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最上位液晶REGZA「Z810X」は“きらめき4K”。明るい高画質の50/58/65型

 東芝映像ソリューションは、液晶REGZAのフラッグシップ「REGZA Z810Xシリーズ」を2月上旬より発売する。65型「65Z810X」、58型「58Z810X」、50型「50Z810X」の3モデルを用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は65型が63万円前後、58型が42万円前後、50型が35万円前後。

REGZA Z810Xシリーズ

 液晶REGZAの最上位シリーズで、'15年末発売のZ20Xシリーズの後継機となる。全面直下型LEDバックライトと新映像エンジン「レグザエンジンBeauty PRO」を搭載し、特に肌色の表現を向上した「素肌美人レグザ」としてアピール。黒の絶対的な締りによるハイコントラストの有機EL「X910シリーズ」に対し、Z810Xシリーズは肌色や階調の滑らかさや、ピーク輝度の高さによる印象的な“きらめき”、地デジ高画質による日常的な使いやすさなど、液晶ならではの高画質を訴求していく。

65Z810X

 4K放送チューナ(124/128度CS)も内蔵し、本体だけで4K放送を視聴できるほか、6チャンネルの地デジ番組を常時録画できる「タイムシフトマシン」に対応。Netflixや、ひかりTV 4Kなどの4K映像配信サービスにも対応する。

「熟成超解像」など熟成の4K/HDR液晶画質

 液晶パネルは、65/58/50型のいずれも4K/3,840×2,160ドットのVA方式。パネル表面処理は光の透過率の良いグレア(光沢)タイプながら、拡散反射を低減。外光の反射を抑えながら、映像のクリアさやコントラスト向上を図っている。

65Z810X
58Z810X
50Z810X

 バックライトは直下型LEDで、ピーク時で1,000nitを超える高輝度を実現するほか、ローカルディミング(LED部分駆動)に対応し、細かなエリアコントロールにより、コントラスト感を向上する。

 液晶パネルも広色域化し、BT.2020を80%カバー。64色軸の高精度色空間処理により、「物体の色限界を超えない最明色制御」を実現する「広色域復元プロ」に対応。過度な色強調を抑え、自然でリアルな色彩を再現する。

 映像エンジンは新開発の「レグザエンジンBeaty PRO」。5フレーム(4K映像入力時は3フレーム)を参照し、ノイズ処理を行ないながら精細感を復元する「複数フレーム超解像」が「アダプティブフレーム超解像」に進化。アニメやCM、映画など、映像の種類ごとに適切な参照フレームを選択することで、ノイズやチラつきを低減し、クリアな映像を実現できるという。

 また、映像の局所的な黒つぶれと白とび(色飽和)を抑制し、映像全体のコントラスト制御と組み合わせることで、自然な階調表現を実現する「ローカルコントラスト復元」を搭載。通常の映像(SDR)でもHDRのような質感、階調を復元できるとする。明るいシーンにおいて、ハイライト部分の顔の色飽和を抑えて、立体感や質感を高める「美肌リアライザー」も搭載する。

美肌リアライザー

 新機能として「きらめき復元」を搭載。星空や夜景、音楽ライブにおける楽器の反射など、暗いシーンの中で再現しにくい「きらめき感」を復元するという技術で、暗いシーンからのきらめき信号の正確な抽出と、点状の高域成分増幅により、“クリアなきらめき”を表現できるという。

きらめき復元

 「熟成超解像」も搭載。これは、24フレーム映像入力時に、超解像処理とノイズリダクションをそれぞれ2回行ない、精細感を高めるもの。1回目の処理では、超解像処理とノイズリダクションを施しながら4K化、2回目では4K化された映像にさらに超解像とNR処理を行なう。処理の対象となる映像の解像度が異なるため、4Kらしい精細感の復元とノイズ低減が図れるとする。

