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4K/8K映像対応で“曲げても踏んでもOK”なHDMI光ケーブル。56Gbps伝送も
2018年4月4日 19:37
東京ビッグサイトで4月6日まで開催されている「第1回4K・8K機材展」では、カメラやディスプレイだけでなく、周辺機器も数多く出展。その中で、4K/8K映像の伝送を想定した光ファイバーのHDMIケーブルも注目されていた。
なお、フィリップスが出展した日本初の「DisplayHDR 1000」(HDR 1000)対応液晶ディスプレイや、ピクセラの新4K放送対応チューナ「4K Smart Tuner PIX-SMB400」、BOEの8Kプレーヤーなどは別記事でレポートしている。4K・8K機材展は放送や映像制作などの商談向け展示会となっており、入場には招待券が必要。
曲げても踏んでも安定伝送、EverProケーブル
EverPro/富士通エレクトロニクスのブースで展示されているのは、曲げに強く8K/4K映像などの長距離伝送にも強いアクティブ光ケーブル(AOC)製品。放送局や機器メーカーなどのほか、VR/AR/MRなどの用途も想定している。
EverProは、光ファイバーメーカー大手の中国YOFCと、光電変換IC設計技術を持つVIAとの合弁企業。HDMIフォーラムメンバーでもあり、最新の規格策定にも関わっている。国内では富士通エレクトロニクスが販売代理店となる。
ブースには、HDMI 2.0やDisplayPort 1.4、USB 3.0などのケーブルを展示。特に、HDMI光ケーブルで重要なIC部分を自社で設計。機器メーカーなどからのカスタマイズの要望にも応えられるという。50mや100mの長さにも対応。
同社が持つ「BendRobust Fiber」は、光学特性に影響を与えずに機械的強度を大幅に向上したというもの。スリムなケーブルながら折り曲げに強くなっている。また、特殊なモールド加工により、端子部をコンパクト化できるのも特徴。
EverProによるFIBBRブランドのハイエンドケーブル「Ultra8K」は、このBendRobust技術を採用。8K/60fps映像の56Gbps伝送を実現している。
なお、現在は8Kチューナなど接続する際に、規格ではなく機器側の仕様によりHDMIケーブルを4本接続する必要があるが、この4端子分のケーブルを1本にまとめて取り回しやすくしたケーブル「DRAGON HEAD」も用意。実際にシャープやソシオネクストなどのチューナと接続してディスプレイに8Kで出力するデモを行なっている。
8K対応「TeraWire」
OPTOMIND/三菱ガス化学のブースでは、光ファイバーケーブルの「TeraWire」を展示。8K/30pを50m伝送でき、HDMI 2.1対応を謳うケーブルや、DisplayPort 1.4対応で100m伝送できるモデルなどを展示している。プラスチック光ファイバーを採用し、曲げにも強いという。
AOCに最適な光学/回路設計技術を採用し、大量生産も可能にする部品構成、生産設備も特徴としている。会場では8K映像を4本のケーブルでディスプレイに出力するデモも行なっている。