|
株式会社東芝は、DVDレコーダ「VARDIA」のフラッグシップモデル「RD-X8」と、Sシリーズの「RD-S503」、「RD-S303」の計3機種を11月中旬に発売する。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は下表の通り。
3機種とも地上/BS/110度CSデジタルチューナを2基、地上アナログチューナを1基搭載したレコーダ。共通する特徴として、DVDのSD映像などを高精細に表示できる技術「XDE」(eXtended Detail Enhancement)を搭載している。 480iなどの映像を1080pにアップスケールするものだが、スケーラやIP変換、3DDNR、ディティールエンハンスメントそれぞれに最高レベルの機能を用意し、それらを最適に組み合わせることで、従来の技術よりも高精細な映像が生み出せるのが特徴。HD解像度のソースをより高画質表示することもできる。 具体的には、SDコンテンツに三次元画素検出型の高精度IP変換処理を行ない、480pのフレームデータを生成。そこから三次元DNRによりノイズを除去。それをもとにして、周辺画素演算型ノンリニアスケーリングテクノロジと、ワイドレンジスケーリングフィルタにより1080pの映像を作り出す。 このままではボケた部分も存在するため、エッジを強調して精細感を向上させる。その際に映像を解析し、ノイズとエッジ成分を検出。三次元DNRでノイズを除去した上で、エッジのみを抽出し、その“エッジの強さ”に応じて最適な輪郭強調処理を行なう。そのため、映像全体のエッジを強調してキツい映像になることがなく、画面の主体となる、必要な部分のエッジだけを強調し、背景は滑らかなまま表示するといった、柔軟性の高い高画質アップスケーリングが行なえるという。 なお、XDE自体は静止画フレームに対して処理を実施しているため、その中のアップスケール処理は必須ではなく、SD/HD両解像度の映像に適用できる。放送波にも適用可能。XDE機能はフロントパネルやリモコンのXDEボタンからON/OFFできる。前述のようにレコーダが扱う映像のほぼすべてに適用できるため、常時ONにする使い方が想定されている。
さらに、10月1日からスタートするスカパー! HD放送の連動録画に対応。対応するスカパー! HDチューナから予約録画をすると、DLNAのDTCP-IPを用いて、LAN経由で放送波をチューナからVARDIAへ伝送。VARDIAのHDDにストリーム録画できるというもの。MPEG-4 AVCでエンコードされた放送も、そのままの画質でVARDIAのHDDに無劣化で録画できる。ただし、スカパーチューナ側の同機能の対応は11月末が予定されており、VARDIAもそのバージョンアップと合わせて更新され、対応するという。 その際、ルータを用いてLANを構築せずに連携することも可能。スカパー! HDチューナとVARDIAをLANケーブルで直接接続すれば、LAN経由と同様に連動録画ができる。
なお、スカパー! HD放送はMPEG-4 AVC/H.264でエンコードされた映像が放送されているため、フォーマット的にはVARDIAでAVC/H.264録画したTSEファイルと同じ扱いになる。そのため、ストリームで録画したファイルは、VARDIA上ではTSE形式で録画したファイルとして表示される。よって、そこから異なるビットレートのTSEモードに再変換することはできない。TSEのファイルをDVDなどにダビング/ムーブも可能。また、VR形式のDVDビデオとして、MPEG-2のSD解像度に変換することはできる。 MPEG-4 AVC/H.264でのTSE録画時は、ビットレートをマニュアルで指定可能。従来は最高17Mbps、最低が3.6Mbpsだったが、新モデルでは最低を2.8Mbpsまで拡張。最大7倍録画が可能になったこれにより、片面1層DVD-Rへの最大記録時間が従来の約2時間15分から、約2時間48分に拡大している。HDトランスコーダを刷新することで、TSE録画時の画質も改善。低ビットレート時のノイズも減少したという。 データ放送はカットして録画されるが、音声は無劣化のAACで記録でき、最大5.1ch音声を2ストリーム録画できる。さらに、MPEG-4 AVC/H.264で、SD解像度記録するモード(2.6Mbps~1Mbps)も新設した。 DVDにHD映像を記録する「HD Rec」も引き続きサポート。ネットワーク機能も強化し、同社薄型テレビREGZAの対応モデルとネットワーク接続し、REGZAのHDDに録画した番組をVARDIAのHDDへ無劣化ダビングできる。VARDIAからHD Rec規格で、DVDにMPEG-2 TSのまま番組をムーブすることも可能。なお、REGZAとはLAN接続する必要は無く、前述のスカパー! HDと同様に、LANケーブルでVARDIAとREGZAを直接接続しても伝送可能。
