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HDR新規格「HDR10+」対応製品がまもなく。パナやSamsung、ワーナーも対応
2018年1月7日 00:00
20世紀フォックス、パナソニック、サムスンらが推進するHDR(ハイダイナミックレンジ)映像の共同規格「HDR10+」の進捗状況や新ロゴが5日(米国時間)発表された。まもなく、コンテンツ会社や、テレビ、Blu-rayディスクプレーヤー/レコーダ、セットトップボックスの製造会社、SoC製造会社など向けのライセンスを開始する。また、Amazonがプライムビデオで対応したほか、新たにWarnerが'18年にHDR10+対応の作品の発売を決めた。
現在、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)などで利用されている「HDR10」は、静的なトーンマッピングを行なうが、「HDR10+」は、シーンにあわせて動的なトーンマッピングを行なう「ダイナミックトーンマッピング」を採用。フレーム間またはシーン間の輝度、彩度、コントラストのシーンバリエーションを反映し、ディスプレイの画質を最適化。視聴体験を向上させる。
HDR10+は、デバイス認証プログラムで機器を認証し、コンテンツ製作者の意図通りに、コンテンツを正確に表現することを保証。また、コンテンツ製作者に提供するワークフローの改善により、より多くのプレミアムHDRコンテンツを製作可能になるという。
HDR10+ライセンスプログラムは、高画質を維持しつつ、各メーカーが独自のダイナミックトーンマッピングを適用できるように、HDR10+テクノロジ実装のために必要な技術仕様とテスト仕様を、HDR10+に関心のある企業に提供。製品が認定されれば、HDR10+ロゴを製品につけることができ、ロゴの付いた製品は優れた画質で再生可能なことを示す。
新たにオープンしたサイトで、新しいロゴや最終仕様、アダプター契約書などを含むライセンスプログラムを確認できる。現在、Ultra HD Blu-ray用メタデータ生成ツールを開発中で、コンテンツ制作者がHDR10+対応UHD BDプレーヤー向けのHDR10+コンテンツを市場導入するためのツールも利用可能になる予定。
コンテンツ作成に必要なコンテンツ配信規格や、インターフェイス規格に関する詳細情報についても、まもなくリリース予定としている。
ライセンスプログラムの骨子は以下の通り。
- TV、UHD Blu-ray、OTT-STB等を製造する機器製造メーカー、コンテンツ配信サービス業者、SoC製造メーカー、コンテンツ制作会社、コンテンツ制作ツール提供会社向けにライセンスを提供
- ユニットあたりロイヤルティ無し
- 最低限の年間管理費用のみ(機器製造メーカー、SoC製造メーカー、およびコンテンツ配信サービス業者)
- 技術仕様、テスト仕様、HDR10+ロゴ/ロゴガイド、技術仕様とテスト仕様に直接関係する3社の特許使用権を含む
- TVなどの機器の認証は、第三者の認定テストセンターによって実行
HDR10+ライセンスプログラム開始後、HDR10+ファウンダー3社(FOX、パナソニック、サムスン)は、将来のすべてのUltra HD映画、対応テレビ、Ultra HD Blu-rayプレーヤー/レコーダーなどでHDR10+に対応する。
また、映像配信ではAmazonプライムビデオが、全てのHDR作品をHDR10+に変換して利用可能とし、グランドツアーなどの作品がHDR10+に対応。さらに、Warner Brosもサポートを表明し、同社コンテンツにHDR10+ダイナミックメタデータソリューションを適用。2018年の新作映画タイトルと既存4K HDR映画タイトル(75作品以上)を消費者に提供するという。
パナソニックやサムスンは、9日に米国ラスベガスで開幕するCES 2018で、HDR10+関連の製品展示やデモンストレーションを予定している。