードしたりするサービスも予定されている。

データ放送も行なわれる

 2004年3月に、特許問題が解決されていなかった地上デジタル放送の携帯端末向けのフォーマットが、AVC/H.264の必須特許を管理するMPEG LAとの間で、放送で用いる場合の特許条件について、基本合意に達し、AVC/H.264に決定。フォーマット決定時に、「受信機メーカーや携帯通信事業者との調整を経て、2005年度中に地上デジタルテレビ放送の携帯端末向けサービスが開始できる見通し」としていた。実際の開始は、2006年度にずれ込んだがほぼ予定通りに実現した。

地上デジタル推進大使のNHK 島津有理子アナウンサー、日本テレビ 馬場典子アナウンサー、テレビ朝日 丸川珠代アナウンサー、TBSの竹内香苗アナウンサー、テレビ東京の森本智子アナウンサー、フジテレビの中村仁美アナウンサーの6名が出席した
 今回の発表会には、地上デジタル推進大使の日本放送協会の島津有理子アナウンサー、日本テレビ放送網株式会社の馬場典子アナウンサー、株式会社テレビ朝日の丸川珠代アナウンサー、株式会社東京放送の竹内香苗アナウンサー、株式会社テレビ東京の森本智子アナウンサー、株式会社フジテレビジョンの中村仁美アナウンサーの6名が出席。

 6人が交代で「ワンセグ」の概要を説明。テレビ朝日の丸川アナウンサーは、「関東では2005年末にも出力が10kWの本格稼働に移行し、関東の9割の地域で視聴できるようになる」と地上デジタル放送の受信環境が整備されつつある現状を紹介した。

 また、発表会場となったフジテレビのカメラで、フジテレビの中村 仁美アナウンサーを撮影し、その映像をフジテレビの送出マスターで、H.264にエンコード。それを、東京タワーに送り、放送波に乗せて、発表会場の携帯端末で受信するという大規模な生中継デモを行なった。

 なお、10月4日から幕張メッセで開催される「CEATEC」でも、東京タワーから放送する、ワンセグの受信デモを行なう予定。

発表会で行なわれた、ワンセグ生中継のシステム図 フジテレビの中村 仁美アナウンサーが生中継のデモを行なった 中村 仁美アナウンサーが映し出された端末を、テレビ朝日の丸川珠代アナウンサーが会場に見せて回った

NHK 島津有理子アナウンサー 日本テレビ 馬場典子アナウンサー TBS 竹内香苗アナウンサー
NHK
島津有理子アナウンサー
日本テレビ
馬場典子アナウンサー
TBS
竹内香苗アナウンサー
フジテレビ 中村仁美アナウンサー テレビ朝日 丸川珠代アナウンサー テレビ東京 森本智子アナウンサー
フジテレビ
中村仁美アナウンサー
テレビ朝日
丸川珠代アナウンサー
テレビ東京
森本智子アナウンサー

 さらに、発表会場ではNTTドコモ、KDDI、ボーダフォンが「ワンセグ」対応端末を展示し、受信デモを行なった。ドコモとKDDIは、同日に発表した「ワンセグ」対応の新機種で、ボーダフォンは5月に発表した試作機となっていた。

 3キャリアとも発売日や価格は未定だが、発売時期について、NTTドコモは「本年度中」、KDDIは「サービス開始に間に合わせたい」、ボーダフォンは「4月1日までにがんばりたい」としていた。なお、消費電力は、アナログTVチューナ搭載端末を発売しているボーダフォンによると、「アナログチューナ搭載モデルの1/3程度におさまる」という。

FOMA端末「P901iTV」は、ブラックとホワイトの2色が展示された。TV視聴スタイルは3種類

KDDIの「W33SA」。2軸ヒンジを採用し、ワンセグ受信可能時間は約2.5時間 ボーダフォンは「V801SH」をベースにした試作機を展示。5月に発表した試作機から何も変わっていないとの事。試作機のワンセグ受信可能時間は約2時間

 また、松下電器が、カーAVシリーズ「Strada」シリーズの液晶テレビと、車載用地上/BS/110度CSデジタルチューナ「TU-DVT100」を展示した。現在、発売されているTU-DVT100はワンセグに対応していないが、ワンセグ対応のファームウェアを導入して、ワンセグを表示していた。既存ユーザーには、SDカード経由でアップデートできるようにする予定。アップデート料金は未定だが、「無償で行なえるよう努力したい」としている。

 なおワンセグは、現在のデジタル放送と同様にコピーワンスでの放送となるが、SDカードへの録画などについては、まだARIB(社団法人電波産業会)で規定されていないため、どうなるのかは決まっていないという。

車載用地上/BS/110度CSデジタルチューナ「TU-DVT100」は、ファームウェアのアップデートで、ワンセグに対応していた ワンセグはビットレートがかなり低いため、このサイズの液晶だとかなりブロックノイズが目立った。ただビルの中で、ウィンドウ用アンテナだけにしては、受信状態が安定していたのは、ワンセグだからだろう

□D-Paのホームページ
http://www.d-pa.org/
□ニュースリリース
http://www.d-pa.org/information/info_05092704.html
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(2005年9月27日)

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]


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