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JDIが有機ELのJOLEDを連結子会社化、フレキシブルや中/大型有機EL強化

 中小型ディスプレイ事業のジャパンディスプレイ(JDI)は21日、有機ELディスプレイ開発を手掛ける「JOLED」の発行済株式の一部を産業革新機構(INCJ)から取得し、JOLED株式の持株比率を51%まで引き上げ、JOLEDを連結子会社化することを決定した。

 21日にはINCJがJDIに対して、750億円を上限とする追加投資を決定。これにあわせて、JDIはJOLEDの株式取得を決め、2017年度上半期のJOLEDの連結子会社化を目指す。

 JOLEDの子会社化により、JDIは印刷方式有機ELディスプレイ(印刷OLED)の技術開発を目指す。INCJが拠出する資金も、これらの成長戦略に使われる予定。JOLEDは、2016年9月に印刷OLEDパイロットラインを立ち上げ、事業化を検討しているが、今後のJOLEDの事業化加速のためには、JDIとの連携を一層深めるべきと判断。JDIによるJOELD連結子会社化を決めた。

JOLED子会社化のシナジー

 JDIは、中期経営戦略についても説明。2021年度にはノンモバイル比率を50%超にまで高めるほか、キャッシュフロー経営を徹底する。また、次世代フレキシブルディスプレイ技術の進化、蒸着OLEDや印刷方式OLED技術の確立など、技術ポートフォリオの拡充を目指す。2021年度の売上高目標は1.2兆円、営業利益率は13%。

中期経営計画

 今回得た成長資金は、フレキシブルFULL ACTIVEディスプレイのほか、2018~19年度の蒸着方式OLEDの量産、2019年度の印刷方式OLEDの量産に向けた技術開発に用いる。量産化については、新たな事業モデルを検討し、フレキシブルディスプレイを推進していく。

 JOLEDの子会社化により、印刷方式OLEDによる中型から大型への事業領域を拡大。さらにフロントプレーンの技術ポートフォリオ拡充や開発強化、LTPS/酸化物半導体などの共通バックプレーン技術の開発リソース結集、調達や本社機能などのリソース共通化が図れるとしている。

JOLEDによるRGB印刷OLED