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LIXILとローランド、音にこだわったトイレ用音響装置「サウンドデコレーター」

 LIXILとローランドは、音にこだわったトイレ用音響装置「サウンドデコレーター」を共同開発。2月1日からLIXILが販売開始する。価格は、便器に近づくと自動で音が流れる「オートタイプ」(露出型/埋込型)が各32,800円、手をかざして音を発生させる「手かざしタイプ」が21,800円。工事費は別。

サウンドデコレーター

 シャワートイレ発売から半世紀を迎えたLIXILが、さらに快適なトイレ空間を提供するため、音に着目。40年以上に渡って独自技術でサウンドを追求する電子楽器メーカーのローランドと共同で開発した。電子楽器だけでなく、電気自動車の走行時のサウンドなど、異業種分野とのコラボレーションも行なうローランドの技術により、「トイレでの安心感とリラックス感を実現するよう最適なチューニングを施した」という。

サウンドデコレーターの施工例

 トイレ使用時の音を人に聞かれたくないというニーズに応えて使われている現在のトイレ用音響装置は、流水音などを録音した音源を再生して音を隠すものだが、「聞かれたくないという悩みを十分に解消したわけではない」という。

 新開発の「サウンドデコレーター」は、トイレ使用時の音の周波数帯域を細かく分析し、トイレの使用時の音を聞こえづらくする「マスキング効果(同時に異なる2つの音波が耳に届く時、弱い音波は強い音波に打ち消されてしまう効果)」を持つ音源を搭載。「せせらぎ音」により、安心感とリラックス感を味わえるという。また、トイレ使用者のプライバシーを守る目的での無駄な洗浄を防ぎ、大幅な節水にもつながるとしている。

聞き心地のよいサウンドを追求

 搭載する「せせらぎ音」は、録音した音をそのまま使うのではなく、ローランドの音づくりのノウハウを活かして制作。実際に山奥まで機材を持ち込み「小川のせせらぎ」や「野鳥の鳴き声」など数多くのサンプルを録音。そこから音の要素を切り出してプロの技術で合成した。せせらぎ音は、周波数帯をトイレ使用時の音と合わせることでマスキング効果を高め、音を気にせずトイレを使用でき、「まるで森の中にいるかのような聞き心地よいサウンド」としている。

 トイレ用音響装置の使い方が分からない人でも、使用者を検知して自動的に「せせらぎ音」が鳴り始めるオートタイプと、壁に固定するだけの省施工な手かざしタイプを用意。電源工事が難しい改修の現場などでも使用可能としている。

「オートタイプ」(左)と、「手かざしタイプ」(右)を用意
「サウンドデコレーター」紹介動画