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COWON、バランス出力強化、AIオーディオ搭載プレーヤー「PLENUE 2 Mark II」

 テクタイトは、COWONの新ハイレゾプレーヤー「PLENUE 2 Mark II」を4月に発売する。価格はオープンプライスで、直販サイトでの価格は183,333円。出力を強化しているほか、内蔵メモリを前モデルの128GBから、256GBに増強。新たに「AIオーディオ機能」も備えている。カラーはJupiter Gold。

PLENUE 2 Mark II

PLENUE 2とPLENUE 2 Mark IIの違い。AIオーディオ機能搭載

 大きな特徴は出力の強化。ステレオミニと2.5mmのバランス出力を備えているが、バランス出力が従来の2Vrmsから3.24Vrmsに、出力インピーダンスはアンバランスが0.6Ωから1.3Ω、バランスが1.2Ωから2.6Ωと、大幅に強化されている。

出力端子部。ステレオミニと2.5mmのバランス出力を備えている

 さらに、ステレオ再生でのクロストークもアンバランスが-137dBから-139dB、バランスが-139dBから-143dBと、改善されている。

 バッテリ容量に変更はないが、システムの最適化などで、再生時間は9時間から、10時間30分へとのびている。充電所要時間は約3時間。

 また、AIオーディオ機能を搭載。ユーザーの使用習慣などをプレーヤーが把握し、その楽曲を以前はどの程度の音量で聴いていた、といった情報を蓄積。各曲ごとに異なる音の大きさを、自動的にノーマライズするなどの調整機能を備えている。

 また、豊富な種類があるイコライジング機能の「JetEffect」も、ユーザーがどのジャンルの楽曲を再生する際に、どのエフェクトをかけていたかという情報を記録。自動設定してくれる。

 朝には、ユーザーが朝に良く聴いている曲を選ぶなど、ユーザーの使用記録/習慣に基づいてシャッフル再生する機能なども備えている。このAIオーディオ機能は、今後の機能追加も検討されている。また、AI機能はボリューム、エフェクト、シャッフルと、個別にON/OFFが可能。

AIオーディオの設定項目

 また、PLENUE 2 MKIIでは新たに、Dignis製のレザーケースが付属するようになった。

Dignis製のレザーケースが付属

基本機能はPLENUE 2を継承

 DACに、旭化成エレクトロニクスの「AK4497EQ」を搭載。据置きのUSB DACやアンプなど、ハイエンドオーディオ機器に搭載されているもので、ノイズと歪みを極小に減らし、DACの性能を極限まで引き上げたという「VELVET SOUND」技術が搭載されている。これをポータブルプレーヤーにも投入している。

背面

 32bit、8倍のデジタルフィルタを内蔵したDACだが、そのフィルタをユーザーが6個から選択可能。Short delay sharp、Short delay slow、Sharp、Slow、Low dispersion short delay、Super slowから好みの音を選べる。これとは別に、COWONのプレーヤーの特徴である「JetEffect 7」を搭載。ユーザープリセット16個を含む、66のプリセットや、10バンドイコライザ、BBE+、Special Effectも利用できる。

 再生対応ファイルは、DSD、DXD、FLAC、WAV、AIFF、Apple Lossless、APE、MP3、WMA、OGGなどで、PCMは32bit/384kHzまで対応。DSDは5.6MHzまでネイティブ再生できる。

 3.5mmのステレオミニアンバランス出力に加え、2.5mm 4極のバランス出力端子も搭載する。

 本体の右上に、2つのコントロールホイールを搭載。右側はボリュームで、左側はユーザーが機能を割り当てられるマルチホイールとなっている。JetEffectや、DACのデジタルフィルタを割り当てる事も可能。気軽に音の変化を楽しんだり、曲送り/戻し、早送り/巻き戻し、画面の明るさ調整も割り当てられる。

2つのコントロールホイールを搭載

 光デジタル出力もサポート。デュアルTCXOの精密クロックも装備。PCと接続し、USB DACとして使うこともできる。

 ディスプレイは3.7型、480×800ドットの有機ELで、静電容量式のタッチパネルタイプ。外形寸法は116.7×67.9×16.5mm(縦×横×厚さ)。高強度のメタルボディを採用。重量は192g。

音を聴いてみる

 アンバランス、バランスの両方で試聴したが、出力強化の恩恵は大きい。特にバランス出力が非常にパワフルになっており、バランス駆動によるクロストークの少なさ、音場の広さといった利点が、パワーアップした出力でより鮮明にわかるようになっている。高級プレーヤーとして、この駆動力は心強い。

 低域の力強さが顕著ではあるが、分解能が向上し、ドラムのキレや、ベースの弦の震え方など、聴き取れる情報量も多くなっている。また、JetEffectなどで音をカスタマイズした場合も、低音が甘くなったり、高域の抜けが悪くなる事もなく、エフェクト自体の出来の良さがよくわかるようになった。