東芝、LED/新超解像搭載の「REGZA ZX8000」

-Zは3ライン展開。デジタルW録+光沢パネル/新倍速


4月25日より順次発売

標準価格:オープンプライス


 株式会社東芝は、液晶テレビ「REGZA」のフラッグシップである「Zシリーズ」を一新。4月25日より順次発売する。価格はいずれもオープンプライス。ラインナップは下表の通り。

型番サイズパネル解像度仕様録画機能発売日店頭予想価格
55ZX800055型1,920×1,080ドットLEDバックライト
フルHDクリアパネル
レゾリューションプラス 2
デジタルW録
USB/LAN HDD7月上旬60万円前後
46ZX800046型6月下旬50万円前後
55ZH800055型1,920×1,080ドット300GB内蔵HDD
フルHDクリアパネル
レゾリューションプラス 2
デジタルW録
内蔵HDD
USB/LAN HDD
5月中旬50万円前後
47ZH800047型5月上旬40万円前後
47Z800047型1,920×1,080ドットフルHDクリアパネル
レゾリューションプラス 2
デジタルW録
USB/LAN HDD5月上旬37万円前後
42Z800042型4月25日32万円前後
37Z800037型5月中旬27万円前後

 

ZX8000シリーズは55/46型をラインナップ
 最上位シリーズのZX8000シリーズは、同社としては初のLEDバックライトを採用。LEDは白色で、自社開発のバックライトコントロールLSIによる映像制御などによりダイナミックコントラスト200万:1を実現している。

 またZX/ZH/Z8000のいずれも、液晶パネルに光沢感ある「フルHDクリアパネル」を採用。倍速駆動技術として、バックライト制御を組み合わせた「Wスキャン倍速」を新搭載し、液晶テレビ固有の残像感を低減している。

 ZH8000シリーズは300GB HDD内蔵モデル。ZH/Z80000もUSB HDDなどへのデジタル放送録画に対応している。新たに全モデルで2番組を同時に録画できる「おでかけW録」を実現している。


55ZX800047ZH800042Z8000

 


■ ZXはLED採用。クリアパネルでコントラスト向上。超解像も強化

・パネルと光源の改善点

フルHDクリアパネルを採用する
 ZX/ZH/Z8000シリーズは全モデルで1,920×1,080ドットのフルHDパネルを採用。駆動方式はZX8000がVA系でZH/Z8000がIPS系。パネル表面で外光を拡散せずに光沢処理を行ないうことで、引き締まった黒を実現する「フルHDクリアパネル」を新採用した。

 従来は半光沢パネルを採用していたが、光沢パネルに変更することで、外光の乱反射を抑制。明所コントラストを約30%向上している。さらにパネル内部からの光の散乱も低減されることから、コントラストだけでなくフォーカス感の向上を図っているという。

 当然、映り込みは増えることとなるが、「さらなる高画質を考えると、どうやってもやりたかった。特に今後LEDバックライトとそのエリア制御は間違いなくトレンドになり、“締まった黒”から画を作り出すことになる。そこで前面に艶消しフィルタが入ると、黒が浮いてしまう。だから、クリアパネルを選択した(東芝デジタルメディアネットワーク社 テレビ事業部 グローバルマーケティング部 参事の本村裕史氏)」という。

新モデル42Z8000(左)と従来モデル42Z7000(右)の比較

 

55ZX800046ZX8000
 ZX8000シリーズでは、REGZAシリーズとして初めて光源にLEDバックライトを採用。またバックライトのエリア制御技術の導入により、大幅にをコントラスト値を向上。コントラストは約5,000:1で、ダイナミックコントラストは200万:1。LEDの種類は白色で、エリア分割の数やLEDの数は非公開としている。

 自社製のバックライトコントロールLSIを新開発。映像エンジン「メタブレイン・プレミアム」による映像信号処理の画質制御に加えて、2つの専用LSIでバックライト点灯値算出用の信号処理を行ない、光の広がりを考慮しながら点灯状態を算出。映像信号処理でも点灯状態に応じた信号補正により最適な階調制御を行なえるようになったという。

 バックライト制御により黒浮きを抑制したことで、暗部ノイズが視認しやすくなったため、ノイズ低減処理を見直しているという。また、120Hzの倍速駆動に加えて、バックライトスキャンニングを組み合わせた「Wスキャン倍速」を搭載。パネルのバックライトを映像にあわせてOFFにすることで、ホールド表示によるぼやけを改善。バックライトの制御を垂直方向に三分割し、映像信号とタイミングをあわせて制御することで、輝度低下を抑えながら、残像感を低減したという。

