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5.7K小型シネマカメラ「EVA1」や、8Kレコーダをパナソニックが展示。360度カメラは非圧縮4K

 幕張メッセで11月17日まで開催中の「Inter BEE 2017」において、パナソニックはSuper 35mm 5.7Kセンサーのシネマカメラ「EVA1」(AU-EVA1)や、NHKに採用された8Kレコーダ「AJ-ZS0580」、360度ライブカメラシステムなどを紹介している。

EVA1とVARICAMのコーナー

5.7Kセンサーで1.2kgのシネマカメラEVA1。アップデートで記録モード追加も

 EVA1は、有効1,725万画素(5,720×3,016ドット/5.7K)のSuper 35mm MOSセンサーを搭載するシネマカメラ。10月末から発売しており、価格は83万円。1.2kg(レンズ除く)のコンパクトな本体に「VARICAMシリーズのシネマ画質を継承する」という。V-LogモードでのカラースペースはV-Gamutで、VARICAMと同じ。BT.2020をフルにカバーする広色域を実現している。

EVA1

 VARICAMシリーズで導入されたデュアルネイティブISO感度も採用。各画素に2つの独立した感度設定のアナログ回路を持ち、高感度でもゲインでノイズを発生させず、高感度へ切り替え可能としている。SDカードのデュアルスロットを備え、本体でALL-Intra記録ができるほか、サードパーティ製レコーダへの5.7K RAW出力にも対応するという。

 今後のファームウェアアップデートにより、ループRECとバックグラウンド記録、アニメーション制作のフレーム撮りに対応したワンショットRECなども可能になる予定。

SDカードのデュアルスロットを装備

8Kレコーダ

 8Kカメラ収録対応のレコーダ「AJ-ZS0580」も展示。NHKと共同開発し、11月に納入するという。特注品となっており、価格は構成などによって異なるが参考価格は約2,000万円。

8Kレコーダ「AJ-ZS0580」

 7,680×4,320ドット/59.94pの8K映像をAVC-Intra 4:2:2コーデックで約2時間収録/再生可能。入出力は12G-SDI×4本(QuadLink)。8K収録だけでなく4K/HD送出までの用途を想定。記録メディアはexpressP2カード(8K記録/4枚セット)とmicroP2カード(HD記録)を使用する。BT.2020準拠の8K映像から、4KやHD、SDRへの変換も可能。

 2018年春のアップデートにより、無線LAN経由でPCからの操作が可能になるほか、夏に予定している有償アップデートで、8Kデュアルグリーン素材や4K(AVC-Intra4K)素材の再生も可能になるという。

 4Kレコーダ「AJ-URD100」も特注品として発売。AVC-Intra4K 4:2:2とHDの同時収録/同時出力に対応。インターフェイスは12G-SDIまたは3G-SDI×4本。8chの24bit PCMオーディオにも対応し、SDI/MADI入出力が可能。参考価格は、上記8Kレコーダの半額以下。

4Kレコーダ「AJ-URD100」
12G-SDI対応ライブスイッチャーなど、4K制作のスタジオシステムも

360度4Kカメラや、多目的4Kカメラも

 業務用360度カメラとして、非圧縮4K出力対応のカメラヘッド「AW-360C10」とベースユニットの「AW-360B10」を展示。2:1の正距円筒図法(エクイレクタンギュラー)形式に対応し、スポーツ中継やイベント、コンサートのライブ配信などで臨場感のある360度撮影ができるという。4つのカメラからの映像をスティッチングして4K/30pの動画を生成。LAN経由によるモニタリングやカメラ制御も可能。1月に開催された「春高バレー2017」におけるYouTubeでのVR生配信に採用されたという。

360度カメラヘッド「AW-360C10」
カメラヘッド(右)とベースユニット(左)

 4Kマルチパーパスカメラ「AK-UB300GJ」は、4K/HD同時出力に対応した2/3レンズマウントのモデル。オプションの12G出力ボード、3G TICO UHD出力ボードの差し替えによって、4K映像をケーブル1本で伝送できる。同社スタジオハンディカメラで採用している独自のHDR調整機能も備える。

4Kマルチパーパスカメラ「AK-UB300GJ」

 医療向けに、超小型のヘッド分離型4Kカメラ「GP-UH532」も展示。HDMIとSDIで4K+4Kの同時出力が可能で、モニタリングと記録に利用できる。フットスイッチによる操作も可能。

医療向のヘッド分離型4Kカメラ「GP-UH532」
スポットライト型プロジェクタ「space player」のデモも