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ソニー、'17年度は営業利益7,349億円。スマホは絞り込みへ

 ソニーは27日、2017年度の連結業績を発表した。売上高は、前年同期比12.4%増の8兆5,440億円。営業利益は同154.5%増の7,349億円。税引前利益は同177.8%増の6,990億円。純利益は同569.7%増の4,908億円と、大幅な増収増益となった。売上高についてはモバイル・コミュニケーション(MC)分野以外の全ての分野で増収した。

2017年度連結業績

 テレビを含むホームエンタテインメント&サウンド(HE&S)分野の売上高は、前年比17.7%増の1兆2,227億円。テレビの高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善と、為替の影響による。営業利益は、同273億円増の858億円。第4四半期のテレビ販売台数は250万台、通期は1,240万台。

 2018年度のHE&S分野は、売上高については収益性重視の経営により、テレビの販売台数減(通期1,150万台)により減収見込み。営業利益は、テレビの高付加価値モデルへのシフトにより、ほぼ2017年度並みを見込んでいる。

HE&S分野

 ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野は、前年同期比17.8%増の1兆9,438億円。ネットワークを通じた販売を含むPlayStation 4ソフトウェアの増収と、為替の影響、PlayStation Plusの加入増によるもの。営業利益は、前年同期比419億円増の1,775億円。PS4の第4四半期販売台数は250万台で、通期は1,900万台。

 2018年度のG&NS分野はPS4が年間販売1,600万台と300万台減ることからハードウェアが減収となるものの、ネットワーク経由のPS4ソフトウェアの増収により、ほぼ'17年度並みの売上で、営業利益においては増収を見込む。

G&NS分野

 デジタルカメラなどイメージング・プロダクツ&ソリューション(IP&S)分野は、売上高が、前年比13%増の6,559億円。営業利益は、前年比277億円増の749億円。

 スマートフォンなどのモバイル・コミュニケーション(MC)分野は、売上高が前年比5%減(354億円減)の7,237億円。スマホの販売台数減少が響いた。営業損益は276億円の損失。固定資産の減損損失313億円や販売台数減が響いた。販売台数は前年比110万台減の1,350万台。'18年度はスマートフォンの販売台数を1,000万台まで絞り込み、減収予定。

 半導体分野の売上高は、前年同期比10%増の8,500億円。営業利益は1,640億円。'18年度はモバイル向けイメージセンサーの販売増によりほぼ'17年度並みの見込み。

 映画分野の売上高は12%増の1兆111億円。営業利益は441億円と前年の805億円の損失から大幅な黒字に転換した。音楽分野の売上高は、前年比24%増の8,000億円。映像メディア・プラットフォームは、ゲームアプリ「Fate/Grand Order」が好調。営業利益は1,278億円。

 2018年度の通期業績見込みは、売上高が2,440億円減の8兆3,000億円、営業利益は649億円減の6,700億円、純利益は108億円減の4,800億円。

2018年度予想

 為替の影響やMC分野の減収のため、2017年度比で売上高は減少見込みだが、4月3日に保有していたSpotifyの発行済み株式5.7%のうち約半分を売却。その売却益1,000億円を見込んでいる。