7月、18mの等身大「ガンダム」がお台場の大地に立つ

-頭部稼働でミスト噴射。8月に新作ショートムービー発表

 
発表会で公開された1/30スケールのRX-78-2 ガンダム

(C)創通・サンライズ

7月上旬完成予定

  株式会社バンダイナムコホールディングスは、'79年に放送されたテレビアニメ「機動戦士ガンダム」が2009年で30周年を迎える事を記念し、「機動戦士ガンダム30周年プロジェクト」を始動。その柱となる企画として、全高18mにおよぶ、「RX-78-2 ガンダム」)の等身大立像を製作すると発表した。

完成イメージ。潮風公園に2カ月設置される。周囲の人と比べると18mという大きさがよくわかる

(C)創通・サンライズ

 等身大のガンダムは、富士急ハイランドのアトラクション「GUNDAM CRISIS」に存在しているが、立像が作られるのは今回が初めて。

 7月上旬完成予定で、まずは東京・お台場のフジテレビ近くにある潮風公園に設置。バラバラにして運搬することができ、2カ月間展示した後、別の場所やイベントなどで展示/活用していく方針。お台場での展示は都立公園で行なわれるため、入場や観覧は無料。近くで30周年記念グッズの販売やイベントなどを行なう予定で、その収益の中から緑の東京募金への寄付も行なうという。

  製作されるのは「RX-78-2 ガンダム」(後期試作型)で、製造は乃村工藝社が担当。内部には鉄骨が使われ、海辺での展示を想定して外装にはFRPが使われる予定。全高は18m。頭部が上下左右に稼働し、イベントなどで動かすことを想定している(一般来場者の操作は不可)。なお、総製作費は非公開。

3月11日時点の潮風公園。完成イメージを元に、設置予定と思われる場所を撮影した。ただし、設置場所はまだ決定していない

完成イメージの夕暮れバージョン

夜間ライトアップイメージ。背面から見たところ

(C)創通・サンライズ


 

夜間ライトアップのイメージ。噴射されたミストに光が当たり、リアルな雰囲気が楽しめそう

(C)創通・サンライズ

 頭部と両眼、両肩警告ライト、両膝警告ライトなど、約50箇所に発光ギミックも内蔵。さらに、両胸スリット部と足首部分、背中のバーニアなど14箇所にミスト噴射ギミックも搭載。アニメの描写をそのまま再現したような、リアリティのある立像になるという。夜間はライトアップもされ、ミストが光を反射しているものなど、イメージ写真数点が公開。さらに発表会会場では1/30スケールの立像モデルも公開された。

公開された1/30スケールモデル。細部まで作り込まれているのがわかる30周年プロジェクトのイメージビジュアル

(C)創通・サンライズ




■ 新作ショートムービーを8月に発表

 等身大立像の製作は30周年記念の要となる柱の1つであり、「Real G」と名付けられている。これ以外に「Feel G」、「Soul G」という2つのプロジェクトが用意されている。「Feel G」は「ガンダムの世界観を体感していただくためのイベント」と位置付けられており、8月21日~23日まで、東京ビッグサイトにて開催される「GUNDAM BIG EXPO」を指す。

 トイホビーやゲームソフト、業務用ゲーム、映像コンテンツなどの関連商品を展示するほか、ステージイベントも開催予定。「現在、30周年を記念した映像作品としてショートムービーを作っている。その概要はGUNDAM BIG EXPOで発表する予定。テレビシリーズは毎年作っているが、30周年記念作品としては予定していない」(バンダイナムコ)という。

 「Soul G」では、ガンダムと音楽のコラボレーションイベントを計画。「これまでのガンダム作品に参加した数々のアーティストが集結する、一大音楽イベントを年内に行ないたいと考えている」(同社)という。「Feel G」と「Soul G」の詳細は後日発表される予定。

30周年記念プロジェクトのロゴマーク様々な商品展開が予定されている

(C)創通・サンライズ

 イベント以外にも、グループを横断して様々な商品やサービスの提供が予定されており、バンダイではプラモデルやアクションフィギュアの大型商品やファーストガンダムと30周年をモチーフにしたオリジナルデザインのアパレル商品を発売。バンダイナムコゲームスでは家庭用ゲームソフトの発売や業務用ゲーム機の展開、バンダイビジュアルでは映像パッケージソフトの発売に注力していくという。



■ 「ガンダムの新しい出発」

バンダイの社長で、チーフガンダムオフィサーの上野和典氏サンライズ社長の内田健二社長
 バンダイの社長で、チーフガンダムオフィサーの上野和典氏は30周年プロジェクトのコンセプト「Always Beginning(いつだって始まりだ。)」を紹介。「放送開始から30年を迎えても、新しい解釈による新作が次々と生まれ、新しいファンも沢山増えている。ガンダム自身、毎日が始まり。このプロジェクトを“新しい出発の時”と位置付け、イベントを企画した」と語る。

 サンライズ社長であり、数々のガンダムシリーズを手掛けてきた内田健二社長は「沢山の作品が作られ、消費される中、ガンダムは30周年を迎えても力強く脈動している」と、作品の特異性を表現。「作り手の都合だけでできることではない。それを支えているのは、ファンの皆さんも含めて“ガンダムの価値”を共有するフィールドが築きあげられている事」と分析。

 「“これからもフィールドを築き続けていく”という決意として30周年がある」と語り、様々な世代の人が参加し、ガンダムの魅力に触れ、そのフィールドを新しい世代に橋渡ししていく意義を強調。それを象徴するシーンとして、ファーストガンダムのラストシーンを上映した。

 バンダイナムコゲームス社長で、バンダイナムコホールディングス取締役の石川祝男氏は「このプロジェクトを通じ、ガンダムの魅力を改めて強力にアピールし、コンテンツの価値を再確認すると共に、長期的なビジネス戦略に繋げたい。そして、世界に存在感のあるエンターテイメントグループとして、大きく成長するキッカケとしていきたい」と展望を語った。

 

バンダイナムコゲームス社長で、バンダイナムコホールディングス取締役の石川祝男氏発表会に参加した報道関係者全員に、ガンプラが配られた



(2009年 3月 11日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]