ほかにも、KDDIが実施している動画配信サービス「DVD Burning」に全モデルが対応。ネットワーク経由で購入した映像をDVDメディアにライティングすることができる。 そのほかの機能として、おまかせ自動録画や、ユーザーの録画/再生履歴に応じて、自動録画を行なう「お楽しみ番組 自動録画」も利用可能。DLNAサーバー機能「ネットdeサーバーHD」や、CATV連動、HDD内のタイトル再生終了後に見終わったタイトルの消去や、次の回の予約などの選択が可能な「つぎこれ」機能、ネットワークを介してコンテンツ紹介が行なわれる「おすすめサービス」なども利用できる。
光学ドライブは3モデルとも、DVD-R 8倍速、DVD-RAM 3倍速(カートリッジ非対応)、DVD-R 6倍速、DVD-R DL4倍速書き込みに対応する。
■ RD-X8
映像/音声回路に、Xシリーズならではの高品位なパーツを投入したのが特徴。X7と同様に1080/24p出力に対応しているが、X8ではさらに、その1080/24p出力にXDEを追加処理できるようになった。
D端子を備え、12bib/297MHzのビデオ用DACで4倍オーバーサンプリング処理を実施。超高速OPアンプによるLC型広帯域LPF回路も備え、「HDMIに比肩しうるアナログ高画質を実現した」という。録画用出力として備えるS映像、コンポジット、アナログ2ch音声出力用に、GUI表示の影響を受けずに現在選択されている映像をSDで出力可能。同回路専用に10bit/297MHzのビデオエンコーダを備えている。
音声用には、アナログデバイセズのDAC「AD1955」を採用。HDMI出力回路では、電源部分を専用ローカルレギュレータや低インピーダンスコンデンサなどで整備。コモンモードフィルタにより波形応答を良好に保ち、各種ノイズを低減し、高品位な出力を実現したという。同軸デジタル出力用には、パルストランス式出力回路を採用。電源OFFの状態でもライン1に接続した機器の出力をスルーできるライン・スルー回路も備えている。映像/音声径の端子はいずれも金メッキ処理したRCAジャックを使用する。
S503/S303との違いとして、X8のみDeep Color出力に対応。スカパー! 連動録画も引き続きサポートしている。前述のようにDVD Burningもサポートしたほか、従来モデルのS502/302が対応していた高速起動モードも新たに追加している。i.LINK(TS)とDV入力を各1系統装備。RD間のi.LINKダビングにも対応している。 パワーマネージメントの最適化や、低消費電力HDDの採用などにより、X7より大幅に消費電力を低減。55Wを実現した。シャーシ構造の見直しなどにより、ベース機種となるRD-S502系からファンを1基削除。これにより、X7よりも1dB騒音を改善した。
出力はHDMI×1、D4×1、S映像×2、コンポジット×2、アナログ音声×2、光デジタル音声×1、同軸デジタル音声×1。入力はD1×1、S映像×2、コンポジット×2、アナログ音声×2。LAN端子、モジュラー、EXTENSION端子、スカパー連動端子、CATV連動用制御端子も備える。外形寸法は431×339×72mm(幅×奥行き×高さ)。重量は5.6kg。リモコンが付属する。
■ RD-S503/S303 2機種のHDD容量以外の主な仕様は共通だが、S503のみ1系統のi.LINK/DV兼用端子を装備。S303は搭載していない。S503はi.LINKを使ったRD間のダビングをサポートする。
X8と同様に高画質化技術XDEや、TSEの低ビットレートモードを使った7倍記録、レグザリンク・ダビング、スカパー! HD録画などに対応。ただし、スカパー! 連動録画機能には対応していない。DVD Burningもサポート。Deep Colorには非対応だが、1080/24p出力には新たに対応している。高速起動モードも使用でき、通常のリモコンに加え、新シンプルリモコンも付属する。
出力はHDMI×1、D4×1、S映像×2、コンポジット×2、アナログ音声×2、光デジタル音声×1。入力はS映像×2、コンポジット×2、アナログ音声×2。LAN端子、モジュラー、CATV連動用制御端子も備える。外形寸法は431×342×72mm(幅×奥行き×高さ)で共通。重量はS503が5.4kg、S303が5.3kg。
□東芝のホームページ
(2008年9月18日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|