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デノン、3.5万円の5.2ch AVアンプ「AVR-X550BT」。4K/HDR/Bluetooth

 ディーアンドエムホールディングスは、デノンブランドのAVアンプ新製品として、5.2chの「AVR-X550BT」を5月中旬に発売する。価格は35,000円。Bluetooth受信機能も備えている。

5.2chのAVアンプ「AVR-X550BT」

 価格を抑えた5.2chのAVアンプ。デノンは従来から、欧州やアジアなど、グローバル向けには500番台型番の製品を展開していたが、日本ではより高付加価値な1000番台をAVアンプをエントリーとし、500番台はラインナップしていなかった。新モデル「AVR-X550BT」は、より購入しやすい価格のAVアンプとして新たに日本で投入される。

 デコーダは、ドルビーTrueHDとDTS-HDに対応。Atmosなどのオブジェクトオーディオには対応しない。

 HDMI入力は5系統、出力は1系統とクラス最多。入力のうち3系統は、4K Ultra HD Blu-rayのパスするーに対応する。この3系統は、HDCP 2.2/4K/60p/4:4:4/24bit、4K/60p/4:2:0/30bit、4K/60p/4:2:2/36bitなどのフォーマットをサポート。広色域表現を可能にする「BT.2020」のパススルーも可能。

 HDR映像は、UHD BDに採用されているHDR10に加え、Dolby VisionとHLG(ハイブリッドログガンマ)にも対応。パッケージ、ストリーミング、放送など様々なソースでHDR映像が楽しめる。HDMIスタンバイパススルーや、ARC(オーディオリターンチャンネル)にも対応する。

 ネットワーク音楽再生機能は備えていないが、フロントにUSB入力を備え、USBメモリに保存した音楽ファイルの再生が可能。WAV、MP3、WMA、AACに加え、96kHz/24bitまでのFLACも再生可能。ただし、非圧縮のFLACには対応していない。

 Bluetoothの受信に対応。スマートフォンなどからワイヤレスで音楽再生が可能。コーデックはSBC、AACをサポート。圧縮音楽再生時には、圧縮処理で省かれた信号を生成し、圧縮前の音に近い状態に復元する「リストアラー」機能が利用可能。

 Bluetoothを使い、スマホアプリからの操作にも対応。「Denon 500 Series Remote」というアプリを用意し、アンプの操作や音楽再生が可能。

「AVR-X550BT」

 上位モデルと同様に、Hi-Fiアンプの設計思想を継承した全5チャンネル同一構成のディスクリート・パワーアンプを搭載。パワーアンプ出力段にある、パワートランジスタの温度変化をリアルタイムにモニターすることで、電流リミッター回路を取り除き、ピーク電流を強化。「微小信号から大きな信号まで音色を変えることなく、余裕のあるダイナミックなサウンドを実現した」という。

 最大出力は140W×5(6Ω)。適合するスピーカーのインピーダンスは6~16Ω。HDMI以外の端子として、アナログ音声入力×2、光デジタル入力×2、サブウーファプリアウト×2、ヘッドフォン出力×1を装備する。外形寸法は434×319×151mm(幅×奥行き×高さ)、重量は7.6kg、消費電力は310W。

 DCサーボ回路には大容量コンデンサを使い、可聴帯域よりもさらに低い、超低域からの再生が可能。サブウーハープリアウトは2系統備え、2台のサブウーファを利用する事もできる。

 音質対策が図られたオペアンプをDACのポストフィルターに採用。音の密度や解像感、空間表現を向上させた。電源部のブロックコンデンサーには、6,800uFのカスタムコンデンサーを2つ搭載。マルチチャンネルによる大音量再生時にも余裕を持った電源供給が可能という。ヒートシンクや電源トランスなどの重量物は、フットの直近に配置。高剛性のシャーシにしっかり固定する事で、音質に悪影響を及ぼす内部、外部の不要振動も排除している。

 FM/AMラジオチューナも搭載し、ワイドFMもサポートする。

 スピーカーの接続や設定、入力機器との接続などの初期設定を、テキストとグラフィックでガイドする「セットアップアシスタント」を用意。初心者でもセットアップが簡単にできる。

 付属のマイクを使い、接続されたスピーカーや部屋の音響特性を測定し、スピーカーの有無やサイズ、リスニングポイントまでの距離、音量を最適な状態に自動的に設定する機能も用意する。

 スピーカーターミナルはバネ式。わかりやすいように、チャンネルごとに色分けしている。オーバーレイ表示対応の日本語GUIも採用。本体やリモコンのクイックセレクトボタンに入力ソース、音量レベル、サウンドモードの設定などを記憶させる事もでき、同ボタンを押すだけで、記憶している設定を一度に切り替えられる。

背面

音を聴いてみる

 エントリークラスのAVアンプだが、音を聴いてみると、低域の沈み込みの深さや量感は十分あり、安定感のあるサウンドを聴かせてくれる。

 駆動力も高く、音が瞬時に出て、スッと消える様子も機敏で、トランジェントの良いサウンドだ。空間表現能力も高く、フロア型だけでなく、ブックシェルフスピーカーと組み合わせても、広い音場マッチするだろう。