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コオロギ大量生産研究など、パナソニックが渋谷に若手開発者を支援する実験区「100BANCH」

 パナソニックは、JR渋谷駅新南口エリアに「100年先の世界を豊かにするための実験区」として、「100BANCH(ヒャクバンチ)」を7月7日に開設。若い世代を中心としたプロジェクトチームに対して、各分野のトップランナーが活動を支援する場で、1階はカフェスペースになっている。パナソニックとロフトワーク、カフェ・カンパニーが共同で展開する。

100BANCHの3階「Loft」

 2018年にパナソニックが創業100周年を迎えることを機に、構想がスタート。「これからの時代を担う若い世代とともに、次の100年につながる新しい価値の創造に取り組むための施設」として作られた。

 1階はカフェ・カンパニーが企画・運営する未来に向け新たな食の体験を探求するカフェスペース「Kitchen」(今秋オープン予定)、2階は様々なプロジェクトが同時多発的に展開するプロジェクトメンバーのためのワークスペース「Garage」、3階はパナソニックが次の100年を創り出すためのコラボレーションスペース「Loft」となる。

プロジェクトメンバーのためのワークスペース「Garage」

 4月12日~5月12日の間、100BANCHで活動を展開するプロジェクトチームの第一期の公募が実施され、全68件の応募から審査の末、「会話を生み出す吹き出し型の翻訳機の開発」「オープンソースのパーソナルロボット開発」、「昆虫コオロギの大量生産技術の確立と養魚飼料としての普及を目指すプロジェクト」、「街全体をコワーキングスペースにするプロジェクト」など13件のプロジェクトが採択。これらのチームが7月7日以降、100BANCHにプロジェクトスペースを構え、それぞれの活動をスタートする。

 プロジェクトの審査や支援を行なうメンターは、石川善樹(予防医学研究者、Campus for H 共同創業者)、池田晶紀(写真家)、岩佐琢磨(Cerevo代表取締役)、大嶋光昭(パナソニック株式会社 元理事・技監)など。

 100BANCHの住所は、東京都渋谷区渋谷3丁目27-1。倉庫として使われていた築41年の建物を、建築家の長坂常氏の空間デザインでリノベーションした。

 2階の「Garage」は、様々なプロジェクトが同時多発的に展開するプロジェクトメンバーのためのワークスペースで、常時15組程度のチームが活動。プロトタイプの展示やミートアップなど、100BANCHを訪れる人々と交流しながらプロジェクトを推進していく。

 3階の「Loft」は、パナソニックが次の100年を創り出すために新設したコラボレーションスペース。「未来の兆しを捉え、新たな価値を創造することを目指す」としており、夜間や休日には、ワークショップや100人規模の発表会にも使えるイベントスペースとして広く解放する。

3階の「Loft」

 1階は「Kitchen」。未来に向け、新たな食の体験を探求するカフェスペースと題しており、渋谷区に本社を置き2001年の創業1店舗目もこの渋谷駅新南口エリアであるカフェ・カンパニーが企画・運営。2017年秋にオープン予定。

1階はカフェ「Kitchen」