ZX8000シリーズの映像エンジン2つのバックライトコントロールLSIを搭載映像エンジンは「メタブレイン・プレミアム」
専用LSIで映像に合わせてバックライトを制御左が新モデルの46ZX8000

 

 Wスキャン倍速の特徴
 白色(ホワイト)LEDを採用した理由については、「我々はホワイトが主流になると考えている。RGBについては色域が広いという利点はあるが、“画質”を考えるとホワイトLEDで正しくBT.709(HDTV規格)に合わせて、精度の高い画質補正をしたほうが、正しい画質になる。また、『LEDだから買えない』、という高額製品にはしたくない(本村参事)」としている。

 なお、ZH/Z8000は、LEDバックライトではなく、CCFL(冷陰極蛍光ランプ)だが、エリア分割してバックライトをスキャンし、残像低減を図る「Wスキャン倍速」を搭載している。コントラストは約1,100:1で、ダイナミックコントラストは2万:1。


42Z8000(左)と従来モデル55ZH8000(左)と47ZH8000(右)Z8000シリーズは47/42/37型の3モデル

・超解像処理は1080p外部入力対応。細かなリファインも

 また、Z7000シリーズで初搭載した超解像技術も「レゾリューション・プラス2」にバージョンアップした。

 

超解像も「レゾリューションプラス2」にバージョンアップ1,920×1,080i/pの入力信号に対しても超解像処理が可能になった
 従来のレゾリューション・プラスは、入力映像が1,920×1,080ドット未満の映像に対し、1,920×1,080ドット解像度に変換する際に超解像技術を適用していた。つまり、1,920×1,080ドットのBSデジタル放送や外部入力信号に対しては、超解像処理を適用することはできなかった。

 新バージョンでは、1,920×1,080i/pの映像信号に対してもレゾリューションプラスを動作させることができるようになった。そのため、DVDや地デジ放送をアップコンバートした外部入力信号に対しても精細感を向上できる。

 さらに周波数ヒストグラム検出により、超解像の再構成処理ゲインやフィルタを自動制御し、入力信号に対して高域成分を補正。シーンに応じた最適な処理を適用可能となったという。また、インパルスノイズ低減や、サイドパネルのあるCMや番組におけるドット妨害やクロスカラーを自動除去する「オート・ドット妨害クロスカラー除去」も新搭載した。

 また、超解像処理は「おまかせ」モードのほか、DVDの再生に最適という画質モード「DVDファイン」も追加。また、BDプレーヤーなどで4:4:4にクロマアップサンプリング処理された信号をそのまま表示する「ピュアダイレクトモード」も搭載。通常は4:4:4信号を入力すると、一部プロセスで4:2:2に変換し、表示時に4:4:4に戻して処理しているが、同モードでは一部プロセスをスキップして、4:4:4のまま入力から出力までを一貫処理する。

 HDMI入力については、RGB入力時のダイナミックレンジをフルレンジ(0-255)とリミテッド(16-235)から任意に選択できる「RGB入力ダイナミックレンジ切替」機能も新搭載。HDMI入力した映像の解像度や走査方式、アスペクト、色深度、色空間、クロマフォーマットなどをREGZA上で確認できる「HDMIフォーマット詳細表示」機能も追加された。また、クロマフォーマットごとに最適な処理を行なう色帯域切替機能も装備。「スタンダード」とより広色域表現が可能という「ワイド」の2モードが選択できる。

色帯域切替機能でスタンダードとシネマを切替DVDファインやピュアダイレクトなどの処理も選択可能に

 視聴空間や番組にあわせて、自動的に画質を調整する「おまかせドンピシャ高画質」も改善。人間の視覚反応では、明かりを落として暗くした際(暗反応)には、順応に150~180秒の時間がかかる。一方、暗い所から明るいところに移った際(明反応)は、20~30秒と早く適応できる。このように人間の明暗順応の違いにあわせた補正を組みこんだことで、照明の明滅直後に感じる違和感を低減しているという。 


■ デジタルW録に対応。HDMIは高速切替。TV用Yahoo!対応

レグザ番組表ファイン。2番組同時録画予約時には左側に2本の線が表示される

 チューナは、地上/BS/110度CSデジタルを各2系統、地上アナログを1系統搭載。ZX/ZH/Z8000の全モデルがデジタル放送の録画機能を搭載する。

 ZH8000は300GBのHDDを内蔵するほか、別売のUSB HDDとLAN HDDへの録画に対応。ZX/Z8000は、USB HDDとLAN HDDへの録画が可能となっている。録画機能の最大の進化点は、デジタル2番組同時録画「おでかけW録」に対応したこと。地上/BS/110度CSデジタルのどの組み合わせでも、2番組を同時録画可能で、おっかけ再生も可能。

