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EIZO、AIで安定表示する31.1型4K/HDR液晶「CG319X」。PQ/HLG対応、耐震スタンド
2018年4月5日 15:00
EIZOは、映像制作向けのHDR対応31.1型4K液晶ディスプレイ「ColorEdge CG319X」を5月23日に発売する。価格はオープン価格で、直販価格は594,000円(税込)。
デジタルシネマ規格のDCI 4K解像度(4,096×2,160)に対応した31.1型4Kハイエンドモデルで、'15年に発売した「CG318-4K」の後継。新たにHDRのPQ方式とHLG(Hybrid Log Gamma)方式に対応するなど、表示性能と使いやすさを向上させた。映像制作、写真、デザイン、印刷などの法人用途を想定している。パネルはIPSでノングレア。
PQ/HLG対応やAI採用など進化ポイント
配信/映画制作向けにPQ、放送向けのHLGの入出力特性(ガンマ)に対応。映画作品や放送番組など、HDRコンテンツの編集作業・カラーグレーディング作業に有効としている。専用ソフト「ColorNavigator 6/NX」で、任意のカメラLogをガンマに設定可能。モニター単体でカメラLogの映像を確認でき、撮影現場での運用に有効としている。ガンマに「HLG」を設定している場合、入力されたHLG信号に対応してシステムガンマ値1.0~1.5を選択できる。
デジタルシネマ規格のDCIや、4K/8K放送の色基準となるRec.2020など、国際規格で定められた色域・ガンマを再現する表示モードを標準搭載。カラーモードはモニター本体の前面ボタンから簡単に切替えられ、プロジェクトの色基準に合わせて手間なく色管理できる。
測定精度の高いキャリブレーションセンサーも筐体に内蔵。経年変化による表示のずれを再調整する。また、付属の専用ソフトColorNavigator 6/NXを使って用途に合わせた最適な表示に調整できる。
正しい表示を保つために必要な再調整は、内蔵のキャリブレーションセンサーが自動で実施するセルフキャリブレーションに対応。従来はセルフキャリブレーション時、モニター画面が暗転しPC作業ができなかったが、CG319Xは作業画面を表示させたまま、再調整できるようになった。再調整中も作業を中断せずメール確認などの事務作業を行なえる。なお、セルフキャリブレーション時に、画面上部のカラーパッチと右下の調整中ウィンドウは表示される。
一般的なモニターは、周囲の温度変化や内部の温度変化の影響を受けて色や明るさが変動し、正しい表示を妨げることがあるため、ColorEdgeシリーズは内部に温度センサーを搭載し、内部の温度変化をセンシングして周囲の温度変化を推定。階調/色度/輝度などに対して適切な補正を行ない、正確な表示品質を維持している。
CG319Xは、この温度推定にAI(人工知能)を活用したアルゴリズムを採用。より高い精度で周囲の温度を推定し、安定した表示環境を提供するという。この技術は特許出願中。
HDMIとDisplayPortを各2系統搭載し、いずれもケーブル1本でDCI 4K(4,096×2,160)/60p入力に対応。4K/60p撮影の映像を変換せずにプレビューできる。HDMI端子は10bit、4K/50/60p、4:2:2、DisplayPortは10bit、4K/50/60p、4:4:4までサポートする。
地震など災害時の転倒リスクを考慮し、CG319Xは耐震性に優れた新スタンドを採用。ワンタッチでスタンドが取外せるクイックリリースにも対応する。また、本体内部にファンを使わない設計を採用。静かな環境で作業できるという。スタンドの昇降は154mmで、従来の149mmよりも伸長させた。なお、チルトは上35度/下5度、スイーベルは344度で変更はない。
従来機CG318-4Kからの踏襲機能。5年保証も
従来モデルと共通の仕様として、DCI-P3カバー率は98%、Adobe RGBは99%カバー。「sRGB相当の一般的なモニターでは再現しきれない鮮やかな青空や新緑の色を忠実に再現できる」としている。
コントラスト比はDCI規格に準拠した1,500:1。黒のディテールの再現力に優れ、白浮きを抑えた引き締まった黒色表示を可能にしている。独自のデジタルユニフォミティ補正回路も搭載。輝度と色度が均一になるように画面全体をすべての階調で補正し、画面の隅々までムラの起こりにくい均一な表示を保つという。
電源を入れてから3分で輝度、色度、階調特性が安定するように設計。撮影など外出先で使う場合でも、短時間のうちに安定した表示を実現し、常に高いパフォーマンスを発揮できるという。
工場で1台ごとにRGB各色の階調を調整。理想のガンマ値になるよう、最適な値を24bit LUTを使って選択して表示階調に再割り当てしており、ばらつきのない滑らかな階調を表現可能としている。
ズーム機能や色域外警告機能など映像制作専用の機能も装備。組立不要でマグネット取付けの遮光フードも付属。本体上部と左右側面を囲い込んで、蛍光灯の映り込みなどの外光反射を防ぐ。
購入から5年間(使用時間30,000時間以内)の修理に関する費用は無償。保証期間の内外を問わず修理期間中は、貸出機を無償で提供する。輝度の保証も設け、10,000時間以内であれば、使用輝度に関わらず色温度5000~6500Kの状態で120cd/m2以上を保証する。購入製品に輝点があった場合、購入から6カ月以内は無償で液晶パネル交換を行なう。