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松下電器産業株式会社は、SDメモリーカードにMPEG-4 AVC/H.264記録するAVCHD方式のハイビジョンムービーカメラ「HDC-SD1」を12月1日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は18万円前後の見込み。4GBのSDHCメモリーカードが同梱される。
AVCHDに対応し、SD/SDHCカードに1080iのHD映像をH.264形式で記録できるSDカードムービーカメラ。HDカメラ用に新開発したという1/4型総画素数56万画素のCCDを3枚利用した「テルニオン 3CCD HD」を搭載。従来比約2倍の色の描写を実現したという。有効画素数は動画/静止画撮影時ともに156万画素(52万画素×3/16:9)。最低照度は6lux。 レンズは光学12倍ズームのライカディコマーレンズ(F1.8~2.8)で、EAレンズ(超高屈折率非球面ガラスモールドレンズ)を含む10群13枚構成。焦点距離は38.5~462mm。30倍のデジタルズームも搭載する。光学式の手ぶれ補正機能も備えている。新開発のノイズリダクション回路や忠実なディティール/色再現を実現する「HDクリスタルエンジン」のほか、MPEG-4 AVC/H.264での映像記録に向けて新開発した「映像圧縮LSI」を内蔵し、MPEG-4 AVCのHigh Profileでリアルタイムに記録。高画質なハイビジョン記録を実現する。
記録解像度は1080i(1,440×1,080ドット)。記録モードはHF/HN/HEの3モードが用意され、ビットレートはHFが約13Mbps、HNが約9Mbps、HEが約6Mbps。4GBのSDHCカードを利用した場合はHFで約40分、HNが約60分、HEで約90分記録できる。HFはCBR(固定ビットレート)、HN/HEはVBR(可変ビットレート)記録となる。肌色部分のみのソフトフォーカスをかけ、人肌のシミなどを目立たなくする「美肌モード」や「テレマクロ」機能も備えている。 5つのマイクを内蔵し、5.1チャンネルサラウンド記録が可能。ズームに連動して動作する「超指向性ズームマイク」となっており、広角撮影時には左右の広がりを出し、臨場感を強調。望遠撮影時には奥行きのある音声記録が可能となる。ドルビーデジタルクリエーターの認定も取得している。 静止画は1,920×1,080ドット記録が可能で、動画を撮影しながら「フォトショットボタン」を押すだけで動画と同時記録ができる。
液晶モニターは3型ワイドの25.1万画素。HDMI出力端子(HDMI Ver.1.2a)を搭載し、VIERA Linkにも対応。HDC-SD1からハイビジョン映像を出力できるほか、VIERA Link対応の同社製テレビであれば、電源ONや入力切り替えなどの操作が可能となっている。HDMIケーブルは別売。 また、専用のAVマルチジャックを備え、付属のD端子ケーブルやAVケーブルでテレビ出力が可能。USB 2.0端子も装備し、パソコンと連携できる。 バッテリ駆動時間は約1時間5分(付属のVW-VBG130-K利用時)外形寸法は74×142×69mm(幅×奥行き×高さ)、本体重量は約430g、撮影時重量は約490g(バッテリ/SDカード含む)。同社では「3CCDのハイビジョンカメラとして世界最小/最軽量」としている。
編集機能は分割/結合や、タイトルの並べ替えなど。プレイリスト機能などは備えていない。 また、再生や簡易編集、DVDへの書き出しが行なえるPC用のソフトウェア「HD Writer Ver.1.0J for SD1」が付属する。対応OSはWindows 2000/XP。
また、DVDにAVCHD記録を行なう3CCD DVDビデオカメラ「HDC-DX1」も12月15日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16万円前後。 光学系などの基本機能は「HDC-SD1」と共通ながら、記録メディアを8cm径のDVD-R/RW/RAMとしたビデオカメラ。DVD-R DLへの記録にも対応する。 また、SDカードに記録したムービファイルを1ボタンでHDDにコピーできる「SDメディアストレージ(WW-PT2-S)」も12月1日に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万円前後。 SD/SDHCカードのデータを本体のCOPYボタンを押すだけでバックアップ可能なストレージ。最大8倍速の転送が可能で、バッテリ駆動が可能。液晶ディスプレイは備えていないが、USB端子を備えており、バックアップした映像をPCに転送できる。
発表会では、パナソニックマーケティング本部 平原重信副本部長が製品戦略などについて説明。テレビや放送のハイビジョン化を受け、ビデオカメラでもHD化を積極的に推進していくことをアピールした。 「2007年にはビデオカメラの約5割、2008年には7割がHD対応になる。しかし、DVテープには絡まったり、頭出しが不便。DVDは記録時間が短く、サイズが大きくなる。HDDは振動に弱いなどの問題がある。それらの問題が無い記録メディアとして、パナソニックはSDカードを推進する」とし、SDカードへのHD記録に注力していく姿勢を強調。「取る、残す、見るの全てをHD対応し、新しいハイビジョンライフを提案していく」と訴えた。 なお、月産台数はSDカード型の「HDC-SD1」が2万台、DVD記録の「HDC-DX1」が15,000台。また、年明けより、北米や欧州、中国などの各市場でもハイビジョンムービーカメラを展開していくという。 パナソニックAVCネットワークス社 ムービービジネスユニット長の中谷明弘氏は、「ライカレンズ」、「テルニオン3CCD」、「HDクリスタルエンジン」、「コーデックLSI」、「5チャンネルマイク」の「5つのブラックボックス」技術について説明。同社のノウハウを生かした製品開発と、VIERAとの親和性などをアピールした。
発表会場ではソニーのHDVカメラ「HDR-HC3」やキヤノンの「iVIS HV10」との比較デモも実施。(HDVカメラの)1CMOS対(SD1の)3CCDをアピールし、ノイズの少なさや、赤色や空の発色、夜景の滲みの少なさなどのポイントを例示し、HDC-SD1の高画質をアピール。 また、ソニーが発売中のAVCHDビデオカメラでは、MPEG-4 AVCのMain Profileを利用しているが「HDC-SD1/DX1」ではHigh Profileを利用。ノイズ検出やひずみの低減など、より高画質な記録/再生が可能という。
□松下電器のホームページ ( 2006年11月7日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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