 HDRにも対応し、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)などで採用される「HDR10」と、4K放送で用いられる「Hybrid Log Gamma」(HLG)の2方式をサポート。OLEDのX910シリーズと同じく、「AI機械学習HDR復元」も搭載する。UHD BDなどのHDR編集コンテンツと、従来編集(SDR)コンテンツの映像素材を独自に比較/解析して得たパラメータを用いて、SDR編集の映像も高精度にHDRクオリティに復元する。

AI機械学習HDR復元

 また、入力映像をシーン解析し、映像の種類を認識し、自動画質調整の精度を向上するという「AI深層学習シーン解析」も搭載。映像配信サービスからの映像をリアルタイムに解析し、適切な超解像やノイズリダクションを加えて4K高画質化する「ネット映像オートピクチャー」や、HDMIの音声フォーマットで放送やBDなどを判別し、適切な画質で再生する「HDMI入力自動画質調整」も備えている。

 HDMI入力は4系統で、全て、Ultra HD Blu-rayの4K/60pのHDR信号(4:2:2 12bit/HDCP 2.2)入力に対応。ゲームに必要な高画質処理を行いながら、約0.6フレームの低遅延を実現。1080p/120Hz入力にも対応する。

58Z810X

サウンドも強化

 スピーカーは、総合出力46W(15W×2ch+8W×2ch)で、3.0×9.6cmのフルレンジ×2と、3cmツィータ×2で構成。フルレンジは低歪み化した新開発のもので、ツィータは、前面放射配置で高域再現性を高めた「ノーメックスドームツィータ」を採用。マルチアンプ駆動により、迫力を向上している。DSP処理により、音質を向上する「レグザサウンドイコライザーファイン」は、中高域の補正バンド数を従来の120から213バンドに増やすことで、低音の分解能はそのままに中高域の分解能を高めているという。

 また、別売のレグザサウンドシステム「RSS-AZ55」との連携動作にも対応。RSS-AZ55をREGZAにHDMI接続することで、REGZAのツイータとフルレンジの高域成分を、RSS-AZ55と同時に再生。広がりと奥行あるサウンドを実現できるという。なお、Z20XではRSS-AZ55とZ20Xのツィータのみの連動動作だったが、Z810Xではツィータに加え、フルレンジの高域成分も連動するようになった。

レグザサウンドシステム 新シンクロモード

 最大6チャンネルのデジタル放送番組を常時録画できる「タイムシフトマシン」も搭載。タイムシフト用のHDDは別売。チューナは、地上デジタルが9系統、BS/110度CSデジタルが3系統と、4K放送用のスカパー! プレミアムチューナを搭載。通常録画の場合も、USB HDDを別途追加する必要がある。

 タイムシフトマシンは、放送中の番組をボタン一つで最初から再生できる「始めにジャンプ」、放送済み番組表から見たい番組を再生する「過去番組表」、画面下に[新番組]、[いつもの番組]、[あなたにおすすめ番組]などリストを表示して、好みに合った場組をすぐに選べる「ざんまいスマートアクセス」の3種の検索方法を用意。いずれもリモコンの専用ボタンからワンボタンで呼び出せる。また、リモコンのマイクを使って見たい番組を検索できるボイス機能も備えている。

 放送や録画番組を見ながら、放送中の地デジ番組を最大6チャンネル同時に表示する「まるごとチャンネル」にも対応する。好きなジャンルや人物、番組などの関連番組/コンテンツの[パック]から、録画やコンテンツ検索が行なえる「みるコレ」も備えている。著作権保護技術のSeeQVaultにも対応する。

 映像配信サービスは、Netflix、ひかりTV 4K、ひかりTV 4K-IP放送、YouTube、dTV、アクトビラ4K、DMM.com、TSUTAYA TV、U-NEXT、niconico、クランクインビデオに対応する。

 消費電力は65型が467W、58型が394W、50型が348W。年間消費電力量は、65型が215kWh/年、58型が197kWh/年、50型が181kWh/年。外形寸法/重量は65型が146.1×32.7×91.3cm(幅×奥行×高さ)/24.5kg、58型が130.2×22.8×82.1cm(同)/20.5kg、50型が112.8×22.8×71.6cm(同)/16.5kg。