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DCI 4KやHDR動画対応のミラーレス一眼「FUJIFILM X-H1」

 富士フイルムは、4K/30pまでの動画撮影機能を備えたミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-H1」を3月1日より発売する。価格はオープンプライスで、ボディ単体の店頭予想価格は24万円前後。

X-H1。別売レンズ「XF16-55mmF2.8 R LM WR」を装着したところ

 Xマウントのレンズ交換式デジタルカメラ「Xシリーズ」最上位機種。シリーズ初となるボディ内5軸手ブレ補正機能を搭載し、5段以上の手ブレ補正効果により、スポーツなどのアクティブなシーンや夜景の撮影に適するという。センサーは2,430万画素、APS-Cサイズの「X-Trans CMOS III」。画像処理エンジンは「X-Processor Pro」。

 像面位相差AFは、新たなAFアルゴリズムにより、暗所でのAF速度・精度を向上。ズーム中のAF-C機能を大幅に高めた。また、「フリッカー低減撮影機能」を搭載して蛍光灯など照明がちらつく状態での連写撮影でも安定した露出を実現。インドアスポーツの撮影などで使えるとする。捕捉性能を高めたことで、動物の毛並みのような微細なテクスチャを持つ被写体も精緻に撮れるという。

 動画は1080/60pに加え、アスペクト比17:9のDCI 4K(4,096×2,160ドット)/30pの撮影が可能。連続撮影は約15分まで。動画の記録形式はMPEG-4 AVC/H.264(MOV)。Xシリーズの特長である「フィルムシミュレーション」を活かした多彩な色調の動画撮影も行なえる。200Mbpsの高ビットレート記録にも対応。ハイダイナミックレンジのガンマカーブ「F-Log(エフログ)」記録と外部機器への非圧縮出力も可能になるなど、プロの映像制作ニーズに応える動画撮影を実現した。

 フィルムシミュレーションには、新たに富士フイルムの映画用フィルムの色・階調を再現した「ETERNA(エテルナ)」モードを搭載。落ち着いた発色と豊かなシャドウトーンで動画撮影に適し、撮影後の加工処理の自由度も高めているという。音声収録面では、48KHz/24bit対応の高音質内蔵マイクや音声タイムコード機能を採用。外部マイク入力も備えている。

 記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカード。UHS-IIに対応する。EVF(電子ビューファインダー)は0.5型/369万画素で、視野率は約100%。3型/104万画素のタッチパネル式液晶モニタを備える。IEEE 802.11b/g/n無線LANとBluetooth機能も内蔵する。

 新開発の高剛性・高耐久ボディは、マグネシウム合金の厚みを増したほか、粒度を高めた塗料で擦過耐性を向上。防塵・防滴構造と−10度の耐低温性能も備え、本格的なフィールド撮影に対応する。外形寸法は、139.8×85.5×97.3mm(幅×奥行き×高さ)。バッテリとメモリーカードを含めた重量は約673g。

 別売オプションとして、バッテリーパックを2個内蔵できるパワーブースターグリップ「VPB-XH1」(49,500円)を用意。縦位置撮影が可能になるほか、4K動画の記録時間を約30分まで伸ばせる。ヘッドフォン端子を備え、動画記録中の音声モニタリングも可能。付属のACアダプタで2基のバッテリを同時充電(約2時間)できる。

X-H1にパワーブースターグリップ「VPB-XH1」を装着

Xシリーズ用で初のシネマレンズ。6月に2機種発売

 Xシリーズのデジタルカメラ用交換レンズで初となる、動画撮影に最適化したシネマレンズ2機種も発表。6月発売予定で、価格は「フジノンレンズ MKX18-55mmT2.9」が549,500円、「フジノンレンズ MKX50-135mmT2.9」が599,500円。「MKレンズ」('17年発売、Eマウント用)の特長をそのままに、Xマウントカメラに対応させた製品となる。

MKX18-55mmT2.9

 どちらも焦点距離全域でT2.9の明るさを実現し、浅い被写界深度でボケ味を活かした撮影が可能。35mm判換算の焦点距離は、MKX18-55mmが27〜84mm相当で、MKX50-135mmが76〜206mm相当。2本で常用焦点距離全域をカバーする。

MKX50-135mmT2.9

 動画撮影に最適化された光学・機械設計により、ズーミング時の焦点移動や光軸ずれ、フォーカシング時の画角変更(ブリージング)を抑制。フォーカス、ズーム、アイリス(絞り)を独立してマニュアル操作できる3連リングを搭載し、すべての操作リングのギアピッチを統一して、動画撮影時の快適な操作性を目指している。フィルタ径はいずれも85mm。全長/重量も共通で206.6mm/1,080g。