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デノン、山内氏が手掛けた5.8万円のAVアンプ「X580BT」

5.2chの「AVR-X580BT」

デノンは、AVアンプの新モデルとして5.2chの「AVR-X580BT」を9月下旬に発売する。価格は58,300円。価格を抑えたモデルだが、デノンのサウンドマスター・山内慎一氏が、開発の初期から深く関わったAVアンプとなる。

Hi-Fiオーディオアンプの設計思想を継承したという全チャンネル同一構成のディスクリート・パワーアンプを搭載。最大出力140Wで5ch。パワーアンプ基板の信号ライン、電源供給ラインの低インピーダンス化やパーツ配置の最適化により、ノイズの影響を最小化したという。

エントリーモデルながら、サウンドマスター・山内慎一氏が目指すビビッド・スペーシャスなサウンドを追求した

パワーアンプ出力段のパワートランジスタの温度変化をリアルタイムにモニターする事で、電流リミッター回路を取り除き、ピーク電流を大幅に強化。微小信号から大きな信号まで、音色を変えずに余裕のあるダイナミックなサウンドを実現したという。

ロスレスのドルビーTrueHDや、DTS-HDに対応する。オブジェクトオーディオのDolby Atmos、DTS:Xには非対応。

HDRのパススルーは、HDR10、Dolby Vision、HLGに加え、HDR10+とDynamic HDRにも対応。HDMI 2.1の新機能である「ALLM(Auto Low Latency Mode)」、「VRR(Variable Refresh Rate)」、「QFT(Quick Frame Transport)」にも対応する。

HDMI端子は、4入力、1出力。全ての端子が8K/60pと4K/120pに対応。著作権保護技術のHDCP 2.3にも対応。さらに、HDMI出力からの電源供給能力が200mAから300mAに向上、電源供給を必要とする長尺のHDMIケーブルを使用する場合にも、高品位かつ安定した伝送が可能という。

クリーンで安定した電源供給を実現するため、低リーケージフラックス、低振動を突き詰めたカスタム仕様の大型EIコアトランスを搭載。プリアンプとパワーアンプそれぞれに、専用の巻線からの電源を供給する事で干渉を抑えている。

電源部には、専用チューニングされた大容量6,800uFのカスタムコンデンサーを2個使用し、信号経路および電源供給ラインの最短化や、基板上のパターンを太くするなどの改良を行なっている。

一体型のボリュームICをあえて使わず、半導体メーカーと共同開発した、入力セレクター、ボリューム、出力セレクター、それぞれに特化したカスタムデバイスを採用。ハイエンドモデルのために開発されたもので、フラッグシップモデルの「AVC-X8500HA」にも採用されているものを搭載。専用のデバイスを最適な配置で基板上に実装することで、音質を最優先したシンプルかつストレートな信号経路を実現した。

DACチップは、サウンドマスターによるリスニングテストによって選択された24bit対応のDACを採用。グラウンドを介したノイズの影響を受けにくい、ディファレンシャル動作のDACを使っている。

ネットワークオーディオ再生機能は備えていないが、Bluetooth受信機能を内蔵。スマホやタブレットから、手軽にワイヤレスで音楽を再生できる。

また、フロントのUSB端子に接続した、USBメモリ内にある音楽ファイルの再生が可能。WAV/FLAC/AIFFの場合、192kHz/24bitまでの再生が可能。ワイドFM対応のFM/AMチューナーも搭載する。

スピーカーターミナルは、端子を横一列に配置し、ケーブルの差込口を真上にした。GUIは、テキストや画像の表示解像度をアップさせ、視認性を高めた「HD GUI」となる。アニメーションも交えてわかりやすく設定方法を提示する「セットアップアシスタント」も搭載。

HDMI以外の端子は、アナログ音声入力×2、光デジタル入力×2、サブウーファープリアウト×2、ヘッドフォン出力×1。外形寸法は、434×330×151mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は7.6kg。消費電力は310W。