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1~9月のAVアンプ販売は半数超がDolby Atmos対応、前年比2.4倍に。GfK調査

 GfKジャパンは20日、家電量販店におけるホームシアター向け立体音響システムの販売動向を発表した。'16年1月~9月におけるDolby Atmos(ドルビーアトモス)対応AVアンプの販売台数は、前年同期の2.4倍となり、AVアンプ全体の55%まで拡大したという。

Dolby Atmos対応AVアンプの販売推移('15年1~9月を100とした指数値)
出典:GfK

 新たな立体音響技術として'12年に発表されたDolby Atmosは、「オブジェクトベース」のミキシングにより、垂直方向の表現力が向上した点などが特徴。映画館への導入からスタートし、'14年からはAVアンプなどのホームシアター向け製品も登場し、製品ラインナップが拡大している。

 全国の家電量販約4,000店の販売実績(POSデータ)を集計したGfK調査では、'16年1~9月の家電量販店におけるDolby Atmos対応AVアンプ(9月30日時点でファームウェアアップデート対応した製品も含む)の販売モデル数は40を超え、販売数量は前年同期の2.4倍、金額は1.7倍に拡大した。

 また、AVアンプにおけるDolby Atmos対応モデルの構成比は、数量ベースでは前年同期の21%から55%に、金額ベースでは40%から72%に上昇。'15年夏以降に、手ごろな価格の製品が相次いで発売され、'14年は10万円を超えていたDolby Atmos対応AVアンプの平均価格は、'16年1~9月では72,800円まで下がっている。

 また、同じくオブジェクトベースの立体音響である「DTS:X」フォーマットへの対応も進み、ファームウェアのアップデートでの対応が中心ながら、'16年1~9月のDTS:X対応AVアンプの構成比は、数量ベースで40%、金額ベースでは51%に達している。

Dolby AtmosとDTS:X対応モデルの販売構成比
出典:GfK

 Dolby Atmosなどの利用には、天井方向からの音を必要とするため、スピーカーを天井に設置する方法以外に、床置きのスピーカーから天井に音を反射させるイネーブルドスピーカーやサウンドバーなど、設置しやすくした製品も増えている。

 コンテンツも拡充し、'14年に3タイトルだったDolby Atmos対応Blu-rayは、'16年9月末時点で50タイトルを突破。GfKは「製品選択肢の増加と手軽さの向上により、縮小が続くホームシアター市場の需要喚起につながるかが注目」としている。