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オーテク、AKM DACアンプ搭載の左右分離イヤフォン。スポーツ向けも

オーディオテクニカは、Sound Realityシリーズ初の左右分離イヤフォン「ATH-CKR7TW」と、スポーツ向けの左右分離イヤフォン「ATH-SPORT7TW」を11月9日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、ATH-CKR7TWが27,000円前後、ATH-SPORT7TWが23,000円前後。カラーはどちらもブラック(BK)とグレー(GY)の2色。

ATH-CKR7TW(ブラック)
ATH-SPORT7TW(グレー)

ドイツで開催された「IFA 2018」で初披露された左右分離イヤフォンで、国内展開は「近日中に案内する」としていた。同社が8月にリリースしたスマートフォンアプリ「Connect」と連携することで、より便利に使えるようになる。

ATH-CKR7TW

原音忠実を徹底追求したSound Realityシリーズの左右分離イヤフォン。CKR7TW専用設計の11mm径ダイナミック型ドライバを搭載し、DLC(Diamond-Like Carbon)振動板と純鉄ヨークを採用。振動板の正確な前後運動を導く真鍮スタビライザーにより、「低歪でSNに優れたHi-Fiグレード」の音を実現する。

ATH-CKR7TW(グレー)

旭化成エレクトロニクス(AKM)のDAC/ヘッドフォンアンプ「AK4375」を内蔵。音響エリアと電気エリアを分割し、高解像度再生を実現するデュアルレイヤー・テクノロジー(PAT.P)や、自然な音場感を生み出すというステンレス製アコースティックレジスターを導管部に採用、音にこだわった設計とした。MEMSマイクを内蔵する。

Bluetooth 5.0準拠で、高音質コーデックのaptXとAACに対応。プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSPをサポート。連続再生時間は最大約6時間で、同梱の充電ケースとあわせて最大15時間のリスニングに対応する。3段階のLEDで充電ケースとイヤフォンの電池残量を確認可能。

イヤフォンの重量は左右とも約9g。充電ケースは約68g。装着感を安定させる3Dループサポートが付属する。

充電ケース

ATH-SPORT7TW

水で洗えるIPX5相当の防水性能を備えたスポーツ向け左右分離イヤフォンで、5.8mm径ダイナミック型ドライバを搭載。濡れた手でも、音楽再生や通話などの操作が行なえるタッチコントロール機能を備える。また、周囲の音が確認できるヒアスルー機能により、屋外でのワークアウトでも安心して使えるという。MEMSマイクも内蔵する。

ATH-SPORT7TW
ATH-SPORT7TW(ブラック)

Bluetooth 5.0準拠で、AACコーデックに対応。プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSPをサポート。連続再生時間は約3.5時間で、充電ケースと合わせて最大約17.5時間利用できる。クイックチャージ機能により、約10分の充電で最大約45分間利用可能。

イヤフォンの重量は左右とも約6.4g。充電ケースは約64g。標準イヤーピースに加え、汗ガード付きのComplyイヤーピース、4サイズの独自設計イヤーフィンが付属する。

充電ケース

音を聴いてみる

 ATH-CKR7TWは、あえて外部DACを使い、コーデックはaptXもサポートするなど、より音質にこだわったモデルだ。聴いてみると、確かに情報量が多く、肉厚で、ワイヤレスとは思えないリアルなサウンドが流れてくる。

 やや低域は強めだが、色付けは少なく、クリアかつシャープな中高域も印象的だ。左右分離型イヤフォンは、筐体内の空間がパーツなどでみっちり埋まってしまうため、音が広がらない製品もあるが、ATH-CKR7TWはそれに当てはまらない。

 スポーツ向けのATH-SPORT7TWも、クリアかつパワフルな中低域が楽しめ、高い音質を備えている。やや低域寄りのバランスだが、低音の分解能は高く、高域のクリアさも負けていない。リズムをしっかりとトレースしながら、心地よくスポーツができそうなイヤフォンだ。

左右完全分離型の市場シェアは62%、有線イヤフォンを超える

発表会に登壇した松下和雄社長は、現在の市場について「Bluetooth対応製品のシェアが、既に半分以上を占めている。2018年4月~8月の販売金額ベースでのシェアは、ワイヤレスモデルが62%、ワイヤード(有線接続)が38%に達している」と分析。

Bluetooth対応製品のシェアが、既に半分以上を占めている

中でも、左右完全分離型イヤフォンのシェアが急速に拡大。松下社長は、「(オーディオファンだけでなく)世間の注目が集まり、様々なメーカーが製品を投入している。我々は音質を第一に考え、音質にも一切妥協のないものを作っていく」と説明。

コーポレートコミュニケーション課の松永貴之マネージャーは、「ワイヤレス(ヘッドフォン/イヤフォン)の伸びはこれまでの倍以上。その人気を常に実感している」とした上で、左右分離型は、ワイヤレス製品において、金額ベースで既に43.8%を占めていると説明。

左右分離型は、ワイヤレス製品において、金額ベースで既に43.8%を占めている

人気の理由について、「各社の技術革新のスピードが高速化した事、利便性を求めるユーザーが加速度的に増えたためと分析している」という。オーディオテクニカの参入にあたっては、「単に出せば良いというものではなく、ユーザーメリット、我々のモットーを大切にしながら、しっかりとしたものを作り上げていきたい」と語り、ATH-CKR7TWとATH-SPORT7TWを紹介。

ワイヤレスモデルの販売伸び率
有線接続モデルもまだまだ人気

一方で、オーディオテクニカ製品機器別の販売数量シェアでは、ワイヤレスは20.3%、有線型は79.7%と、まだまだ有線も健在。「音質面では有線接続が有利。こだわりを持ち、いい音を聴きたいという多くのユーザーがいるという事になる」と語り、そうした層に向けても、引き続き、魅力のある製品を開発していくとした。