 番組表は「レグザ番組表ファイン」で、「連ドラ予約」機能も搭載。録画リストや番組表の動作改善を図っている。内蔵HDD(ZH8000のみ)やUSB HDD、LAN HDDなど、それぞれのHDD間でダビングも行なえる。また、ワンセグ番組の同時録画機能も搭載しており、SDカードに書き出して、対応のポータブルDVDプレーヤーや携帯電話で録画番組を視聴できる。なお、ワンセグ録画はZX/Z8000は外付けUSB HDDのみ、ZH8000は内蔵HDDのみに行なえる。

 なお、2番組同時録画中は、録画中のチャンネル以外の番組視聴はできない。また、W録ができるのは、USB HDDもしくは内蔵HDDの利用時に限定され、LAN HDDやi.LINKを利用している場合は1番組のみの録画となる。また、ワンセグ同時録画を利用している場合も、W録できない。

DVDファインやピュアダイレクトなどの処理も選択可能に「新番組」やキーワードなどで絞り込み検索が行なえるEPGの「新」、「終」などの番組記号を選択して絞り込みが可能

 HDMI入力端子は4系統装備。Deep Colorもサポートしている。レグザリンクにも対応し、VARIDAやシアターラックとの連係動作が可能となっている。

 

リモコンテレビ版Yahoo! JAPANに対応
 さらに、HDMI入力の切り替え高速化する「InstaPort」に対応した。通常のHDMI機器では入力切替時に相互認証を行なうため、切替に時間がかかる。InstaPortでは、HDMI接続した外部機器などとの認証を、テレビの起動時などにあらかじめ行なうことで、入力切替速度を向上。従来HDMI1から2への切り替えは約5秒かかっていたが、新Zシリーズでは1.8秒まで短縮したという。

 ネットワーク機能も強化。Ethernetは、ネットワーク接続用とLAN HDD用、ひかりTV用の3系統を備えている。

 さらにアクトビラ ビデオ・フルに対応するほか、Yahoo!による「テレビ版Yahoo! JAPAN」に新対応した。DLNAクライアント機能も備えており、DTCP-IPにも対応。内蔵(ZH8000のみ)/USB/LAN HDDに録画した番組をネットワークを介して、VARDIAやDTCP-IP対応のLAN HDDにダビングできる「レグザリンク・ダビング」機能も搭載している。

 

型番55ZX800046ZX800055ZH800047ZH800042Z800042Z800037Z8000
シリーズZX8000ZH8000Z8000
サイズ55型46型55型47型47型42型37型
パネル1,920×1,080ドット
フルHDクリアパネル
超解像レゾリューションプラス2
Wスキャン倍速駆動
パネル方式VAIPS

バックライト

白色LEDCCFL

コントラスト
(ダイナミックコ
ントラスト)

5,000:1
(200万:1)
1,100:1
(2万:1)
画像エンジンメタブレインプレミアム
DeepColor
チューナ地上/BS/110度CSデジタル×2、地上アナログ×1
内蔵HDD
(300GB)
録画機能USB/LAN HDD内蔵HDD
USB/LAN HDD
USB/LAN HDD
音声出力10W×2ch
ツイータ:3.2cm
フルレンジ:6×13cm
10W×2ch
フルレンジ:
3.5×16cm




HDMI入力4
(InstaPort対応)
D4入力2
S映像入力2
コンポジット4
HDMI
アナログ
音声入力
1
イヤフォン1
i.LINK2
Ethernet3(汎用、HDD専用、ひかりTV専用を各1系統)
USB2(録画専用1系統)
デジタル放送
録画出力
1(S1映像出力端子)
光デジタル
音声出力
1
レグザリンクHDMI連動、USB、LAN HDD、
DLNA、i.LINK
SDカード
スロット
ワンセグ録画
(外付けUSB HDD
のみ可能)

(内蔵HDDのみ可能)

(外付けUSB HDD
のみ可能)
ブロードバンドテレビ版Yahoo! JAPAN、インターネット、アクトビラ・ビデオ フル、ひかりTV
消費電力未定未定306W236W234W205W178W
年間消費
電力量
未定未定273kWh/年209kWh/年204kWh/年173kWh/年157kWh/年

外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
スタンド含む

136.2×41.2
×90.1cm
115.8×34.5
×78.3cm
136.2×35.3
×89.5cm
117.6×31.6
×78.5cm
117.6×31.6
×78.5cm
100.9×31.6
×70.1cm
90.2×26.6
×64cm

重量
(スタンド含む)

未定未定37kg27kg26kg22.5kg17.5kg

 


(2009年 4月 7日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]