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パナソニックがベルリン・フィルを4K/ハイレゾ配信へ。新UHD BDプレーヤーやカムコーダも

 パナソニックは、国際コンシューマエレクトロニクス展示会「IFA 2016」の開幕に先駆け、8月31日(現地時間)にプレスカンファレンスを開催。この中で、ベルリン・フィルの4K/HDR映像とハイレゾ音声での配信や、UHD BDプレーヤー/4Kカムコーダ新製品などを発表した。

欧州パナソニックのLaurent Abadie社長兼CEO

ベルリン・フィル「デジタル・コンサートホール」を4K/HDRやハイレゾで配信

 パナソニックとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(ベルリン・フィル)は、4K/HDR映像やハイレゾオーディオプラットフォームの構築を共同で進めることに合意。これにより、ベルリン・フィルのコンサートを高品質な映像と音声で家庭や自動車向けに配信できるように協力する。

ベルリン・フィルとの協業をパナソニック アプライアンス社の楠見雄規副社長が発表した

 パナソニックはベルリン・フィルが展開しているインターネット動画配信プラットフォーム「デジタル・コンサートホール(DCH)」に対応し、このプラットフォームをアップデートすることにより4K/HDR映像やハイレゾ音声で配信できるようにするという。アップデートによるデジタル・コンサートホールの4K/HDRとハイレゾでの配信は、2017年に開始予定。

 さらに、ベルリン・フィルはパナソニックのハイエンドオーディオブランド・Technics(テクニクス)とのコラボレーションも決定。アナログレコードを含む録音技術などで協力する。

 ベルリン・フィルの主席チェロ奏者でありベルリン・フィル・メディアCEOのOlaf Maninger氏も登壇し、これまでベルリン・フィルが録音などのテクノロジーの進化とともに発展してきたことを振り返りつつ、パナソニックとの新たな協業に期待を寄せた。

ベルリン・フィルのOlaf Maninger氏

4K/UHDプレーヤーや4Kカムコーダ新機種も

 日本でも6月に発売したUltra HD Blu-ray対応プレーヤーのハイエンドモデル「DMP-UB900」に加え、より安価なスタンダードモデルとして「DMP-UB700」を欧州で10月に発売すると発表。UB900と同様にUltra HD Premium規格に対応し、4K/HDRコンテンツを再生できる。なお、日本では低価格モデルとして「DMP-UB90」が発売されている。

 「DMP-UB700」は「4K High-Precision Chroma Processor」を搭載。4K Direct Chroma Up-scaling機能なども備えている。HDMI出力は2系統。無線LAN機能も備え、ネットワークプレーヤーとしても利用できる。

4K UHD BDプレーヤースタンダードモデルの「DMP-UB700」

 4K/HDRの制作においては、業務用4Kカムコーダ「HC-X1」を欧州では12月に発売することも発表。より正確なAFを実現する1型MOSセンサーと、広角24mmからの光学20倍ズームに対応したライカディコマーレンズを搭載し、4K/24p(4,096×2160ドット)、UHD 60p/50p(3,840×2,160ドット)、フルHD 60p/50pに対応。トリプルマニュアルリングや、2ch XLR入力、有機ELビューファインダなどを備える。

4Kカムコーダ「HC-X1」
4K/HDRを制作から家庭で楽しむところまでエンド・ツー・エンドで実現
ベルフィン・フィル配信を車載向けにも行なうなど、車載エンタメも強化

 なお、パナソニックはこの会見で有機ELテレビの新たなプロトタイプも発表した。有機ELの取り組みについては別記事で掲載している

 生活家電では、大和ハウスやseven dreamersと協力で進めている、自動で洗濯から乾燥、折り畳みまで行なう「laundroid(ランドロイド)」を紹介。また、美容家電ではクレンジングブラシ「EH-XC10」や「EH-XT20」などのスキンケア製品を欧州で発売することを発表した。

laundroid
美容家電を欧州でも展開

 また、日本の神奈川県藤沢市などで進めているスマートシティの新たな展開として、ベルリンで「FUTURE LIVING BERLIN」というプロジェクトを行なうことも紹介。エネルギーや環境、セキュリティなどの面でよりよい生活を目指す取り組みをアピールした。

FUTURE LIVING BERLINのプロジェクトを展開